■ クラブ史上初となるJ3降格の危機アビスパ福岡は2016年以来となるJ1復帰を目指すシーズンだったが20節を終えた時点で4勝11敗5分けで勝ち点「17」。21位と降格圏に位置する。20位の栃木SCも3勝9敗8分けで同じ勝ち点「17」なので残留圏のチームとの差はほとんどないが「クラブ史上初となるJ3降格の危機」を迎えている。J2は次の21節が終了すると折り返し地点になるが開幕前は上位候補と言われていた福岡の低迷はサプライズと言える。
16節の大宮戦(H)の後、ペッキア監督が家庭の事情で退団。17節の水戸戦(A)からクラブOBの久藤清一監督が指揮を執っているが4試合で0勝3敗1分け。4試合で計11失点と守備が崩壊している。18節の柏戦(H)は後半のアディショナルタイムまで1対0とリードを奪っていたがFW江坂に同点ゴールを決められて勝ち点「2」を取りこぼした。ほぼラストプレーで同点に追いつかれたのでショックの大きいドローになった。
直近の20節は山口戦(H)だった。試合前の時点で17位の山口との差は「3」のみ。福岡が大差で勝利した場合は順位が入れ替える残留争いの直接対決だったが元日本代表のFW森本のゴールで先制しながら逆転負け。先制した後にPKを獲得して2対0とリードを広げる絶好のチャンスを獲得しながらFW森本がPKを失敗。2点差に出来なかったことが響いた。この日も4失点。久藤清一監督はまだ未勝利のままである。
■ ユベントスのU-23の監督就任7月6日(土)に行われる22節のFC岐阜戦(H)が前半戦のラストゲームになるが21位の福岡と22位のFC岐阜の直接対決になる。FC岐阜は8連敗中。こちらも大木監督が退任して北野誠監督が就任。新しいスタートを切ったが監督交代後は2連敗。初陣だった19節の山口戦(A)は0対4で大敗して、20節の東京V戦(H)は後半44分にFWレアンドロに決勝ゴールを決められて1対2の惜敗。北野誠監督になっても連敗は止まらない。
FC岐阜は3勝14敗3分けで勝ち点「12」。8連敗を喫しているが20位の栃木SCならびに21位の福岡との差は「5」なのでまだ逆転のチャンスはある。同じように低迷している福岡を直接対決で叩くことが出来ると希望は膨らむ。岐阜メモリアルセンター長良川競技場での対戦になるがJ2の残留争いの行方を大きく左右する大一番になる。いい思い出の多い長良川競技場で福岡は勝ち点「3」をゲットできるか?
福岡も、FC岐阜も、どちらも監督が交代してから未勝利のまま。流れが変わらないので苦しい状況になっているが6月30日(日)に福岡の監督を退いたペッキア監督の「ユベントスのU-23チームの監督就任」が発表された。「福岡の監督を辞任するらしい。」という報道が流れた時から「ユベントスのU-23チームの監督に就任するらしい。」という話は流れていたが、そのとおり、正式に監督就任が発表された。
■ 本当に家庭の事情だったのか?引っかかるのは「家庭の事情」と説明してシーズン途中に福岡の監督を退きながら、あっさりとユベントスのU-23の監督就任が決定した点になる。時系列を考えると「何らかの家庭の事情で退任せざる得なくなった。」→「フリーになった後、ユベントスからのオファーが届いた。」というよりは、ユベントスからのオファーが届いた。」→「福岡の監督を辞めて母国に戻ることを選択した。」という方が自然である。
もちろん、ユベントスのような世界的なクラブからのオファーが届くというのは光栄なことである。特にイタリア人のペッキア監督にとって「これ以上ないほど名誉なこと」だと思うが、であるならば、正直に「ユベントスからオファーが届いたので福岡の監督を辞任したい。」と語るべきだった。ペッキア監督を信じてきた福岡のサポーターへの盛大な裏切りであり、サポーターから批判を浴びるのは当然の話である。
やはり、「家庭の事情」と説明されると、それ以上、周囲の人間は踏み込みにくくなる。「伝家の宝刀」のようなフレーズになるが、故に、軽々しく使ってほしくないフレーズである。広義の意味では「家族がイタリアに戻ってきてほしいと願った。」というのも家庭の事情と言えるのかもしれないが、やはり、大半の人は「親や配偶者や子供など家族の誰かが病気になった。」など大変な事態になったことを連想する。
■ 不信感でいっぱい。くペッキア監督は46才。このくらいの年齢になると家庭内で予期せぬ問題が発生することはあり得るが、「家庭の事情ではないにもかかわらず、それを理由に退団をした。」のであれば、今後、本当にその理由で退団せざる得なくなった人まで疑いの目で見られてしまう。ペッキア監督が本当に家庭の事情で退団せざる得ない状況になっていたことが判明したら謝罪をしないといけないが現状は不信感でいっぱいである。
福岡のサポーターに限らず、Jリーグのサポーターの多くは正直に「ユベントスからのオファーが届いたので母国に戻りたい。」と説明してもらえたら、「仕方がないだろう。」と納得したと思う。福岡の監督よりもユベントスのU-23の監督の方がイタリア人にとってはるかに名誉なことであることくらいは誰でも分かる。今回のペッキア監督の態度に関してはJリーグの他のクラブのサポーターも怒っているようだ。
オフに獲得したMF前川やMF田邉草などはテクニシャンである。「ペッキア監督のサッカーに合った選手」を中心にオフの補強を行っているので切り替えるのはなかなか大変である。しかも、今シーズンの福岡は保有する選手の数が異常に少ない。「少数精鋭」というのもペッキア監督のリクエストだったと思うが、これだけ保有する選手が少ないと後を託された久藤清一監督も大変である。苦労は多い。
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