■ J2の第19節J2の第19節。4勝9敗5分けで勝ち点「17」。19位と残留争いに巻き込まれているレノファ山口はホームの維新みらいふスタジアムでFC岐阜と対戦した。FC岐阜は3勝12敗3分けで勝ち点「12」。最下位に沈んでいる。18節を終えた時点で18位の鹿児島、19位の山口、20位の栃木SC、21位の福岡が勝ち点「17」を挙げており、22位のFC岐阜との差は「5」。今シーズンのJ2の残留争いの行方を左右する大一番になった。
ホームの山口は「3-4-2-1」。GK吉満。DF前貴之、楠本、菊池流。MF池上、三幸、高木大、瀬川和、佐々木匠、吉濱。FW山下敬。16試合で2ゴールのFW工藤壮はベンチスタート。MF佐々木匠は4試合ぶりのスタメンとなった。昨シーズンまではFC岐阜でプレーしていたMF田中パウロ淳一はベンチスタート。ここまで17試合で3ゴールを挙げている。大卒ルーキーのDF菊池流は4試合連続スタメンとなった。
対するアウェイのFC岐阜は「3-1-4-2」。GKビクトル。DF阿部正、竹田忠、北谷。MF市丸、山岸祐、粟飯原、風間宏矢、川西。FW前田遼、ライアン・デフリース。この試合から北野監督が指揮を執ることになったが3バックは継続。2トップの一角でプレーすることが多かったMF山岸祐を右WBで起用。G大阪からの期限付き移籍となるMF市丸がアンカーでスタメン出場となった。FW前田遼は5試合ぶりのスタメン。
■ 直接対決はホームの山口の圧勝試合前の時点で両チームの勝ち点差は「5」。どちらにとって重要な試合だったがホームの山口が攻守に圧倒する展開になった。前半8分に右WBで起用されたMF高木大が右サイドの裏を取って鋭いクロスを入れると混戦状態からこぼれ球をMF吉濱が押し込んで山口が先制に成功する。好調のMF吉濱は自身初となる3試合連続ゴールとなった。MF吉濱はチーム最多となる今シーズン4ゴール目となった。
前半15分に山口の10番のMF池上が負傷交代するアクシデントが発生。MF高井が投入されるが、前半32分に左WBのMF瀬川和の素晴らしいクロスからMF高井が合わせて追加点を奪った。MF高井も今シーズン4ゴール目となった。2対0で迎えた後半7分には右ストッパーのDF前貴之がミドルシュート。キーパーがはじいたところをFW山下敬が頭で押し込んだ。FW山下敬も今シーズン4ゴール目となった。
勢いの止まらない山口は後半27分にもMF高木大のクロスからMF佐々木匠が合わせて4点目を奪った。ここに来て出場機会を失っていたMF佐々木匠は4試合ぶりの出場で今シーズ3ゴール目となった。4対0で大勝した山口は4試合負けなし。ここ4試合では2勝2分けとなった。北野監督の初陣で大敗を喫したFC岐阜は泥沼の7連敗となった。17位に浮上した山口との勝ち点差は「8」まで広がった。
■ 攻撃陣が爆発したレノファ山口J2の残留争いの行方を大きく左右する大一番だったが山口が圧勝した。上位候補の1つに挙げられながら開幕から低迷した山口だったがようやくコンスタントに勝ち点を稼げるようになってきた。弾みの付く勝利になったが、ここ最近、なかなかゴールを決められずに苦しんでいたMF高井、FW山下敬、MF佐々木匠の3人に久々のゴールが生まれたのは大きい。気分的にも楽にプレーできるようになるだろう。
山口は総得点が「27」になったがこれは「31」の甲府に次いでJ2では2番目。チーム内得点王がMF高井とFW山下敬とMF吉濱の4ゴールなので絶対的な存在になっている選手はいないが3ゴール以上を記録している選手が5人、2ゴール以上を記録している選手は7人。いろいろな選手が点に絡めるのは今シーズンの山口の強みになっている。オフにエースのFWオナイウ阿道が抜けた穴をみんなでカバーしている。
この日はサイド攻撃が活発だった。右WBにMF高木大を起用しているが、1点目と4点目は彼のところから生まれた。運動量が多くて頑張れる選手なので右WBというのも面白い。左WBのMF瀬川和は2点目のMF高井のゴールにつながったクロスが完璧だった。相手ディフェンダーが足を出しても届かない絶妙なところにクロスを供給した。17に浮上した山口は次節も下位対決。アウェイでの福岡戦になる。
■ 北野監督の初陣だったが・・・。6月18日(火)に大木監督が退任して北野監督を招聘したFC岐阜だったが大敗スタートになった。攻撃的なサッカーを志向する大木監督に対して北野監督は讃岐時代は守備を重視したサッカーを展開した監督なので「システムもメンバーも志向するサッカーも大きく変わるだろう。」と思われたがあまり変わらなかった。メンバーもそこまで大きくは変わらず。末期の大木サッカーで挑んでショックの大きい敗戦になった。
「就任初戦なのでとりあえずとしてこれまでのサッカーを継続して戦ってみよう。」という考えだったと思うが、0対4という結果を受けて次節からは北野監督が自分のカラーを出してくるのでは?と思われる。就任時には「大木サッカーを引き継ぐ。」という趣旨のコメントを残しているが大木サッカーのままで状況が変わることは考えにくい。腹をくくって次節以降は自分のやりたいサッカーを積極的に取り入れるだろう。
パスワークを重視する大木サッカーはハマったときは魅力的だったので「大木サッカーを継続しつつ、北野監督が得意とする部分も取り入れて、内容と結果を両立させる。」というのが理想の形だと思うが、うまい具合にいいとこ取りをしてミックスさせるのはかなり難しい。当面のライバルの1つである山口相手の大敗なので「単なる1敗」とは言えないが自分のカラーを出しやすい状況になったのは確かである。
正直なところ、讃岐時代の北野監督のサッカーについてはあまりいいイメージを持っていないので、「大木監督の後任として北野監督を選択した判断」はどうなのか?と思うところはあるが、資金力の乏しい讃岐を何年も連続してJ2残留に導いた実績があるのは事実である。真逆のスタイルとも言える北野監督になってFC岐阜がどうなるのか?は興味深い。FC岐阜は次の次の21節が福岡との直接対決になる。
・2019/03/25 【レノファ山口×栃木SC】 22才のDF菊池流帆は日本を代表するCBになり得る素材
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