清水エスパルス→ 2018年は8位と躍進した清水。今シーズンの開幕前は「上位候補の1つ」と言われていたが開幕から低迷。ヤン・ヨンソン監督は途中退任となった。篠田監督になってからはチーム状態は上向き。出遅れていたFWドウグラスが7試合連続ゴールを記録するなど13節からの6試合で4勝1敗1分け。降格圏からの脱出に成功したが19節から2連敗。トータルでは6勝10敗4分けで勝ち点「22」。14位と低迷している。
「クラブ史上2度目」となるJ2降格の危機を迎えているが日本代表のFW北川航(→ラピード・ウィーン)の流出は大きなマイナスと言わざる得ない。絶好調と言うわけではなかったが20試合で6ゴールを挙げているFW北川航の穴を埋めるのは簡単なことではない。代役候補として京都や鹿島でプレーした経験のあるMFドゥトラ(コリンチャンス)を獲得しているが「彼がどのくらいやれるのか?」が目下の注目点になる。
2010年と2011年は京都、2012年は鹿島でプレーしているので日本のサッカーを知っている選手になるが最後にJリーグでプレーしたのが2012年なのでかなり昔の話になる。当時は若手プレーヤーでどちらかというとセルフィッシュなプレーが目立ったが年齢を重ねてどういう風に変わっているか?FW北川航と同様で下がり目の位置(トップ下)でプレーする機会が多くなると思われるが後半戦の清水のキーマンになる。
他には若手のMF西村恭(→岡山)が期限付き移籍となって、DF吉本(福岡)とDF福森直(大分)を獲得。GK大久保(鳥栖)の獲得にも興味を示していると報じられている。20節を終えた時点で42失点というのはJ1最多。守備的なポジションを重点的に補強してきたことになる。DF福森直は大分では3バックの左でプレーする機会が多かった。清水は4バックを採用しているので左SBで起用される可能性もある。
ジュビロ磐田→ 20節を終えた時点では4勝11敗5分けで勝ち点「17」。17位と降格圏に位置する。同じく「クラブ史上2度目」となるJ2降格の危機を迎えているが今夏は積極的な動きを見せている。ルクセンブルク代表のFWロドリゲス(→ディナモ・キエフ)は流出となったが2億4,000万円とも言われるFWロドリゲスの移籍金が元手になったのか、大型補強を敢行した。降格回避に向けて強い意欲を感じる補強になっている。
加入が決まったのはFWルキアン(チョンブリ)、MFエベシリオ(レッドスター)、MF今野(G大阪)、MF秋山陽(名古屋)の4人になる。MFエベシリオを除く3人は直近の21節の仙台戦(A)で先発出場したが3人とも存在感を発揮した。怪我がちなFW川又に代わって得点源になることが期待されるFWルキアンは中央でボールをおさめて起点になれる選手である。タイで結果を残しているストライカーにかかる期待は大きい。
ボランチで起用された元・日本代表のMF今野はコミュニケーションのミスから失点に絡んでしまったがFKからヘディングシュートを決めて移籍後初ゴールをゲットした。今シーズンの磐田はセットプレーからほとんどゴールを奪えていなかったが嗅覚を持ったMF今野の加入でセットプレーの威力は増すだろう。左WBのMF秋山陽は2点を追う展開になった後は持ち味である攻撃的な良さをいかんなく発揮した。
移籍後初先発の3人が早くもチームに溶け込んで良さを出せているのはいい話になる。一方、FWロドリゲス(→ディナモ・キエフ)、MF中村俊(→横浜FC)、FW小川航(→水戸)、DF石田崚(→山口)の4人がチームを離れた。FWロドリゲスの流出を心配する声は多いが、扱いの難しいプレースタイルであり、扱いの難しいタイプの性格だったFWロドリゲスの移籍はチームにプラスの影響もたらす可能性がある。
名古屋グランパス→ 開幕から攻守が噛み合って上位争いに参加してきた名古屋は11節を終えた時点で7勝2敗2分けで勝ち点「23」。2位と優勝争いに参加していたが12節から8試合勝ちなし中。順位は10位まで後退した。これからもしばらくの間、未勝利が続くようだと残留争いに巻き込まれる可能性も否定できない。7勝8敗5分けという成績は決して悪くはないがこのままズルズルと後退するだけは避けないといけない。
超・大型補強を敢行して「V字回復」を果たした昨夏と比べるとおとなしい動きに終始しているがそれでもDF太田宏(FC東京)の獲得に成功。FW柿谷(C大阪)の獲得にも興味を示したので今夏の移籍市場でも話題の中心になっている。「DF吉田豊がいて、DF金井がいて、MF秋山陽もいた中でDF太田宏の獲得に動いた。」というのはやや不可解な動きだったが初陣のG大阪戦(A)では3バックの一角で起用された。
MFガブリエル・シャビエルが調子を落としていることもあってここ最近はセットプレーが威力を発揮していない。J1屈指の左足を持ったDF太田宏の加入でどう変わるのか?は興味深い。怪我の影響もあってC大阪で出場機会を失っているFW柿谷の獲得に乗り出したのは驚きだったが移籍は実現せず。2トップの一角でFW柿谷を起用するつもりだったと思うので「FWジョーの相方探し」は持ち越しのテーマになる。
4月・5月あたりの状態が良かった時期はFW長谷川アーリアジャスールが2トップの一角で起用されて躍動した。夏の移籍市場もそろそろ終盤戦に入ってきたが「攻撃的なポジションの補強を行うのか?」は注目点になる。一方、今夏にチームを離れたのはDF櫛引(→大宮)とDF菅原(→とAZ)とMF秋山陽(→磐田)の3人になる。貴重な戦力だったDF櫛引を出しているので「その代わりとなるCBの補強」は必要だろう。
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