■ J1の第16節J1の第16節。3勝7敗5分けで勝ち点「14」。17位と降格圏に位置するガンバ大阪はホームのパナソニックスタジアム吹田で湘南ベルマーレと対戦した。14節で仙台と清水が勝利したので17位に転落したG大阪は3試合連続でドロー中。直近の4試合は1勝3分けと負けていない。一方の湘南は5勝8敗2分けで勝ち点「17」。12位に位置するが3連敗中。17位のG大阪との差は「3」のみ。残留争いに巻き込まれつつある。
ホームのG大阪は「3-1-4-2」。GK東口。DF高尾、三浦弦、キム・ヨングォン。MF矢島慎、高江、福田湧、田中達、中村敬。FWファン・ウィジョ、アデミウソン。ここ最近は3バックを採用しているがここ4試合で1失点のみ。失点数は激減している。不調のFWファン・ウィジョは15試合で2ゴールのみ。5節の神戸戦(H)を最後にリーグ戦ではゴールから遠ざかっている。MF遠藤はこの日もベンチスタートになった。
対するアウェイの湘南は「3-4-2-1」。GK秋元。DF山根視、フレイレ、大野。MF齊藤未、金子大、古林、小野田、松田天、武富。FW山崎凌。本職のポジションではないボランチでの起用が続いていたMF松田天がシャドーの位置でスタメン出場となった。MF杉岡はコパ・アメリカに招集されているので欠場。U-20W杯から戻って来たMF鈴木冬はベンチスタート。MF古林が今シーズン2回目のスタメンとなった。
■ G大阪は降格圏からの脱出に成功。得失点差は湘南が「-5」、G大阪は「-6」。G大阪は勝てば湘南を上回って降格圏を脱出できる大事な試合だったがほぼ互角の展開で進んでいく。前半33分に湘南が絶好の位置でFKを獲得するとMF松田天が右足で直接狙ったが日本代表のGK東口がしっかりと防いだ。G大阪は8節の大分戦(H)で移籍後2回目のスタメンとなるMF田中達の突破からゴール前のシーンを作ったが決定機はなかなか作れない。
後半開始からG大阪はMF福田湧を下げてMF遠藤を投入。15節の磐田戦(A)でも途中出場で存在感を発揮した百戦錬磨のベテランを投入するとまたしても流れは良くなった。右WBのMF田中達の突破は前半以上に効果的。右サイドを崩してたくさんゴール前のシーンを作って押し込んでいく。劣勢の展開になった湘南は19才のMF鈴木冬を投入。すると、MF鈴木冬のところからいい形を作れるようになった。
勝たないといけないG大阪は後半28分にFW食野亮を投入。売り出し中の若手に期待をかけると後半46分にFW食野亮が左サイドでボールを受けてドリブルでシュートコースを作ってから右足でコース隅に鮮やかなシュートを決めて土壇場で先制ゴールを奪った。FW食野亮は今シーズン3ゴール目となった。1対0で勝利したG大阪は降格圏を脱出。14位まで順位を上げた。敗れた湘南は4連敗となった。
■ 劇的な決勝ゴールを決めたMF食野亮太郎G大阪にとっては「絶対に勝ちたい試合」だったがなかなかゴールを奪えず。スコアレスドローで終わりそうな雰囲気だったが途中出場したFW食野亮が値千金の決勝ゴールを決めて勝ち点「3」を獲得した。スタンドにはユース時代の同級生となる日本代表のMF堂安も駆けつけていたが元・チームメイトの前で鮮烈な印象を残した。左サイドでボールを受けたが自らのドリブルを駆使してシュートコースを作った。
FWファン・ウィジョがエースの働きが出来ずにここ最近のG大阪は得点力不足に苦しんでいるがFW食野亮の頑張りが目立つ。J3のG大阪U-23でゴールを量産して「あとはトップチームで結果を残すだけ。」という状況がずっと続いていたが昨シーズンはなかなか生まれなかったJ1初ゴールを11節の鳥栖戦(A)で記録して気持ち的に楽になったのだろう。気負いすぎることなく自分のプレーが出せるようになってきた。
FWファン・ウィジョとFWアデミウソンが本調子とは言えない状況なので「レギュラー取り」の大きなチャンスを迎えているがJ1のG大阪で結果を出し続けることができると五輪代表入りも見えてくる。五輪代表に招集された経験はないがこれだけ「個の力」を持っている選手は貴重。ドリブルで打開できるだけでなく正確なシュートを駆使して自らゴールを奪うことが出来る点が何よりの武器と言えるだろう。
G大阪はここ5試合で2勝3分け。ようやくエンジンがかかってきたが次節はアウェイの松本山雅戦。前半戦のラストの試合になるがここで勝利できると残留争いから抜け出す可能性も出てくる。大事な試合になる。この日もDF高尾、MF高江、MF福田湧、MF中村敬がスタメンで起用されるなど若手がたくさんメンバーに入っているがこのあたりの若手がJ1で試合経験を積んでどこまで成長できるか?がキーになる。
■ ほろ苦いデビュー戦になった高校生のMF柴田壮介敗れた湘南は4連敗となった。ここ4試合で2ゴールのみと攻撃陣が結果を出せていない。この日もFW山崎凌が1トップの位置で起用されたがゴールなし。今シーズンは14試合に出場しているがPKによる1ゴールのみ。結果を出せていない。昨シーズンは途中加入ながら16試合で4ゴール。まずまずの数字を残したが最前線でプレーするCFのゴール数が伸びないと得点力不足に陥る可能性は高まる。
ポストプレーや守備面での貢献度は高い選手なので「欠かせない戦力」ではあるがこれほど流れの中でゴールを決められないと他の選択肢も試さないといけなくなる。FW食野亮の決勝ゴールの場面でマークについていたのはユース所属で18才のMF柴田だったが嬉しいJリーグのデビュー戦で苦い経験をすることになった。守備に特徴のある選手だと思うがこの場面では粘り強い守備ができなかった。
曹貴裁監督は「良くなかったプレー」に関してはストレートに言うタイプの監督なので試合後には期待の裏返しでいろいろと指摘を受けたと思うが何事も経験である。残留争いに巻き込まれつつある中、絶対に負けられない試合で自らマークしていた選手に決勝ゴールを許すというのは高校生にとっては辛い経験になるが乗り越えないといけない。改めて「勝負の世界の厳しさ」を感じる試合になっただろう。
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