■ 若手の流出が目立った鹿島アントラーズ鹿島は22節を終えた時点で2位に付けているが首位のFC東京との差は「7」。限界ギリギリの勝ち点差になっている。久々となるリーグ制覇に向けて落とせない試合が続いていくが今夏は主力の流出が目立った。これからの鹿島を支えていく存在になるはずだったFW鈴木優(→シントトロイデン)、MF安部裕(→バルセロナ)、DF安西(→ポルティモネンセ)がトリプル流出。代表クラスの若手が同時に3人も抜けてしまった。
一方、五輪代表のFW上田(法政大)を獲得して、同じく五輪代表のMF相馬勇(名古屋)を期限付き移籍で獲得して、若手ながら経験豊富なMF小泉慶(柏)の獲得にも成功したが、MF金森(→鳥栖)とMF平戸(→町田)も移籍となった。MF平戸も「これからの鹿島を支えていくはずの選手」だったので、FW鈴木優、MF安部裕、DF安西、MF平戸と4人もの「大事な選手」が流出。鹿島の主力がここまで流出するのは初めてと言える。
FW上田やFW染野やDF町田など「次代を担う若手」は何人かいるが、やはり、これほど早い段階で多くの選手が欧州に旅立ってしまうと鹿島でも苦しくなる。昨今の日本人の若手の海外志向の強さの影響を諸に受けているクラブになる。夏・冬問わず、移籍市場で鹿島が「負け組」になるというのはほぼ記憶にない話になるが、それでも、底力のあるクラブである。「何とかしてしまうのでは?」という期待感もある。
これからACLも再開するので「攻撃的なポジションの層が薄くなった点」はかなり気になるが、ドリブラーのMF相馬勇を獲得できたのは良かった。1人で仕掛けられる選手は貴重。ここまで仕掛けられる選手は鹿島にはいなかったので大きな補強になるだろう。「夏の移籍市場で獲得した選手」というわけではないが五輪代表のFW上田はさっそく存在感を発揮しているのでネガティブなニュースばかりではない。