■ 長崎への電撃移籍リオ五輪代表の手倉森監督を招聘した長崎は22節を終えた時点で9勝9敗4分けで勝ち点「31」。10位に位置する。開幕当初は極度の得点力不足に苦しんだが開幕後にFW呉屋を獲得。彼が7試合連続ゴールを記録するなど大爆発して13節からは4連勝。一気に順位を上げてきたがここ6試合は1勝4敗1分けと低調。6位まで順位を上げた時期もあったがやや後退して10位。プレーオフ圏外に落ちてしまった。
上位陣との差が広がりつつあるので踏ん張りどころを迎えているが夏の移籍市場でMFカイオ・セザール(川崎F)を獲得。やや手薄だったボランチの補強に成功してさらにFWイバルボ(鳥栖)の期限付き移籍に成功した。FWイバルボはコロンビア代表として15試合に出場した経験を持っている。2017年にはJ1で25試合に出場して5ゴールを記録。数字的にはそこまでではなかったがJリーグの優秀選手に選出されている。
ただ、2018年の6月に左膝前十字靭帯断裂という大怪我を負ったので長期離脱。復帰明けとなった今シーズンは3試合の出場のみ。力を出せなかったが188センチの大型ストライカー。リーチの長さを生かしたポストワークに定評がある。キャリアの成績を見ても過去最多はセリエAのカリアリでプレーした12-13シーズンの34試合で6ゴール。得点力の高い選手ではないが周りの選手を生かすプレーができる選手である。
■ 気になるのはコンディション面今シーズンの長崎は開幕当初はFW玉田とFWイ・ジョンホの2トップだったがエース候補だったFWイ・ジョンホは結果を出せず。G大阪から期限付き移籍したFW呉屋が結果を出しまくって不動のエースになっているが2トップの相方は決まっていない状況である。FW玉田、FW長谷川悠、FW畑などがパートナー候補だったが「J2で絶大な存在感を発揮する可能性を持ったフォワードの獲得に成功した。」と言える。
気になるのはコンディション面になる。ようやくピッチ上でプレーできる状況になったが長時間プレーするのはまだ難しいと思われる。次の23節の甲府戦(H)から夏の移籍市場で獲得した選手を試合で起用できるようになるが「いきなり長崎でレギュラーとして活躍する可能性は非常に低い。」と考えられる。まずはコンディションを上げていく必要がある。当面はプレーするにしても途中出場になるだろう。
「早くFWイバルボのコンディションが上がってスタメンでプレーできるようになること。」が期待されるが仮に早い段階で2017年のようなパフォーマンスを発揮できるようになったとしたら長崎は一気に自動昇格の有力候補に躍り出る。それほどFWイバルボはスペシャルな能力を持った選手である。1年半ほどは満足にプレーできていないがまだ29才なので「年齢的な衰え」が心配されるほどのベテランではない。
■ FW呉屋との2トップはJ2屈指長崎は「4-2-2-2」が基本になるがFWイバルボとFW呉屋の2トップとなると「J2屈指の2トップ」と言える。FW呉屋は典型的なストライカーで、FWイバルボはどちらかというとチャンスメーカー系の選手である。2トップの組み合わせとしては悪くないと考えられる。FW呉屋は動き出しに優れた選手なので「FWイバルボが時間を作ってFW呉屋が飛び出して正確なシュートでゴール」というシーンは容易に想像できる。
J2の昇格争いの行方を大きく左右する補強になったが今夏はJ2の上位チームが積極的な動きを見せている。山形はFW阪野(→松本山雅)が流出してしまったが柏は2人のブラジル人とMF三原雅(神戸)を獲得。京都は元日本代表のMF藤本淳(G大阪)を獲得して、水戸はMF福満(C大阪)とFW小川航(磐田)の獲得に成功した。金沢もDF毛利(→湘南)が流出したがMF山根永(C大阪)を獲得。早速、デビュー戦でゴールを決めている。
大宮もMFイッペイ・シノヅカ(横浜FM)を獲得しているので上位陣の中で現時点で大きな動きがないのは甲府くらいである。「大本命」と言われた柏がやや躓いたので「どのチームにもチャンスがある。」という混戦状態になっている点が各チームの動きが活発になっている大きな要因だと思うが「チームの中心になれる選手」を獲得したチームがほとんど。「彼らがいつフィットするのか?」はキーポイントになるだろう。
■ FWイバルボの推定年俸は1億円長崎は期待の膨らむ大型補強になったが「ハイリスク・ハイリターンな補強」であることも確かである。約半年間の期限付き移籍なので完全移籍と比べると活躍できなかった場合のダメージはまだ小さいが「怪我明けのFWイバルボが元の状態に戻らない可能性」はそれなりにある。28節に柏戦(H)が予定されているがこのあたりの時期までに80%~90%くらいの状態になってくれないと困った事態になる。
当然、FWイバルボは高額年俸である。Jリーグの選手名鑑を見ると今シーズンの推定年俸は1億円。実績や実力を考えると決して割高ではないが「J1で29人しかいない1億円プレーヤーの1人」になる。今シーズン、J2でプレーしている選手の中で年俸が1億円を超えている選手は片手で数えることが出来るほどだと思うので「J2屈指の高額年俸者」になる。「長崎は勝負を賭けてFWイバルボに賭けた。」と言える。
逆にFWイバルボを貸し出す形になった鳥栖はここまで戦力として活躍出来ていなかったFWイバルボの分の年俸が浮く形になったので夏の補強は動きやすくなった。FWフェルナンド・トーレスは引退を表明しており、DFガロヴィッチは期限付き移籍で、DFブルシッチは契約満了。DFパク・ジョンスを獲得しているが外国人選手の入れ替えは激しい。今夏、鳥栖が積極的な補強の動きを見せるのは間違いない。
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