■ 早くも13節が終了したJ2リーグJ2は13節が終了した。8勝2敗3分けで勝ち点「27」の山形が首位を走っており、7勝1敗5分けで勝ち点「26」の水戸が2位と好位置に付けている。7勝2敗4分けで勝ち点「25」の大宮が3位となるが、4位の金沢と5位の京都と6位の柏は6勝3敗4分けで勝ち点「22」であることを考えると「上位3チーム(山形・水戸・大宮)が抜け出しつつある。」と言える。この3チームは順調に勝ち点を積み上げている。
開幕前に大本命と言われた柏は6位。決して悪い位置ではないが開幕4連勝を達成したことを考えると不本意な順位である。水戸・金沢・京都など前評判があまり高くなかったチームが上位争いに絡んでいる一方で開幕前に上位候補と言われたチームのいくつかが中位以下に沈んでいる。新潟や東京Vや徳島などは中位に甘んじており、J1経験の豊富な千葉は17位、同じくJ1経験の豊富な福岡は20位と低迷している。
低迷しているチームが少ないこともあって早くも3チームが監督交代を実施している。千葉は4節を終えた時点でエスナイデル監督が解任されて江尻監督が就任。新潟は9節を終えた時点で片渕監督が解任されて吉永監督が就任。横浜FCは13節を終えた時点でタヴァレス監督が解任されて下平監督が就任したが横浜FCのタヴァレス監督は昨シーズンはチームを3位に導いていることを考えると意外な選択だった。
・2019/02/10 【J1】 2019年の「最初に解任されそうな監督」は誰だろうか?
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■ 良くも悪くも監督交代を重く考える人が多い。日本のプロ野球の場合、シーズン途中で監督が交代となるケースはかなり少ない。仮に断トツの最下位に終わったとしても下部リーグに降格せずに済むプロ野球のシステムも関係していると思うがよほどのことがない限り、シーズン途中の監督交代は実施されない。プロ野球の世界における監督交代は「二進も三進もいかない状況になったときの最終手段」になるがJリーグを含めたサッカー界では珍しいことではない。
1年ほど前に日本代表のハリルホジッチ監督が電撃解任されて西野JAPANが誕生したときは「監督交代を決断した日本サッカー協会」に批判の声が集まったが「監督交代というのも慣れていない人が多かったこと」が1つの大きな理由だと考えられる。当時、『監督交代の理由をきちんと説明すべき』と主張する人は少なくなかったが、Jリーグで監督交代が起こったときに明確な理由が説明されることはほぼない。
なので、良くも悪くも「監督交代」というものを重く考えすぎている人が多いのが日本社会だと思う。サッカーの場合、仮にシーズン途中で監督を解任されたり、辞任せざる得なくなったとしても、普通に次の仕事のチャンスは回ってくる。「クラブと監督の相性が良くなかった。」という理由で何となくうまくいかないパターンもあるし、「流れを変えるために何かしらの手を打ちたい。」というケースも少なくない。
■ 「解任された=死刑宣告」というわけではない。監督にとって「解任された=死刑宣告」というわけでは全くないので監督交代が必要なタイミングになったらしっかりと決断すべきである。監督交代を実施した場合、ほぼ100%、フロントも批判されるが、そういった批判は甘んじて受け入れるしかない。一番良くないのは決断できずにズルズルと行ってしまうことである。この例の典型例に挙げられるのは、やはり、2016年の名古屋の小倉監督のケースである。
J2における開幕後の監督交代件数をカウントしてみると、2012年は3件、2013年は4件、2014年は5件、2015年は7件、2016年は3件、2017年は3件、2018年は4件、2019年はここまで3件になる。22チーム制になった2012年以降で平均すると年間で4.0回。5.5チームに1チームが監督交代を実施していることになるので割合的にはかなり高い。残留争いがよりシビアなJ1になると監督交代はさらに活発になる。
開幕してから3チームが監督交代を実施しているが千葉は江尻監督になって少しだけ成績は良くなった。新潟は監督が交代してから1勝1敗2分け。まだ評価を下すのは難しい。横浜FCは次の14節から下平監督がチームを率いることになる。下平監督は昨シーズンの途中まで柏を率いた監督になる。2017年は4位になってACLの出場権を獲得したが2018年は低調。指導者としての真価が問われる重要な仕事になる。
■ 今、一番、危ういのは・・・。監督交代のタイミングについて考えると千葉は「やや遅かった。」と言える。そもそもとしてオフに続投という判断を下したことを疑問視する人が多いようだ。新潟については「予期せぬタイミングでの監督交代だった。」と言える。仮に吉永監督で結果を出せなかったら今度はフロントが大きな批判を浴びることになるだろう。先のとおり、横浜FCの監督交代は「かなり意外なタイミングでの監督交代だった。」と言える。
J2の22クラブの監督の中で少し前まで最も立場が危うかったのは鹿児島の金鍾成監督である。3節から7試合ノーゴール。2節から8試合勝ちなしと苦しんだ。監督交代を求める声も出始めていたが10節からの4試合で3勝1分け。一気に勝ち点を積み上げて16位まで浮上した。依然として降格圏との差はわずかなので全く油断はできない状況であるが、ひとまず、ピンチは脱出した。金鍾成監督のクビはつながった。
今、最も危ないのは福岡のペッキア監督になるだろう。13節を終えた時点で3勝7敗3分けで勝ち点「12」。20位なので辛うじて残留圏内に位置するが21位の愛媛FCと22位のFC岐阜も同じ3勝7敗3分けになる。開幕前は上位候補の1つに挙げられていたことを考えるとまさかの順位と言える。13試合で11得点のみ。極度の得点力不足に苦しんでおり、サポーターのフラストレーションはたまる一方である。
「ショートパスをつなぐ攻撃的なサッカーを志向する監督」という触れ込みだったが軽快にパスが回るシーンは限られる。開幕直後に加入したFWヤン・ドンヒョンを目掛けたクロスは武器になっているが、チャンスにつながりそうなのはシンプルなクロスくらい。開幕当初と比べて内容面が良くなってきている風には感じられない。14節はホームの甲府戦(H)になるが「敗戦→解任(or 退任)」となっても不思議はない。
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