■ 得策ではない霜田監督の解任 or 退任開幕前は上位候補に挙げられながら20位と低迷している福岡のペッキア監督が「今の時点では最も危うい立場」と言えるだろう。いくつか気の毒に感じる点はあるが3勝7敗3分けというのは考えられない成績になる。ちょっと前までは「最も危うい立ち位置」だった鹿児島の金鍾成監督はここ4試合で3勝1分けと勝ち点を積み上げたことで少し安心できる状況になった。最下位だった鹿児島は一気に16位まで浮上した。
19位の山口、20位の福岡、21位の愛媛FC、22位のFC岐阜の4チームが同じ3勝7敗3分けで並んでいるが、山口の霜田監督、愛媛FCの川井監督、FC岐阜の大木監督の3人が近日中に監督を退く可能性はあまり高くない。山口はオフの補強に成功して「上位候補の1つ」と言われていたので19位というのは不本意な成績になるが2018年は8位。実績のある監督をこのタイミングで辞めさせるのは得策ではない。
霜田監督の場合、日本サッカー協会で仕事をしていた時に築いた人脈も魅力になる。霜田監督になってから山口は若くて優秀な選手を期限付き移籍などで獲得するケースが増えているが補強の部分でもフロントは霜田監督を頼りにしているだろう。よほどの状況になったら監督交代を選択せざる得なくなるがまだその時期では全くない。地力のあるチームであることは間違いないので少しずつ上との差を縮めていきたい。
■ 我慢強いFC岐阜のフロント同様に愛媛FCの川井監督が早いタイミングで斬られることも考えにくい。昨シーズンの途中に愛媛FCの監督に就任してチームを残留に導いた川井監督は「愛媛FCの切り札」である。クラブとして大事に扱わないといけない監督であり、長期政権を築いてほしいと考えているだろう。今シーズンも得点力不足に苦しんでいるが攻撃の駒が不足している。監督交代を実施しても劇的な変化は生まれない可能性が高い。
FC岐阜の大木監督は就任3年目になる。過去2年間も、いったん、トンネルに入ってしまうとなかなか出口が見つからずに苦労しているが、今シーズンも同様である。「好調の時期は短くて、不調の時期は長い。」というのが大木体制になってからのFC岐阜の特徴である。パスをつなぐサッカーに取り組んでいるチームにありがちな話になるが結果が出なくなると自信と失って余計に結果が出にくくなる。
昨シーズンは24節から10連敗を喫したが監督が交代となることはなかった。よほどのことがない限りはフロントは大木監督を斬らないだろうし、大木監督が自ら辞めることも考えにくい。ラモス監督の頃から良くも悪くも我慢強いフロントである。もちろん、このまま最下位に沈んだままだとどこかで手を打たないといけなくなるがFC岐阜の場合はオーソドックスなサッカーに変更して成績が良くなることはあり得る。
■ ネルシーニョ監督を代えるのは得策ではない。18位の栃木SCも3勝6敗4分け。難しいシーズンになっている。就任1年目の田坂監督がやりたいサッカーは出来ていないが戦力的に不足しているのが主な理由になる。また、開幕前は「最下位候補の筆頭」だったことを考えると18位というのはよく頑張っているという見方も出来る。初年度であることを踏まえると田坂監督が早いタイミングでチームを去ることは考えにくい。下位に位置するのが監督の責任とは言えない。
「大本命」と言われながら6位に甘んじている柏のネルシーニョ監督に対する批判の声も大きくなっている。直近の徳島戦(H)は1対0で勝利。6試合ぶりに勝ち点「3」を獲得したので少し落ち着いたが勝ちなしが続いていた時期は監督交代を求める声が大きくなった。柏の戦力を考えると13試合で11得点というのは考えられない数字になるが決定機やチャンスは作れている。ネルシーニョ監督を責めるのは酷だろう。
監督が出来る仕事はたくさんの決定機やチャンスを作ることまでである。最後のシュートを決めるのは選手の仕事である。MFクリスティアーノやMF瀬川祐やFW江坂などがシュートを外す場面が目立っているが、彼らを使うネルシーニョ監督の選手起用に問題があるとは到底言えない。コンディションに問題がなければスタメンで出続けるべき選手たちなのでネルシーニョ監督を批判するのは筋違いだろう。
ネルシーニョ監督が退いた場合、井原ヘッドコーチが代役を務めることになると思うが、守備を重視するタイプの監督である。チャンスの数が劇的に増えることは考えにくい。ネルシーニョ監督を招聘するために相当なお金がかかっていることも間違いないのでこのタイミングでの監督交代は斬るリスクが高い。徳島のリカルド・ロドリゲス監督、町田の相馬監督なども「まだそれ(解任)を考える時期ではない。」と言える。
・2019/05/15 【J2】 2019年の序盤戦の振り返りと今後の展望 (自動昇格争い編)
・2019/05/15 【J2】 2019年の序盤戦の振り返りと今後の展望 (プレーオフ争い編)
・2019/05/15 【J2】 2019年の序盤戦の振り返りと今後の展望 (残留争い編)
★ 現在の投票数 → 102票
→ 最大で12チームまで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
関連エントリー
2019/01/07 【J1】 順位予想バトル 2019年版 受付終了 (参加者→392名)
2019/01/06 【J2】 順位予想バトル 2019年版 受付終了 (参加者→164名)
2019/02/07 【J2】 オフの補強の最終評価ランキング (15位-22位) (2018年-2019年オフ)
2019/02/07 【J2】 オフの補強の最終評価ランキング (08位-14位) (2018年-2019年オフ)
2019/02/08 【J2】 オフの補強の最終評価ランキング (01位-07位) (2018年-2019年オフ)
2019/05/14 【未招集選手のみ】 五輪代表に招集したら面白いのでは?と思うJリーガー (10名)
2019/05/15 【J2】 2019年シーズンの記事一覧 (まとめ)
- 関連記事
-