■ 残留争いに巻き込まれつつあるが・・・。町田は25節を終えた時点で6勝11敗8分けで勝ち点「26」。18位と低迷している。5試合勝ちなし中で残留争いのグループに巻き込まれつつあるがオフにMF平戸がレンタル終了で鹿島に戻ったのが痛かった。2018年は40試合で8ゴール17アシストを記録。町田の4位躍進に大きく貢献したMF平戸が抜けたことでセットプレーの威力が激減。攻撃において大きな武器だったセットプレーがチームの武器にならなくなった。
昨シーズンの町田は42試合で62得点を奪っている。これはJ2では6番目に多かった。そのうち28得点はセットプレーから生まれているので割合に直すと45.2%。絶対的な武器になったが今シーズンは25節を終えた時点でセットプレーでの得点はわずか「5」。もともと流れの中でたくさんのチャンスを生み出せるほどの攻撃力を持ったチームではないので25試合で23得点のみという数字になってしまうのも致し方ない。
30才になったMF森村という選手は「いい左足を持った選手」になるが右利きのキッカーは台頭してこなかった。「我慢強く戦ってセットプレーからゴールを奪って勝ち点を積み上げる。」という必勝パターンがなくなった町田が低迷するのも納得できるが8月1日(木)になってMF平戸(鹿島)の完全移籍での加入が発表された。2018年のJ2でMVP級の活躍を見せた選手が約半年ぶりに町田に復帰することになった。
「J3降格の危機」を迎えている町田にとっては「これ以上ないほどの補強」と言える。夏の移籍市場で選手を獲得した場合、「どのくらいでチームにフィットするのか?」というのはかなり大事なってくるがMF平戸であれば問題なし。FW鈴木孝やMF吉濱などが抜けてFW富樫やFW岡田優などが加入しているので昨シーズンと比べてメンバーは少し代わっているが大きな違いはない。勝手知ったる選手が多い。
■ 最高の補強になった町田ゼルビア心配されるのは試合勘の問題になる。レンタルバックした鹿島ではほとんどプレーするチャンスが無かった。J1のリーグ戦ではわずか1試合の出場にとどまっており、トレーニングのときは本来のポジションではない右SBで起用されるケースも多かったと言われている。体力的な部分で問題や不安が生じる可能性があるが低迷打破のための起爆剤としては打ってつけの存在である。希望の光が差してきたと言える。
今シーズンの町田は攻撃的なポジションの選手が軒並み低調。新・エースのFW富樫は25試合で4ゴールにとどまるなど攻撃の中心になれる選手が出てこなかった。ベテランのFW中島裕も例年と比べるとパフォーマンスが良くないので相馬監督の悩みの種になっているが「今シーズンの町田が抱えている問題のいくつか」をあっさりと解決してしまうほどの実力ならびに影響力を持った選手である。
町田にとっては「最高の選手を補強できた。」と言えるが、正直なところ、このタイミングで鹿島が完全移籍でMF平戸を手放すとは思わなかったし、このタイミングで完全移籍で町田に出る意思があるとは思わなかった。鹿島ユース出身の選手であり、クラブへの思いの強い選手である。「今夏の移籍市場で鹿島を離れるにしても期限付き移籍だろう。」というのが一般的な見方だった。まさかまさかの完全移籍である。
■ チャンスは増えそうな状況だったが・・・。鹿島というと、つい先日、メルカリ社への経営権の譲渡が発表されたばかりである。今夏はFW鈴木優(→シントトロイデン)とMF安部裕(→バルセロナ)とDF安西(→ポルティモネンセ)の3人が欧州に旅立っているが、3人に続いてMF平戸もチームを離れることになった。この中でDF安西は東京Vユース出身なので外様になるがその他の3人は生え抜き。FW鈴木優とMF平戸については「ユース育ちの生え抜き」になる。
すでに五輪代表のエース格であるFW上田(法政大)の前倒しでの加入が発表されているが加入が決まったMF小泉慶(柏)は守備的なポジションの選手である。MF金森(→鳥栖)の移籍も決まっているが攻撃的なポジションの新戦力は今の時点ではFW上田くらい。「今後は過密日程になるのでMF平戸やMF名古やFW山口一あたりの若手に期待したい。」というサポーターは多かったと思うので驚いた人はたくさんいるだろう。
当然、MF平戸が町田で2018年のような活躍ができれば価値は高まる。「当面は期限付き移籍にして、半年後のオフの移籍市場で価値が高まった状態でどこかのクラブに売る。」という選択肢もあったと思うが完全移籍になった。「2度も同じクラブには貸さない。」、「欲しければ移籍金を用意しろ。」というのが鹿島側の考えだったのかもしれないが、将来の主力候補だったのでこの時点での売却は勿体なく感じる。
鹿島はACLを含めた4つのコンペティション全てで勝ち残っている。「今まではチャンスが無かったが、今後、必ずどこかでチャンスが回ってくる。」と言えたのでサプライズ移籍になった。また、「MF平戸が市場に流れるのであれば獲得したいと考えるクラブはJ1にもたくさんあったのでは?」とも思うのであっさりと町田に決まったのも驚いたが東京五輪出場を目指して町田で大きな存在感を発揮することが期待される。
★ 現在の投票数 → 276票
→ 最大で20人まで選択して投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2014/02/25 生・フォルランを観に行って来た。@セレッソ大阪舞洲グラウンド
2019/06/29 【Jリーグ】 FWブルーノ・メンデス(セレッソ大阪)のチャント炎上騒動について
2019/06/29 【Jリーグ】 独断と偏見で選んだ「カッコいいと思うチャント」 (10選)
2019/06/29 【Jリーグ】 独断と偏見で選んだ「カッコいいと思うチャント」 (エクストラ)
2019/07/29 【セレッソ大阪】 「ブルーの麺です」を食べに行ってきた。 (ファン感謝デー) (上)
2019/07/30 【セレッソ大阪】 「ブルーの麺です」を食べに行ってきた。 (ファン感謝デー) (中)
2019/07/30 【セレッソ大阪】 「ブルーの麺です」を食べに行ってきた。 (ファン感謝デー) (下)
- 関連記事
-