大宮アルディージャ→ 開幕4試合は1勝2敗1分けと躓いた大宮だったが5節から16試合負けなしと突っ走った。攻守に安定した戦いを見せたが引き分けが多かったこともあって思うようには勝ち点は伸びなかった。直近の6試合は2勝2敗2分け。連勝が続いている首位の京都ならびに2位の柏との差が「4」まで広がって踏ん張りどころを迎えている。24節を終えた時点では11勝4敗9分けで勝ち点「42」。5位とプレーオフ圏内に位置する。
ただ、2018年からプレーオフのレギュレーションが変更になって「プレーオフを制してJ2のチームがJ1昇格を達成する難易度」は一気に上がった。「最後にJ1のクラブとのアウェイ戦で勝たないといけない。」というのはJ2のクラブにとってはきつい話である。J1復帰が至上命題になる大宮としては何が何でも2位以内に入って自動昇格の切符を勝ち取らないといけない。ここから京都や柏を蹴落とさないといけない。
24試合で34得点/20失点なので攻撃も守備も決して悪くないが夏の補強は最小限にとどまっている。J1時代の大宮は前半戦で低迷して残留争いに巻き込まれることが多かったので豊富な資金力を生かして夏の移籍市場で有力選手を獲得するケースが多かったがここまでに加入が決まったのはMFイッペイ・シノヅカ(横浜FM)とDF櫛引(名古屋)の2人だけ。チームを離れる選手は今のところは誰もいない。
現状のメンバーにクラブは自信を持っているのかもしれない。ロシア国籍のMFイッペイ・シノヅカは24節の山口戦(H)では左WBで起用されて勝利に貢献した。高木監督は長崎時代から「左右のWBにゴールに絡むプレー」を求める傾向が強かったがアタッカーのMFイッペイ・シノヅカをWBで起用するというアイディアは面白い。DF畑尾とDF高山和のCB2人が怪我で離脱しているのでDF櫛引を獲得できたのは良かった。
ジェフ千葉→ 4節を終えた時点でフアン・エスナイデル監督が退任。クラブOBの江尻監督を招聘して立て直しを図ることになった。明らかに前体制時と比べるとチームは安定するようになったが24節を終えた時点では6勝9敗9分けで勝ち点「27」。16位と低迷している。6位の岡山との差は「13」なのでプレーオフ出場は難しくなっており、逆に21位の栃木SCとの差が「7」のみ。今後、残留争いに巻き込まれる可能性もある。
監督交代後の成績は6勝7敗7分けなので悪くはないがV字回復を果たすことは出来なかった。今シーズンも期待を裏切るシーズンになっているので夏の移籍市場で積極的な動きを見せることが期待されたが今のところは静かである。現時点で確定しているのは元日本代表でクラブOBとなるDF米倉(G大阪)の復帰が確定したことのみ。2014年まで千葉でプレーしていた選手が久しぶりに戻ってくることになった。
千葉時代の最終年に本格的に右SBにコンバートされて覚醒。G大阪では主に右SBで起用されてタイトル獲得にも貢献しているが若返りを進めるG大阪の中では居場所がなくなりつつあった。5年半ぶりの復帰になるが千葉在籍時はサポーターから人気のあった選手なのでサポーターは歓迎するだろう。若い頃に千葉でプレーして、その後、他クラブに移籍して、30才を超えて千葉に戻ってくる選手はかなり多い。
DF米倉は2列目でもプレーできるが基本は右SBになる。最近のDFゲリアは悪くないプレーを見せているが近年の千葉は右SBを固定できていない。DF米倉とDFゲリアのポジション争いは興味深い。DF米倉の復帰はニュースだったが16位という順位を考えると「彼1人の補強」ではサポーターは満足しないだろう。ただ、各ポジションに力のある選手がいるので補強ポイントがどこなのか?は意見が分かれるだろう。
柏レイソル→ 開幕4連勝を達成した後は引き分けが多くて波に乗り切れなかったが19節から破竹の6連勝。順位を上げてついに自動昇格圏となる2位に浮上した。6連勝中も苦しい展開になることは多かったが勝負強さを発揮して勝ち点「18」を獲得。首位の京都とは同じ勝ち点「46」になる。極度のシュートスランプに陥っていたMFクリスティアーノが完全復活。ここ最近の試合では決定的な仕事を連発してチームを牽引している。
5節以降の結果が出なかった時期もチャンスは作れていた。MFクリスティアーノやFW江坂やMF瀬川祐がチャンスで決められずに勝ち点を取りこぼす試合が多かったので「MFクリスティアーノが高い確率で決定機をネットに沈めるようになったこと。」がチームとして結果を出せるようになってきた最大の理由になる。京都もなかなか勝ち点を取りこぼさないので京都と柏の上位争いは熾烈な争いになっている。
「1年でのJ1復帰」に向けて夏の移籍市場では序盤戦から積極的な動きを見せているが、出場機会に恵まれなかったMF村田和(→福岡)とMF高木利(→松本山雅)とMF小泉慶(→鹿島)を放出してFWジュニオール・サントス(フォルタレーザ)とMFマテウス・サヴィオ(アラゴアーノ)とMF三原雅(神戸)を獲得。ボランチのMF三原雅はさっそく2試合連続でボランチの位置でスタメン出場。早くも貴重な戦力になっている。
さらに右SBのDF小池龍(→ロケレン?)の移籍が確実な情勢になっているが25才のDF川口尚(新潟)の獲得に成功した。先日の試合では高卒2年目のDF田中陸が右SBで起用されたがあまり良いプレーは出来ず。「DF小池龍が抜けると穴を埋めるのは大変。」と思われたが早くも手を打ってきた。DF川口尚は身体能力が高くて縦への推進力を持った選手なのでJ2レベルで考えると計算のできる右SBと言える。
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