■ プレミアリーグの開幕戦「高校年代の真の日本一を決める大会」と言われるプレミアリーグが開幕。EASTはAGFフィールドでの集中開催となったが2日目の4月7日(日)の第2試合で流通経済大柏高と青森山田高の対戦が実現した。冬に行われた選手権の決勝と同じカードになった。もちろん、当時の3年生は卒業をしてメンバーは大きく変更になっているが今年度も日本の高校サッカー界を引っ張っているだろう両雄の激突となった。
流通経済大柏高は「4-2-3-1」。GK佐藤。DF瀧本、DF熊川、DF藤井海、DF小山。MF伊藤、MF大西、MF渡會、MF八木、MF森山。FW新宮。冬の高校選手権のときは高卒でJ2のFC琉球に加入した3年生のGK猪瀬を差し置いて1年生だったGK松原が正キーパーとして起用されたがGK松原はベンチ外。192センチの長身のGK佐藤がスタメンで起用された。10番のMF八木がキャプテンマークを巻いてプレーする。
対する青森山田高は「4-2-2-2」。GK佐藤。DF内田、DF箱崎、DF藤原優、DF神田。MF松木、MF古宿、MF後藤、MF浦川。FW田中、FW武田英。つい先日、J1の浦和への加入が内定したFW武田英がチームの顔となる。U-18日本代表にも選出されている。「青森山田の次代のエースが託される番号」と言われる7番を背負うのは1年生のレフティのMF松木。こちらは直近のU-16日本代表に選出されている。
■ 2対0で勝利した青森山田高試合は青森山田高が優勢。押し気味に試合を進めた。すると前半32分に流通経済大柏高の左SBのDF小山がヘディングでキーパーへのバックパスを試みたがキーパーとの呼吸が合わなくてズレたボールをかっさらったMF後藤が無人のゴールに流し込んで青森山田高が先制に成功する。前半40分にはMF松木のバックパスのミスから流通経済大柏高のMF渡會が決定機を迎えたが枠を捉えることは出来なかった。
1対0と青森山田高がリードして迎えた後半は流通経済大柏高が押し込む展開になった。右SHでプレーした3年生のMF渡會のスピードを生かしたドリブルからチャンスを作った。後半11分にはDF藤井海、後半13分にはMF大西に決定機が訪れたが決められず。流通経済大柏高はいい時間帯にゴールを奪うことが出来なかった。やや劣勢の展開になった青森山田高は2年生のFW古澤ナベル慈宇を投入する。
ただ、FW古澤ナベル慈宇は試合の流れに入っていけず。青森山田高の黒田監督は途中投入したFW古澤ナベル慈宇をベンチに下げる準備を進めていたが後半41分にボランチのMF古宿のパスを受けたFW古澤ナベル慈宇が落ち着いて決めて追加点を奪った。半泣きのような状態だったFW古澤ナベル慈宇はベンチに下がる直前に大仕事をした。2対0で勝利した青森山田高が開幕戦を勝利で飾った。
■ 浦和入りが決まったFW武田英寿「選手権の決勝のカードと同じ」ということもあって注目が集まった名門同士の対戦だったが同じように今回も青森山田高に軍配が上がった。2枚看板だったMF檀崎(札幌)とDF三國ケネディエブス(福岡)が抜けてしまったが今シーズンも青森山田高は各ポジションにタレントを揃えている。黒田監督は「今年のチームは強くない。」と謙遜しているが十分に日本一を狙えるだけのタレントを擁している。
昨シーズンも主力として活躍した3年生のFW武田英がチームを引っ張っていかないといけないが技術が高くて独特のリズムを持っている。つい先日、浦和への入団が決定したがレフティ特有のセンスを持っており、左足のキックの精度は高くて、運動量も多い。うまく成長できればMF中村俊(磐田)のような選手になれるかもしれない。FW西川潤(桐光学園高)やFW染野(尚志高)と並ぶ今年の高校サッカー界の顔である。
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→ 2019/05/10 【高校サッカー】 FW染野唯月(尚志高)の進路先はどうなる?鹿島アントラーズか?浦和レッズか?今年も選手層の厚いチームになっているが1年生のMF松木はいきなりスタメン出場を果たした。昨年は青森山田中のキャプテンとしてチームを引っ張ったが1年生とは思えないほど堂々としたプレーを見せる。バックパスが弱くなったところを奪われて大ピンチを招いた場面は要反省と言えるが精度の高い左足のキックをベースにした展開力は魅力。「スーパールーキー」という看板に偽りなしの活躍を見せた。
→ 2018/09/19 【中学サッカー:青森山田中×日章学園中】 U-15日本代表のMF松木玖生は号泣。5連覇ならず。■ ゴールを決めたものの途中交代となったFW古澤ナベル慈宇試合を決める2点目のゴールを奪ったのは2年生のFW古澤ナベル慈宇だった。後半21分にFW田中に代わって出場。最前線でプレーしたが、先のとおり、上手く試合に入れなかった。主に守備面でのタスクをこなせなかったので黒田監督は「途中出場→途中交代」を選択。FW安斎の投入の準備が進んでいた中、MF古宿のパスを受けてゴールゲット。開幕戦での勝利に大きく前進する価値あるゴールを決めた。
ただ、その直後にFW古澤ナベル慈宇は交代となった。ゴールを決めた喜びよりも途中出場で途中交代となった悔しさの方がはるかに上回っていたと思うがあのままゴールを決められずに下がるよりは良かった。181センチとサイズに恵まれており、かつ、スピードもある。ポテンシャルは相当に高い選手なので苦い経験をバネにしてほしいところである。ちなみに父親がガーナ人、母親が日本人になる。
流通経済大柏高はゴールを奪えずに完封負けとなったが右SHのMF渡會のスピードと突破が目立った。特に後半は彼のドリブルが有効だった。また、左SHのMF森山のスピードも相手にとっては脅威になった。こちらもDF関川(鹿島)という看板選手が抜けてしまったがDF藤井海は年代別代表プレーヤー。能力の高い選手は多い。冬の高校選手権は2年連続で準優勝に終わっているので「日本一」が目標になる。
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