■ 今夏も話題の中心になっているのは神戸「VIPトリオ」を擁する神戸に対する注目度は非常に高かったがシーズン開幕後に2度も監督交代を実施するなど苦しんでいる。20節を終えた時点では6勝11敗3分けで勝ち点「21」。15位と残留圏ギリギリに位置する。「3度目となるJ2降格」の危機を迎えていることもあって今夏の移籍市場でも積極的な動きを見せているがCBとSBでプレーできるレバノン代表のDFジョアン・オマリ(アル・ナスル)の獲得に成功した。
さらにベルギー代表のDFフェルマーレン(バルセロナ)の加入も噂されており、元日本代表のDF酒井高(ハンブルガーSV)の獲得にも乗り出しているという。逆に退団が決まったのはMF三田(→FC東京)。古巣であるFC東京に復帰することになった。さらに今シーズンは精彩を欠いている韓国代表のGKキム・スンギュも古巣である蔚山現代への復帰が濃厚。ベテランのMF三原雅(→柏)も期限付き移籍でチームを離れた。
今夏の移籍市場でも神戸が話題の中心になっているが獲得に乗り出していたGK川島(ストラスブール)の獲得には成功しなかった。キーパーが泣き所になっているので「キーパーをどうするのか?」というのは注目点の1つだったがGK飯倉(横浜FM)の獲得が確実視されている。GK飯倉はサイズには恵まれていないが足元の技術が高いキーパーである。繋ぐサッカーを志向する今の神戸には合った選手と言える。
■ J1で実績のあるキーパーGK飯倉はJ1で200試合以上に出場した実績がある。33歳なのでベテランの域に入っているがキャリアのほとんどは横浜FMでプレーしている。プロ2年目の2006年に当時はJFLに所属していたロッソ熊本でプレーしている。JFLで26試合に出場するなど経験を積んで横浜FMに復帰してきたが「前・所属クラブがロッソ熊本になる唯一の現役プレーヤー」だと思われる。レアな表記がついに消えることになりそうだ。
当然、キーパーとしての総合力では韓国代表としてたくさんの国際試合を経験しているGKキム・スンギュの方がかなり上になるが「今の神戸のスタイルに合ったキーパーはどちらなのか?」という視点で考えると「GK飯倉の方がベター」と言える。獲得候補に名前が挙がったGK川島も足元の技術が高いキーパーではないことを考えると「GKキム・スンギュやGK川島よりも神戸の正キーパーに適した選手」と言える。
「GKキム・スンギュが移籍する可能性が高まったので代わりになるキーパーが必要になったのか?」、「GKキム・スンギュでは不満足なので代わりのキーパーを探すことになったのか?」、「高いレベルのキーパーを複数抱えたいと考えたのか?」ははっきりしない。ここまでの経緯についての情報は流れていないが報道どおりにGK飯倉を獲得できるようだと「結果オーライ」と言える。実現したら大きな補強になる。
■ 移籍が実現したらサプライズ神戸はスタイルに合った実績のある日本人キーパーを獲得できそうな流れになったがこのタイミングでGK飯倉が動くとは予想できなかった。冷静に考えると神戸が求めている4つの条件(日本人であること・足元の技術が高いこと・経験値が豊富であること・定位置を失っていること)を満たす数少ない選手がGK飯倉になるが「今夏の移籍市場にGK飯倉が流れること」は予想できなかったので結構なサプライズである。
今シーズンも開幕当初は横浜FMの正キーパーとしてプレーしたが途中でGK朴一圭にポジションを奪われた。GK朴一圭もいくつか失点に絡むミスを犯しているがまずまず安定したプレーを続けており、ポステコグルー監督の信頼を勝ち取りつつある。昨シーズンはJ3のFC琉球の守護神として大活躍したキーパーであるがJ1どころかJ2でプレーした経験もなかった選手である。まさかのスタメン定着と言える。
彼の活躍は「
今シーズンのJリーグのサプライズの1つ」に挙げられるがJ1での実績が十分ではないキーパーなのでこのタイミングでGK飯倉に出ていかれると横浜FMのキーパー陣は不安定になる。先日、第4キーパーという立ち位置だった21才のGK原田岳をJ3のSC相模原に貸し出していることを考えると「このタイミングでのGK飯倉へのオファーならびに流出」は横浜FMのフロントにとっては想定外だったと考えられる。
■ キーパーの補強は急務になる横浜FMGK飯倉が流出すると第2キーパーがGK杉本になる。若い頃から年代別代表の常連だった選手であるがJ1での出場機会はゼロ、J2でも14試合の出場のみ。26才なので中堅世代になるが試合経験は豊富ではない。2種登録のGK小澤とGK寺門もいるが戦力として計算するのは難しい。育成型期限付き移籍のGK原田岳を呼び戻すか、新たにキーパーを獲得しないといけない。「2人+2種登録」で乗り切るのは不可能である。
GK飯倉の神戸移籍が確定した後、横浜FMがキーパーの確保に動くのは間違いないが、J2のクラブで存在感を発揮しているキーパーもしくはJ2のクラブで出場機会に恵まれていないキーパーがメインターゲットになるだろう。外国人枠には余裕があることを考えると外国人キーパーを補強する可能性もあるが、ここ最近、出場機会を失っているスペイン人のGKビクトル(FC岐阜)あたりは狙い目と言える。
GKビクトルは足元の技術も高いキーパーなので今の横浜FMのサッカーにフィットする可能性は高い。出場機会を失っているGKビクトルであれば他のクラブに及ぼす影響は小さくなるがJ2で大きな存在感を発揮している正キーパーを引き抜くようだとJ2全体に与える影響も大きくなる。キーパーは1人の選手が動くと玉突きで次々に選手が動くケースが多い。しばらくの間は横浜FMの動きから目が離せない。
→ 2018/04/22 【J1】 GK飯倉大樹(横浜Fマリノス)の走行距離が物凄いことになっている件
→ 2019/07/23 【Jリーグ】 雑な扱いを受けるGKキム・スンギュ(ヴィッセル神戸)に同情する。
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