■ 個人昇格を果たす選手昨今は下部リーグで実績を積んで評価を高めて個人昇格を果たす選手が増えて来た。JFLからキャリアをスタートさせてJ3とJ2で得点王に輝いてJ1の大分で存在感を発揮してついに神戸までたどり着いたFW藤本憲、同じくJFL時代の山口からキャリアをスタートさせてJ3の山口とJ2の山口で目立った活躍を見せてJ1の柏でも大きな存在感を発揮してロケレンへの移籍を実現させれたDF小池龍は典型例に挙げられる。
「大学サッカー」や「社会人サッカー」が盛んな日本は欧州の主要国と比較するとプロサッカー選手になるためのルートがたくさんある。特に「大学サッカーの存在」は日本サッカー界の大きな武器になっているが、高校や大学を卒業するときはプロのスカウト達から高い評価を得られなかった選手が下のカテゴリーで力を付けて上まで駆け上がってくるルートが出来上がりつつあるのはポジティブなニュースの1つになる。
FW藤本憲(神戸)やMF福満(水戸)やMF清原(金沢)など、やはり、成り上がりの選手は攻撃的なポジションが多くなるが、サイズがあってポテンシャルの高さは評価されながらも高校や大学を卒業するまでには才能が開花されずにカテゴリーの低いクラブからスタートした選手がJ2やJ3で試合経験を積んで評価を高めるケースは攻撃的なポジションの選手だけでなくキーパーやCBの選手も多くなるだろうと推測できる。
■ 特大のポテンシャルを秘める188センチのDF菊池流今夏、水戸から横浜FMに完全移籍となったDF伊藤槙(横浜FM)は「成り上がった晩成型CB」と言える。2015年に千葉に加入したがJ2では1試合の出場のみ。1年で水戸に移籍すると2017年の後半戦はJ3の藤枝MYFCでプレーした。J2でも十分な出場機会を得られなかった選手が長谷部監督の指導によって才能が開花して今シーズンはJ2でMVP級の活躍を披露。J1屈指の名門クラブの横浜FMが引き抜く形になった。
昨夏に東京Vから横浜FMに移籍したDF畠中のケースはDF伊藤槙とは少し異なるが「J2で能力の高さを示してJ1のクラブに引き抜かれた。」という点では同じである。DF野上(広島)やDF井林(広島)やDF新里(磐田)などもJ2で評価を高めてJ1のクラブに個人昇格を果たした選手になるが「経験が必要なので特に若手が出場機会を得るのは難しい。」と言えるCBにJ2上がりの選手が多くなるのは納得できる。
今、J2のクラブでプレーする若手のCBの中で「最もJ1のクラブが注目しているCB」というとDF菊池流(山口)になるだろう。大阪体育大出身でプロ1年目のDF菊池流は山口で定位置を確保。攻撃型のチームなので失点の数は多くてチームとしては期待されたような成績は残せていないが188センチの大型CBは随所にポテンシャルの高さを示しており、このままいくと、今オフの移籍市場で注目の的になる可能性は高い。
ただ、「大学時代に高い評価を得られなかったのでJ2の山口からのスタートになった。」というのは間違いないが、下級生の頃は大きな注目を集める選手だった。「J1の有力クラブの間で争奪戦が繰り広げられる可能性が高い。」と言われていたが4年生になってから怪我等もあって評価が上がらず。それ故に興味を持っていた有力クラブの関心度が低下して山口に入団することになったが才能は早くから注目されていた。
■ その他でポテンシャルの高いCBというと・・・。今の時点で考えると「最初からJ1の有力クラブに加入せずに出場機会が得やすい山口に入団できたのは逆に良かった。」と言える。例えば鹿島や浦和や名古屋やG大阪や横浜FMのようなビッグクラブに入団していたら1年目からここまでの出場機会は得られなかった可能性が高い。4年生のときの怪我が原因で評価が高まらなかったのは残念だったが「当時の怪我が逆にプラスに作用した。」とも考えられる。
どちらかというと古典的なCBなので「フィード面」などは課題と言えるがサイズがあって闘争心があってエネルギッシュなプレーが出来る。「フィード力が高くて統率力があってどんな状況でも冷静にプレーできる。」という最近の日本人の若手のCBに多いタイプでは全くない点もむしろセールスポイントになる。「相手フォワードには絶対に負けない。」という闘志あふれるプレーを90分間続けることができる。
DF菊池流以外のJ2の若手CBの中で「将来性が高い。」と感じられるのはDF上島(柏)、DF中川創(柏)、DF三國ケネディエブス(福岡)、DFンドカ・ボニフェイス(水戸)、DF山本義(金沢)、DF石尾(金沢)、DF熊本(山形)、DFチェ・ジョンウォン(岡山)、DF甲斐(FC岐阜)あたり。この中の選手で所属クラブですでに確固たる地位を築いているのはDF山本義とDF熊本くらいになるがその他の選手も高い将来性が感じられる。
DF三國ケネディエブスとDF石尾は高卒ルーキーになる。「18才や19才のCBを起用する。」というのは監督にとっては勇気のいる話になるが当時のペッキア監督や今の柳下監督は試合で起用した。CBは能力の高いストライカーと対峙することで自らの武器を増やして力を伸ばすのが普通。たくさんの試合を経験して引き出しを増やす必要があるので早くから試合経験を積んだJ2のCBは今後も人気を集めるだろう。
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