横浜Fマリノス→ 20節を終えた時点で12勝5敗3分けで勝ち点「39」。2位と絶好の位置に付けている。2004年以来となるJ1制覇に向けてエキサイティングな展開になっているが今夏の移籍市場でも積極的な動きを見せている。早い段階でDF伊藤槙(水戸)の獲得したが快進撃を見せる水戸で「年間ベストイレブン級の活躍」を見せていたJ2屈指のCBを獲得に成功。近年の横浜FMはJ2やJ3で活躍した選手を獲得するケースが多い。
ドリブラーのMF泉澤(ポゴニ・シュチェチン)の獲得も補強ポイントに合った補強と言えたが誤算はMF天野純(ロケレン)の流出になる。主軸として活躍していた中堅世代のMF天野純がこのタイミングで抜けることは想像できなかった。J1屈指の運動量を持ったレフティの穴を埋めるのは簡単なことではないが、今のところ、彼の穴を埋める補強はない。U-20日本代表のMF山田康あたりに期待をしているのだろう。
GK飯倉(→神戸)の移籍も驚きだった。J3のFC琉球から個人昇格を果たしたGK朴一圭に定位置を奪われる形になっているが実績・年齢・サイズ・能力などを考えると、今後、「GK飯倉が定位置を奪い返すこと」は十分にあり得た。GK朴一圭は初挑戦となるJ1で誰も予想しなかった活躍を見せているが「GK朴一圭がいれば大丈夫」とは言い切れない。GK中林(広島)を獲得したがキーパーは心配材料になる。
また、FWエジガル・ジュニオが骨折をして全治3か月と診断されている。復帰時期は10月末あたりになると予想されるので最低でも10試合近くを欠場することになるが代役候補としてFWエリッキ(ボタフォゴ)の獲得に動いていると報じられている。「170センチとサイズには恵まれていないがドリブルとシュートが特徴」と報じられている。久々となるJ1制覇のチャンスを迎えているのでまだまだ動きはありそうだ。
湘南ベルマーレ→ 20節を終えた時点で7勝11敗2分けで勝ち点「23」。12位に位置する。13節から5連敗と苦しんだが18節はアウェイで名古屋に勝利。連敗を止めることが出来た。「残留争いに巻き込まれることなく中位争いに加わること」が目下の目標になるが、今夏、激しい動きを見せている。5連敗を喫して危うい流れになりかけたことも関係していると思うが「夏に湘南がここまで激しい動きを見せるのは珍しい。」と言える。
退団が決まったのはMFレレウ(→水戸)、DFデュマス(→契約解除)、MF秋野(→長崎)、FW鈴木国(→鳥取)の4人になる。いずれの選手も今シーズンは出場機会に恵まれなかった。逆に加入が決まったのはFWクリスラン(SCブラガ)、FWトカチ(レバークーゼンU19)、MF山田直(湘南)、DF毛利(金沢)、MF澤田恒(キッカーズ・オッフェンバッハ)の5人になる。仙台と清水で活躍したFWクリスランは能力の高い選手である。
1トップの位置でもシャドーの位置でもプレーできるFWクリスランは攻撃の中心になれる選手である。攻撃的なポジションでプレーする選手のゴール数がやや少ない点は近年の湘南の慢性的な課題になっているので彼にかかる期待は大きい。MF山田直は2015年~2017年まで湘南でプレーしている。特にJ2だった2017年は39試合で5ゴール6アシストを記録。主軸としてJ2優勝に大きく貢献した功労者である。
サポーターからの人気も高かったので彼の復帰は歓迎されるだろう。大卒2年目のDF毛利は個人昇格になる。身体能力が高くて左右両サイドをこなせる点が大きな武器となる。慣れてきたら右WBもしくは左WBのレギュラーとして活躍しても不思議はないほどのポテンシャルを秘めている。残念なのは新戦力のMF澤田恒が7月末の練習中に大怪我をしてしまった点。全治8か月と診断されて長期離脱することになった。
松本山雅→ 2015年以来のJ1復帰を果たした松本山雅は20節を終えた時点で4勝10敗6分けで勝ち点「18」。16位と入替戦圏内に位置する。14節から7試合勝ちなし中と苦戦を強いられている。初のJ1残留に向けてシビアな戦いが続くが夏の移籍市場では激しい動きを見せている。チームを離れたのはMF前田大(→CSマリティモ)、MF那須川(→藤枝MYFC)、MF塚川(→FC岐阜)、FWレアンドロ・ペレイラ(→広島)の4人になる。
J1では2ゴールとなかなか結果を出せなかったが絶対的なスピードは武器になっていた五輪代表のMF前田大が抜けたのは痛手である。降格回避に向けてどんな選手を補強するのか?に注目が集まったがDF水本(広島)、FW阪野(山形)、MF高木利(柏)を獲得した。元・日本代表のDF水本は経験豊富なCBで、FW阪野は前線で体を張ったプレーでチームに貢献できる。MF高木利は攻撃力のあるSB/WBになる。
いずれの選手も特徴を持った面白い選手になるが「チームを劇的に変えられる選手」とは言えないだろう。広島への期限付き移籍が決まったFWレアンドロ・ペレイラは推定年俸が1億円とも言われる高額年俸者だったので彼の放出に成功したことで身動きは取りやすくなった。とにもかくにも攻撃力不足&得点力不足に苦しんでいるチームなので「さらなる攻撃的なポジションの補強」があるのは確実と言える。
「20試合で12得点という攻撃陣を何とかしないと残留は難しい。」というのは誰がどう考えても明らかである。残留争いのライバルである鳥栖がFWチアゴ・アウベス、磐田がFWルキアンを獲得したように松本山雅も攻撃の中心になれるストライカーもしくはアタッカーを獲得したい。「どのクラスの選手を獲得できるのか?」でクラブの未来は大きく変わってくるだろう。大きな存在感を発揮できる選手が欲しい。
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