■ J2の第14節J2の第14節。4勝4敗5分けで勝ち点「17」。10位のアルビレックス新潟はホームのデンカビッグスワンスタジアムで愛媛FCと対戦した。愛媛FCは3勝7敗3分けで勝ち点「12」。ここ5試合勝ちなしでついに降格圏の21位に転落した。ただ、19位の山口、20位の福岡も同じ3勝7敗3分けで並んでいる。新潟は片渕監督を電撃解任して吉永監督が就任して5試合目になる。監督交代後はここまで1勝1敗2分けとなる。
ホームの新潟は「4-2-3-1」。GK大谷。DF川口尚、パウロン、大武、新井直。MF小川佳、カウエ、加藤大、渡邉新、渡辺凌。FWレオナルド。2018年のJ3の得点王のFWレオナルドは10試合で4ゴールを挙げている。ベテランのMF小川佳は今シーズン初スタメン。MF渡邉新はここ3試合はベンチ外だったが7節以来のスタメン出場となった。2018年は大卒1年目ながら10ゴールを挙げているが今シーズンはゴールなし。
対するアウェイの愛媛FCは「3-4-2-1」。GK岡本。DF竹嶋、林堂、前野。MF田中裕、野澤、小暮、下川陽、近藤貴、神谷。FW藤本佳。右WBのMF小暮は今シーズン2回目のスタメンとなった。MF神谷とMF長沼の2人は6月にフランスで開催されるトゥーロン国際大会のU-22日本代表に選出されている。千葉U-18出身で高卒2年目のDF竹嶋は2試合連続スタメンとなった。ボランチが本職となるが右CBで起用された。
■ まさかの大逆転ゲーム流れを変えたい両チームの対戦は序盤から攻め込んだ新潟がペースを握った。前半21分のDF大武のゴールはオフサイドの判定で幻となったが前半33分に左サイドからMF渡辺凌がクロスを入れるとフリーのMF渡邉新がヘディングシュートを決めて新潟が先制に成功する。さらに前半44分にはMF小川佳のFKからDF大武が決めて大きな追加点を奪った。前半は2対0と新潟がリードして折り返した。
後半開始から愛媛FCはMF小暮とMF野澤を下げてFW吉田眞とMF山瀬功を投入。MF近藤貴のポジションを右WBに移すなど攻撃的な布陣に変更する。迎えた後半3分にFW吉田眞のパスを受けた五輪代表のMF神谷が決めて1点差に迫ると後半9分にはMF下川陽の横パスを受けたMF山瀬功のミドルシュートが決まってあっという間に2対2の同点に追いついた。元日本代表のMF山瀬功は今シーズン2ゴール目となった。
押せ押せの愛媛FCは後半37分に左サイドでスローインを獲得すると高卒2年目のDF竹嶋のロングスローからボランチのMF田中裕がダイレクトでヘディングシュートを決めてついに3対2と逆転に成功する。新潟は途中出場した18才のMF本間至が2度ほど惜しいシーンを作ったが追いつくことは出来なかった。アウェイで2点差をひっくり返した愛媛FCは6試合ぶりの勝利を手にした。新潟は2連敗となった。
■ 後半だけで3ゴールを奪った愛媛FC愛媛FCにとっては大きすぎる大逆転勝利となった。ここまでの13試合でわずか10ゴールのみ。リーグワースト2位の得点数だった愛媛FCが後半だけで3ゴールを奪うとは予想できなった。前半はほとんどいい形を作れずにあっさりと2失点。ビルドアップのときの不用意なミスが多かったがFW吉田眞とMF山瀬功が入って一変した。特にたくさんボールに触ってリズムを作ったFW吉田眞の活躍が目立った。
殊勲の逆転ゴールを決めたMF田中裕は嬉しいJリーグ初ゴールとなった。今シーズンはここまでフルタイム出場を続けており、J2通算では133試合目の出場だった。「MF田中裕がプロに入ってからリーグ戦でゴールを決めていないこと」は愛媛FCのホーム戦の中継のときに頻繁に話題になるほど。よく知られた話だったが大事なところで初ゴールが生まれた。2年目のDF竹嶋のロングスローも非常に良かった。
愛媛FCは一気に勝ち点を積み上げて暫定ながら15位に浮上した。J2は大混戦になっているので1勝するだけで順位は大きく変わる。1試合で3ゴールを奪ったのは今シーズン初めてになるが、昨シーズン、1試合で3ゴール以上を奪ったのは33節の栃木SC戦(A)の1試合のみ。なかなか点が取れないチームなので驚きの逆転勝利となった。ここまでの重苦しい雰囲気を一掃できるかもしれない勝利になった。
■ ショックの大きい敗戦になった。一方、敗れた新潟にとってはショックの大きい試合になった。前半はほぼ完璧だった。愛媛FCにほとんど何もさせなかった。愛媛FCの(高くない)得点力を考えるとハーフタイムを迎えた時点では「ほぼ間違いなくこのまま新潟が勝利するだろう。」と断言できるほど極めて有利な状況だったが後半は一転して愛媛FCペースで進んだ。テンポよくボールを回して攻め込む愛媛FCの鋭い攻撃を新潟は止められなくなった。
新潟はこれで4勝5敗5分け。黒星が先行した。J2は大混戦なので上位との差が致命的なほど広がっているわけではないが徐々に差が広がって来た。9節を終えた時点で片渕監督を解任して吉永監督に託したフロントの決断は「相当に思い切った決断であり、吉永監督でJ1復帰に失敗したらフロントが大きな批判を浴びるだろうリスキーな監督人事」と言えたが、大逆転負けで吉永監督の立場は厳しくなった。
シーズンの序盤の時期はいい流れだったがまたしても雲行きが怪しくなってきた。黄色信号が灯りつつあるがポジティブなニュースと言うと、やはり、MF渡邉新に初ゴールが生まれたことになる。躍動感あふれる飛び込みからゴールを奪った。フォワードや2列目は外国人選手も多いので相当な激戦区である。昨シーズンの主力であるMF渡邉新と言えどもなかなかチャンスがやってこなかったがこれで落ち着くだろう。
同点に追いつかれた後の後半31分にはユース出身で高卒1年目のMF本間至を投入した。これで4試合連続で途中出場したことになるので吉永監督になってから立ち位置が大きく変わって出場機会を得られるようになったが18才の若者らしいアグレッシブなプレーを見せた。ドリブラー系の選手になるが積極的な仕掛けは大きな武器になる。最悪の試合展開・試合結果になった新潟にとって数少ない光明と言える。
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