■ 3チームが残留争いの中心2015年以来のJ1復帰を果たした松本山雅は20節を終えた時点で4勝10敗6分けで勝ち点「18」。16位と入替戦圏内に位置する。5月26日(日)に行われた13節の名古屋戦(A)で勝利したのを最後に7試合勝ちなし中となる。2月・3月・4月・5月は順調に勝ち点を積み上げてきたが6月・7月は未勝利に終わった。17位の磐田と18位の鳥栖との勝ち点差はわずか「1」のみ。この3チームが残留争いの中心になっている。
3チームとも今シーズンは得点力不足に苦しんでいる。磐田は14得点、鳥栖は13得点、松本山雅は12得点のみとなる。総得点がワースト4位の浦和でも19得点を奪っていることを考えると「磐田・鳥栖・松本山雅の3チームの総得点は異常に少ない。」と言える。いずれのチームも「コンスタントに点が取れるフォワードもしくはアタッカー」を必要としているが鳥栖はFWチアゴ・アウベス(全北現代)の獲得に成功した。
磐田はチーム内得点王だったFWロドリゲスが抜けたがFWルキアン(チョンブリFC)を獲得した。タイの国内リーグでゴールを量産しているCF系の選手を補強することが出来たのは良かった。残留争いのライバルになる鳥栖と磐田がゴールゲッターの獲得に成功しているのに対して松本山雅は逆に五輪代表のMF前田大(→CSマリティモ)が流出となった。彼のスピードは絶対的な武器だったので大きな痛手と言える。
今夏、J2の山形で21試合に出場して7ゴールを記録していたFW阪野(山形)を獲得しているがJ1通算では9試合でノーゴール。J1での実績はない。身体の強い選手なので潰れ役になったり、前線で相手CBとタフに戦うことは出来るが、味方のサポートが少ない松本山雅でコンスタントにゴールを決めることは想像しにくい。FWチアゴ・アウベスやFWルキアンと比べると格的にかなり見劣りするのは否めないところである。
■ 反町JAPANの時に主力として活躍やはり、推定年俸が1億円(※ 5,500万円という説もある。)とも言われる新戦力のFWレアンドロ・ペレイラが期待に応える働きができなかったことは松本山雅にとっては最大級の誤算だった。今夏の移籍市場でFW阪野以外にもストライカー系の選手を獲得するのであれば「FWレアンドロ・ペレイラの問題」を片付けないといけなかったが幸いにして広島が獲得に乗り出しており、広島への期限付き移籍が濃厚となった。
FWレアンドロ・ペレイラの放出に目途が立ったことで動きは取りやすくなったが新たな補強選手として元・日本代表のDF水本の名前が挙がっている。広島の3度の日本一に大きく貢献したDF水本は北京五輪代表チームのときに反町監督の指導を受けている。アジア予選のときはDF青山直(G大阪)とCBコンビを組むケースが多かったが「DF水本&DF青山直のCBコンビ」は反町JAPANのストロングポイントだった。
フル代表にも選出されていたDF水本のことを反町監督は高く評価して主力として起用したので2人の間には強い信頼関係があったと思われる。「もう一度、反町監督の元でプレーしたい。」、「反町監督を助けたい。」、「反町監督の誘いであれば・・・。」という気持ちは間違いなくあると思うが、『CBが今夏の松本山雅の補強ポイントなのか?』というと微妙である。やはり、真っ先に強化したいのは攻撃陣である。
■ 補強ポイントに合った選手とは言い難い。20節を終えた時点で26失点を喫しているが決して悪い数字ではない。ここ最近はDF飯田真とDF當間とDF今井の3人がCBの位置で起用されているが、他にも開幕からずっと主力としてプレーしてきて現在は怪我のため離脱中のDF橋内がいて、DFエドゥアルドがいて、DF服部康がいて、DF浦田延もいる。もちろん、DF水本ほどの実績を持った選手はいないが他のポジションと比べるとCBはまずまず充実している。
敢えて言うと、今シーズンの松本山雅の問題点の1つは「フィード力の高いCBが不足している。」という点になる。後方からのミドルパスやロングパスの質があまり高くないので前線でフォワードの選手がボールをキープすることが出来ないケースが多かったがDF水本は射程の長いボールを蹴れる選手ではない。CBを補強するのであれば「長いボールを蹴れる選手」をピックアップすべきだったと個人的には考える。
当然、これだけの実績がある選手なので年俸は高い。DF水本の今シーズンの推定年俸は5,500万円になる。せっかく、高額年俸のFWレアンドロ・ペレイラの放出に目途が立ったにもかかわらず、守備的なポジションの高額年俸の選手を獲得するのはあまりいい補強には思えない。DF今井やDF當間の代わりにDF水本を起用したら全体の守備力は高確率でアップすると思うが劇的なほどプラスになる可能性はかなり低い。
今の時点での1試合平均の失点数は1.30。DF水本の加入によって平均の失点数が小さくなることはあり得るがとにもかくにも1試合平均の得点数が0.60という部分をどうにかしないと残留争いから抜け出すのは難しい。FWレアンドロ・ペレイラがチームを離れるのであれば代わりとなる選手の獲得に動くのは間違いないが全精力を注いで攻撃の中心になれるフォワード(もしくはアタッカー)の獲得に向かうべきだったと思う。
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