■ J1の第5節J1の第5節。3勝1敗の名古屋グランパスはホームの豊田スタジアムでコンサドーレ札幌と対戦した。風間監督が就任して3年目の名古屋は開幕3連勝の後、4節はアウェイでFC東京に敗れて初黒星を喫した。一方の札幌はペトロヴィッチ監督になって2年目。ここまでは2勝2敗。4試合で8得点/7失点。J1屈指の攻撃力を誇る両チームの激突になった。豊田スタジアムでは今シーズン初のリーグ戦開催となった。
ホームの名古屋は「4-2-2-2」。GKランゲラック。DF宮原、中谷、丸山、吉田豊。MF米本、ジョアン・シミッチ、ガブリエル・シャビエル、和泉。FW長谷川アーリアジャスール、ジョー。加入して2年目となるFW長谷川アーリアジャスールは横浜FM時代の2011年以来となるフォワードでのスタメン起用となった。4試合で3ゴールを挙げているFW赤崎はベンチスタート。MF相馬やMFマテウスもベンチスタートになった。
対するアウェイの札幌は「3-1-4-2」。GKク・ソンユン。DF進藤、宮澤裕、福森晃。MF深井一、ルーカス・フェルナンデス、菅大輝、荒野、チャナティップ。FW鈴木武蔵、アンデルソン・ロペス。3月の2連戦のときに日本代表に初めて選出された新加入のFW鈴木武蔵は4試合で3ゴールを挙げている。FWアンデルソン・ロペスは4試合で5ゴール。FW藤本憲(大分)と並んでJ1の得点ランキングの首位タイとなる。
■ 4対0で大勝した名古屋グランパス試合は名古屋ペースで進んでいく。前半17分にMFジョアン・シミッチの縦パスから名古屋がショートカウンターを繰り出すとMF和泉のシュートをキーパーのGKク・ソンユンがはじいたところをMFガブリエル・シャビエルが押し込んで名古屋が先制に成功する。MFガブリエル・シャビエルは今シーズン初ゴールとなった。さらに前半32分にはMF和泉のクロスが相手のオウンゴールを誘って大きな追加点を奪った。
さらに前半39分には攻撃参加したCBのDF丸山のパスを受けたFW長谷川アーリアジャスールが決めて3点目のゴールを奪った。FW長谷川アーリアジャスールは移籍後初ゴールとなった。前半は3対0と名古屋がリードして折り返した。迎えた後半5分にもFW長谷川アーリアジャスールのトリッキーなパスを起点に決定機を作ると最後はこぼれ球をMFガブリエル・シャビエルが決めてダメ押しの4点目を奪った。
札幌は後半開始からMFルーカス・フェルナンデスを下げてMF白井康を投入。さらに後半28分には五輪世代のMF岩崎を投入。攻撃的な選手を次々に投入したが反撃のゴールを奪うことは出来なかった。4対0で大勝した名古屋は今シーズン4勝目。4勝1敗となった。敗れた札幌は今シーズン3敗目。2勝3敗と黒星が先行した。ここ2試合で計7失点。5試合で計11失点と守備陣は力を出し切れていない。
■ フォワード起用のFW長谷川アーリアジャスールともに攻撃的なサッカーを展開するチームなので「激しい打ち合い」になることが予想されていたが事前の予想に反してホームの名古屋の圧勝に終わった。名古屋の放ったシュートは20本。札幌は8本のみ。札幌も決定機がなかったわけではないが名古屋が5点目や6点目を奪っていても何ら不思議はない試合展開だった。名古屋は5試合で13ゴールと攻撃陣が爆発中。J1の上位争いの中心になりつつある。
今シーズンの名古屋はFWジョーとMFガブリエル・シャビエルがそこまで目立っていない。2018年の前半戦の勝てなかった時期は2人にかかる負担が大きくて相手方からすると「この2人を止めることができれば大丈夫」というチームだったが昨夏ならびに昨オフに有力選手をたくさん獲得して武器が一気に増えた。新戦力のMFジョアン・シミッチ、MF米本、DF吉田豊の3人はすんなりとチームに溶け込んでいる。
FWジョーは4試合連続ノーゴール。エンジンがかかっていないが彼と2トップを組んだFW長谷川アーリアジャスールが躍動した。今シーズン初スタメンだったが攻撃の中心となって大活躍。1点目と4点目のMFガブリエル・シャビエルのゴールもFW長谷川アーリアジャスールが起点になっている。シンプルで、かつ、的確に味方を使って攻撃のリズムを生み出すとともに決定機なパスを送って自らもゴールを決めた。
FW長谷川アーリアジャスールは横浜FMやFC東京やC大阪や湘南や大宮やサラゴサでもプレーしたが良さを出せない試合が多かった。「ポテンシャルは高いはず。」と言われながら力を出し切れないシーズンが続いたが「これほどピッチ上で躍動するFW長谷川アーリアジャスールを観たのは初めて」と言えるほど。風間サッカーに向いたプレースタイルの選手なのでこの活躍を続けてチーム内で地位を確立したい。
■ 「負け方」に問題あり。札幌は1対3で敗れた4節の鹿島戦(H)に続いて大量失点で敗れた。もともと攻撃的なサッカーを志向するチームなので「大差で敗れる試合が出てくる。」というのは織り込み済みだと思うが「-4」の得失点差を挽回するのはかなり大変である。最終的には得失点差の勝負になることが少なくないことを考えると「思うようにいかない試合で受けるダメージを最小限に抑える方法」を見つけないといけないだろう。
2018年はJ1で4位になったが34試合で48得点/48失点だった。4位と上位争いに絡んだチームの得失点差が±0というのはかなり珍しいと思うが「せっかく稼いだ得失点差がいくつかの試合の大敗で帳消しになってしまう。」というのはペトロヴィッチ監督になってからの札幌の大きな課題と言える。長丁場のリーグ戦では得失点差が順位争いに絡んでくるケースは多い。「1点差負け」と「4点差負け」は同じではない。
ショックの大きい敗戦になったが途中出場したMF岩崎は持ち味を発揮した。ポジション争いのライバルとなるFW鈴木武蔵やFWアンデルソン・ロペスが序盤戦から結果を残しているので立場は厳しいが途中出場でも力を発揮できるタイプの選手である。短い出場時間でインパクトを残して長時間プレーする権利を得たい。FW鈴木武蔵とFWアンデルソン・ロペスは結果を残しているので彼も結果を残さないといけない。
→ 2019/03/08 【J1】 「面白いサッカー」をしているチームはどこだ? (前編)
→ 2019/03/09 【J1】 「面白いサッカー」をしているチームはどこだ? (後編)
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