■ 力の差を見せつけた横浜Fマリノス 7月13日(土)に日産スタジアムで行われた横浜FMと浦和の試合は大荒れの展開になった。後半15分に生まれた横浜FMの2点目のゴールを巡って判定が二転三転した。当初は「ゴール」と認められた感じだったが、その後、「オフサイドでノーゴール」という風に変わって、さらに「やっぱりゴール」と判定が覆った。当然、判定が変わるたびに不利益を被った側の選手や監督は主審や副審に詰め寄って抗議を行った。
最終的には横浜FMのゴールと認められたが、Jリーグの公式サイトを見るとFW仲川のゴールと記載されている。「FW仲川は触れていないのでオフサイドではなかった。」という判断ではなくて、「FW仲川に当たっているがオフサイドポジションではなかった。」ということになるがいずれにしても誤審である。先日の浦和 vs 湘南のときは浦和側が判定に助けられる形になったが今回は浦和側が判定に泣くことになった。
首位争いに参加している横浜FMにとっては大きな勝ち点「3」となった。ここまでゴールがなかった五輪世代のMF遠藤渓に初ゴールが生まれたのも大きい。3対1で勝利したがシュート数は横浜FMが21本だったのに対して浦和は4本のみ。特に前半は横浜FMが相手を圧倒する展開になった。現時点での力の差や勢いの差を見せつけた試合と言える。トータルで考えると「横浜FMの完勝だった。」と言える。
■ VARが導入されていたら・・・。 横浜FMの2点目のゴールが認められた判定についてはサッカーファンだけでなく一般の人たちからの批判の声も集まっているがゴール前は混戦状態だった。なので「最後に誰が触ったのか?」を遠くにいる主審や副審が正確に判断するのはかなり難しい。VARシステムが導入されていたら何の問題もなく「オフサイドでノーゴール」と判定されたと思うが、JリーグはまだVARを導入していないので一定の確率でミスは起こる。
すでにいくつかの国内の試合でVARのテストを行っている。運用に関する問題はほぼクリアになっているだろう。もちろん、ロシアW杯の決勝戦でフランスに与えられたPKのように「VARが導入されたらすべてが丸く収まるようになる。」というわけでは全くない。主審がビデオでチェックをした場合でも「よく分からない。」というケースは多々あるが「明らかな誤審」はほぼゼロになる。これは非常に大きい。
問題は資金的な話になるだろう。財政的に潤っているFIFA主催の国際大会の場合は資金的な問題は生じないがJリーグだと資金的な問題も発生する。設備の問題と人件費の問題を解決しないといけない。「ゴール・ライン・テクノロジー」でさえ、まだJリーグでは採用されていないがビデオ判定は世界的な流れである。「極めて保守的」と言われる日本のプロ野球でさえ、チャレンジ制度は導入されている。
■ FW仲川を責めるのは筋違い。 なので、近いうちにJリーグでも本格的にVARシステムが導入されると思うが現状はJ1が9試合、J2が11試合、J3が9試合。合計すると29試合になる。最初からJリーグの全試合をカバーするのは難しいと考えられる。現実的な話をすると「まずはJ1の9試合から」となるのではないか?と思われる。いきなり29試合すべてをカバーするのはちょっと難しいと思われる。VAR用に人材も発掘して育てていかないといけない。
VARが導入されるまでは同じ19節の松本山雅 vs 磐田で発生したレベルの誤審が定期的に起こるのは間違いない。誤審をゼロにするのは不可能なので観ている側もある程度は我慢しないといけない。審判団への批判の声は大きいが今回の件で横浜FMのFW仲川の対応を批判するのは筋違いと言える。「最後に自分が触ったこと」は、当然、気が付いている思うが、あの状況で自ら申告するのは難しい。
意図的に審判団を騙そうとしたわけでは全くない。理想は「FW仲川が自分が触ったと審判団に申告をしてオフサイドと判定されること」だと思うが、プロサッカーの試合で「選手の自己申告によって、一旦、決まった判定が覆る場面」というのはほとんど記憶にはない。もちろん、そういうケースが過去に全くなかったわけではないと思うが、仮にそういうことがあったら、逆に大きなニュースになるはずである。
■ サッカー選手としては普通の行動 「この選手の行動は素晴らしい。」、「これぞスポーツマンシップ」と世界中から称賛されたと思うので、「ある意味では惜しいチャンスを逃してしまった。」と言えるが、ゴールと認められるのか?否か?の状況でわざわざ自分たちにとって不利なことを正直に話す選手はほぼいない。なので、「申告をしなかったこと」を持ってFW仲川を責めるのは誤りである。サッカー選手としてはごく普通の態度と言える。
ただ、「それはさすがに自己申告すべきでは?」と思うケースも稀にある。一例を挙げると2002年の冬の高校サッカー選手権の岡山県大会の決勝の作陽高 vs 水島工業高で起こった誤審騒動になる。当時、高校2年生だった作陽高のMF青山敏(広島)が放ったミドルシュートが決まって「Vゴール」のはずだったが審判団はバーに当たったと勘違い。PK戦の末に水島工業高が勝利して選手権の出場権を手にした。
これは「世紀の大誤審」と言われているがこの件での水島工業高の選手たちは潔くなかったと思う。当時、世間から相当な批判を浴びたと思うが、「スポーツマンシップに反する行為だった。」と個人的には考える。当時はVゴール方式だったのでMF青山敏のミドルシュートが決まった時点で試合終了だった。自分たちが不利益になることの全てを馬鹿正直に話す必要は全くないと思うが、やはり、最低限のラインはある。
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