■ 残留争いの大一番を制したのは・・・。J1の19節は7月13日(土)と7月14日(日)に行われるが、全9試合の中で特に注目を集めるのは首位のFC東京と3位の川崎Fが対戦する「多摩川クラシコ」と17位の松本山雅と18位の磐田が対戦する下位対決の2つである。前者は「今シーズンのJ1の優勝争いの行方を大きく左右するだろう一戦」で、後者は「今シーズンのJ1の残留争いの行方を大きく左右するだろう一戦」になる。見逃せない直接対決になる。
FC東京 vs 川崎Fの試合は日曜開催になるが松本山雅 vs 磐田は土曜開催。7月13日(土)に行われたが後半40分に途中出場したたFWロドリゲスが値千金の決勝ゴールを決めて1対0でアウェイの磐田が勝利。就任して2試合目となる鈴木秀人監督はJ1初勝利を手にした。磐田は12節の仙台戦(H)以来なので7試合ぶりの勝利となった。「負けたら相当に厳しくなる。」という大事な試合で勝ち点「3」を獲得した。
磐田は最下位を脱出したがホームで敗れた松本山雅は厳しい状況になった。こちらは6試合勝ちなし。19試合で勝ち点「17」というのはかなり低い勝ち点ペースになる。他のライバルチームの勝ち点を考えると「磐田戦は引き分けでもダメ」というシチュエーションだったので0対0のスコアのときも人数をかけて攻めに出たが一瞬のスキを突かれて失点。警戒していたはずのFWロドリゲスに個人技からゴールを許した。
■ 明らかな誤審と言える。松本山雅にも決定機はあった。最も惜しかったのは後半24分のシーンになる。GKカミンスキーのフィードがミスになって高い位置でボールを奪取。MF杉本太が右足でコース隅にコントロールシュートを放ったがゴールをカバーしていたDF大井が会心のクリア。ライン上でのスーパークリアが磐田を救う形になった。GKカミンスキーの届かないところにMF杉本太はシュートを放ったがファインプレーに阻まれた。
ベテランのDF大井の執念のディフェンスが最下位の磐田に7試合ぶりの勝利をもたらしたが松本山雅にとって納得しがたいのは前半6分のMF前田大のシュートがオフサイドで取り消しになったジャッジだろう。CKからDF飯田真が頭ですらしてMF前田大が上手く右足で合わせてネットを揺らしたが判定はオフサイド。ただ、リプレーを見ると磐田の選手は4人ほど残っていた。「明らかなオンサイドだった。」と言える。
今節は横浜FMと浦和の試合の判定が大きな騒動になっている。横浜FMの2点目のゴールを巡って「ゴールなのか?オフサイドなのか?」で大いに揉めた。「誤審であること」は間違いないがミスジャッジをしたこと以上に判定が二転三転したことが問題視されている。松尾一主審が担当した試合だったが「どういう判断でゴールと認めることになったのか?」については今の時点でははっきりしていない。
■ 許されないレベルの誤審12節の浦和 vs 湘南に匹敵するレベルで大きな問題になっているのに対して、松本山雅 vs 磐田の「MF前田大のゴール取り消し」はそこまで話題になっていないが、試合の重要度を考えるとこちらの方が影響は大きい。同様にオフサイドと判定したことは「明らかな誤審だった。」と言えるが前半6分にセットプレーから先制ゴールを奪うことが出来ていたら松本山雅はもっと楽に試合を進めることができただろう。
試合前の監督インタビューのときに反町監督もコメントしていた通り、「シックス・ポイント・マッチ」だった。17位と18位の対戦であり、「この試合で勝てなかったチームは相当に苦しい状況になる。」というシチュエーションだったことを考えると誤審と思われるジャッジで不利益を被った松本山雅としては気持ちを整理するのが難しい試合になった。逆に磐田は判定にも救われて未勝利地獄から抜け出すことができた。
誤った判定を下すことを「誤審」と呼ぶが「誤審」といっても実際には様々な種類がある。人間の眼だけでは見極めるのは難しいシーンでミスを冒すことも誤審であり、明らかにゴールラインを超えているのにノーゴールと判定してしまうのも誤審になるが、「間違った判定を下してしまったのも仕方がないと思える誤審」と「Jリーグの試合で審判を担当する以上は許されないレベルの誤審」は分けて考える必要がある。
■ 1つの誤審がクラブの未来を大きく変える。すでに触れた12節の浦和 vs 湘南の試合で湘南の選手のゴールをノーゴールと判定したジャッジは「許されないレベルの誤審」になるが、「どちらとも取れるので誤審とは言えない判定」まで不利益を被った側から誤審扱いされて批判をされるケースが少なくないのがJリーグの審判団になる。気の毒に思うことは多いが今回のMF前田大のゴールをオフサイドと判定したジャッジは「許されないレベルの誤審」になる。
「ジャンプをしたDF飯田真が競り勝ってゴール方向に落とすこと」は容易に予想できた。MF前田大が落としたボールに反応していることも副審は確認できていたはず。MF前田大のスピードはJ1屈指なので「あまりの速さに惑わされてしまった。」というところはあると思うが予想できたプレーで4人ほどの磐田の選手が残っている状況をオフサイドと判定するのは「副審としての力量が不足している。」と言うしかない。
プロである以上、全ての選手は全試合に全力を注いでいるのは間違いないが、やはり、対戦相手やシチュエーションで試合の重要度は大きく異なる。17位の松本山雅にとって最下位に沈む磐田とのホーム戦は「34試合の中で最も重要な試合の1つ」であり、単なるリーグ戦の1試合ではない。J1とJ2ではいろいろな意味で大きな差があるので1つの誤審がそのクラブの未来を大きく変えることも普通にあり得る。
Jリーグでは審判団も1試合ごとに上の立場の人からその試合におけるパフォーマンスを評価される仕組みになっているので横浜FM vs 浦和で主審を担当した主審や松本山雅 vs 磐田でバックスタンド側で副審を担当した副審は著しく評価が下がって、今後、重要な試合を担当できなくなる可能性は高いがクラブにとって生きるか死ぬかの大一番で明らかな誤審が発生すると観ている側の気持ちは醒めてしまう。
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