ガンバ大阪→ 20節を終えた時点で6勝8敗6分け。11位に位置する。17位と降格圏に位置する磐田との差は「7」なので一時と比べると差は広がっているが「残留争いから抜け出した。」とは言えない。当面の目標は「一刻でも早く残留争いから抜け出すこと」になるだろう。上位との差は広がっているので上位争いに参加するのは難しいと思うが昨シーズンのような快進撃を見せることが出来るのであればノーチャンスではない。
今夏は選手の入れ替えが激しかった。FWファン・ウィジョ(→ボルドー)、MF今野(→磐田)、MF藤本淳(→京都)など実績のある選手が退団。MF中村敬(→FCトゥウェンテ)もチームを離れた。序盤は退団組のニュースが中心になったので先行きが不安視されたが、絶対に欠かせない選手の中でチームを離れたのはFWファン・ウィジョくらい。MF今野やMF藤本淳やMF田中達やDF米倉などは主力というわけではなかった。
その一方でMF宇佐美(デュッセルドルフ)とFWパトリック(広島)の獲得に成功。さらにはMF井手口(グロイター・フュルト)の復帰も確実視されている。J1でベストイレブンに選ばれた経験のある3人が戻ってくるようだとかなり心強い。3人ともコンディションに不安を抱えているが全盛期の80%くらいの力であっても重要な戦力になれるほどのポテンシャルがある。激動の夏になっているが戦力アップに成功したと言える。
MF宇佐美とFWパトリックはともに復帰戦でゴールを決める活躍を見せたが注目が集まるのはMF宇佐美になる。フォワードになるのか?2列目になるのか?はまだ模索段階と言えるが簡単にはボールを失わない選手なので攻撃の時に厚みを加えることが出来る。他にはMF鈴木雄(川崎F)も獲得しているがこちらはサイズとフィジカルに恵まれた選手である、いろいろなポジションでプレーできるのは強みになる。
セレッソ大阪→ ロティーナ監督を招聘したC大阪は20節を終えた時点で9勝7敗4分けで勝ち点「31」。7位とまずまずの位置に付けている。開幕からの10試合は3勝5敗2分けだったが、11節以降は6勝2敗2分けと結果を残している。特筆すべきは失点の少なさになる。20試合でわずか12失点のみ。J1における1試合平均の失点数の過去最少は2008年の大分が記録した0.71失点。ここまで0.60失点のC大阪は記録更新も可能である。
失点の少なさは驚異的と言えるが課題は攻撃陣になる。得失点差「+8」というのはJ1で6番目に優れているが20試合で20得点というのはワースト5位タイ。得点の少なさは計算外と言える。FW都倉が怪我をして長期離脱したことならびにFW柿谷の不調が響いている。FWブルーノ・メンデスがチーム最多の5ゴールと活躍しているのに助けられているが「得点力アップ」は今のC大阪の大きな課題と言える。
ただ、攻撃陣も徐々に形を作れるようになってきた。攻守ともに上向きということもあって夏の動きは少ない。出場機会に恵まれなかった選手をたくさん他クラブに貸し出しているのが目立つ程度である。MF福満(→水戸)、FW山根永(→金沢)、MF秋山大(→山形)はいずれも期限付き移籍になるが、J3のC大阪U-23で活躍している選手はJ2のクラブに修行に出すケースが多いので、今夏、あと数件は移籍がありそうだ。
名古屋が獲得に乗り出したエースのFW柿谷がチームに残ったのはやはり大きい。ロティーナ監督の評価はあまり高くなくて現状では「フォワードの4番手」になる。FW高木俊やFW山田寛よりも序列は下になるが、やはり、このチームの顔である。彼の復活を期待しているサポーターは多い。怪我の影響もあってここまで1ゴールにとどまっているFW柿谷が復活するようだと今のいい流れはさらに加速するだろう。
ヴィッセル神戸→ 「Jリーグの銀河系軍団」と言われて開幕前から特大級の注目と期待を集めた神戸だったが20節を終えた時点では6勝11敗3分けで勝ち点「21」。15位と残留圏ギリギリに位置する。ビッグネームを補強して注目度が高まったチームがJ1で苦戦するケースは多いので「今シーズンの神戸が低迷すること」を予想できた人は決して少なくないと思うがここまで苦しむことを想像できた人はやはり少ないだろう。
FWダビド・ビジャは素晴らしい活躍を見せており、MFイニエスタもスタメンでプレーしたときは明確な違いを生み出すことが出来る。DF西大伍やMF山口蛍などは各々のポジションの中ではJリーグで屈指の存在である。他にも実力者はたくさんいることを考えると「魔境」と言われるJリーグの難しさを痛感するが「J2降格を回避すること」が当面の目標になる。松本山雅・磐田・鳥栖との勝ち点差はごくわずかである。
下位に低迷していることもあって、今夏、神戸は積極的な動きを見せている。今夏も話題の中心になっているが新たに加入が決まったのはDFフェルマーレン(バルセロナ)とDFジョアン・オマリ(アル・ナスル)とGK飯倉(横浜FM)の3人になる。一方、チームを離れたのはMF三田(→FC東京)とGKキム・スンギュ(→蔚山現代)とMF三原雅(→柏)とDF小林友(→町田)の4人になる。名前のある選手がたくさん移動している。
この中ではフィード力の高いGK飯倉を獲得できたのは良かった。経験のあるキーパーなので守備陣は幾分かは安定するだろう。最大の問題点はCBなのでDFジョアン・オマリもしくはDFフェルマーレンがどこまでやれるのか?がポイントになる。高さなどを考えるとCBの1人目はDFダンクレーでほぼ決まり。DFジョアン・オマリもしくはDFフェルマーレンがその相方としてプレーできるようだとチームは落ち着くだろう。
★ 現在の投票数 → 26票
→ 最大で15チームまで選択して投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2019/07/20 【J1】 今夏の移籍市場での動向が気になる選手・20名 (前編)
2019/07/20 【J1】 今夏の移籍市場での動向が気になる選手・20名 (後編)
2019/07/28 【J1】 2019年の夏の戦力補強のクラブ別の中間評価 (コンサドーレ札幌・ベガルタ仙台・鹿島アントラーズ)
2019/08/05 【J1】 2019年の夏の戦力補強のクラブ別の中間評価 (浦和レッズ・FC東京・川崎フロンターレ)
2019/08/05 【J1】 2019年の夏の戦力補強のクラブ別の中間評価 (横浜Fマリノス・湘南ベルマーレ・松本山雅)
2019/08/05 【J1】 2019年の夏の戦力補強のクラブ別の中間評価 (清水エスパルス・ジュビロ磐田・名古屋グランパス)
2019/08/06 【J1】 2019年の夏の戦力補強のクラブ別の中間評価 (ガンバ大阪・セレッソ大阪・ヴィッセル神戸)
2019/08/06 【J1】 2019年の夏の戦力補強のクラブ別の中間評価 (サンフレッチェ広島・サガン鳥栖・大分トリニータ)
2019/08/12 【J1】 2019年シーズンの記事一覧 (まとめ)
- 関連記事
-