■ 文句なしの勝ち組は水戸ホーリーホック今夏のJリーグは若手の海外移籍が目立ったので鹿島やG大阪や横浜FMなどJ1の有力クラブの主力や未来の主軸候補の流出が目立つ夏になった。中でも大変な状況になったのは鹿島だった。DF安西(→ポルティモネンセ)、MF安部裕(→バルセロナ)、FW鈴木優(→シントトロイデン)とこれからの鹿島を引っ張っていくはずの選手が揃って流出。MF相馬勇(名古屋)やMF小泉慶(柏)を獲得したが今夏は苦戦を強いられた。
対してJ2のクラブで主力が流出したところは少なくて大半のクラブは戦力アップに成功した。「勝ち組」と言えるクラブはJ1よりもJ2の方が多くなるが中でも最も充実した補強が出来たのは水戸だろう。27節を終えた時点で6位。初のJ1昇格に向けて上位をキープしているが待望のストライカーのFW小川航(磐田)を獲得。東京世代の有望株は移籍してから3試合連続ゴールを記録するなど目立った活躍を見せている。
さらにMF福満(C大阪)、MFレレウ(湘南)、DF宮大樹(神戸)の獲得にも成功した。守備の要だったDF伊藤槙(→横浜FM)の流出は大きな痛手となるが神戸の主力としてプレーしていたDF宮大樹を獲得できたのはラッキーだった。DFフェルマーレンやDFジョアン・オマリの加入によって弾きだされた長身CBをゲットできたのは良かった。MF浅野雄は広島に完全移籍で買い取られたが残り試合は水戸でプレーすることになる。
水戸はクラブ史上初となるJ1昇格に向けていつになく積極的な補強を行ったが水戸のような規模のクラブになると「次にいつJ1昇格のチャンスがやって来るのか?」は分からない。次のチャンスが数年先になることも十分に考えられることを踏まえると「このタイミングで勝負を賭ける。」というのは正しい選択と言える。当然のことながら、リスク覚悟で積極的な補強を行ったので「昇格」という結果を残したい。