サンフレッチェ広島→ 城福監督になってからの広島は好不調の波が激しい。戦いぶりは安定しないが「2018年は2位だったチーム」とは思えないほど開幕前の評価が低かったことを考えると上位争いに参加している現状は高評価できる。しかも、MF川辺やDF吉野恭などが主力に定着してGK大迫やMF松本泰やDF荒木などが急成長したことで長年の悩みだった「主力の高齢化問題」が一気に解消された点もポジティブなニュースになる。
MF青山敏やDF水本やGK林卓人などが怪我等でコンディションが整わなかったことがきっかけになったが若返りが進行。クラブの未来は明るくなった。十分な成績を残しており、かつ、ACLも敗退しているので、「今夏、積極的な動きを見せる可能性」は低かったが、動きはそれなりに激しい。FWパトリック(→G大阪)とFW皆川(→横浜FC)とGK中林(→横浜FM)がチームを離れて、DF高橋壮は本人の意向で退団となった。
FWパトリックとFW皆川が抜けた穴をどう埋めるのか?が注目点だったが190センチのFWレアンドロ・ペレイラ(松本山雅)を獲得した。松本山雅ではサポートが少なかったこともあって期待に応える働きは出来なかったがヘディングが得意。ストライカーとしての資質は高い選手である。広島にはJ1屈指のサイドアタッカーであるMF柏がいることを考えると「新天地で目立った活躍を見せる可能性はある。」と言える。
広島は他クラブで力を出せなかった選手を獲得して戦力化するケースが多いチームなので「広島らしい補強」と言える。一方、ほぼ同じ時期にDF水本(→松本山雅)が移籍。どちらも期限付き移籍になるがトレードのような形になった。CBはDF吉野恭、DF佐々木翔、DF野上、DF荒木に加えて最近はDF井林も出場機会を得ているのでDF水本の立場は厳しかった。森保体制を支えた選手が徐々に少なくなってきた。
サガン鳥栖→ わずか1勝に終わったカレーラス監督の後を引き継いだ金明輝監督の元、上り調子になった時期もあったが、連勝が「3」で止まった14節以降は厳しい戦いが続いている。「クラブ史上初となるJ2降格」の危機を迎えている中、FWフェルナンド・トーレスの引退が確定。FWイバルボ(→長崎)も期限付き移籍でチームを離れたが、もともとフォワードの駒は多かった。現段階では代わりとなるCFの補強には動いていない。
今夏の補強の目玉はFWチアゴ・アウベス(全北現代)になる。2017年に清水でプレーして17試合で4ゴール。数字的には平凡だったが正確なキックを武器にチャンスに絡む場面は多かった。攻撃の中心になれる選手を必要としていた鳥栖にとっては打ってつけの選手と言える。彼が攻撃の中心になって周りの選手の良さを引き出すことで結果を出せていないCF陣が実力を発揮できるようになることが期待される。
さらにはMF金森(鹿島)を獲得した。言うまでもなく、福岡で活躍した選手であり、「博多のプリンス」と呼ばれた選手である。福岡と鳥栖の仲の悪さは良く知られている話なので驚きの移籍になった。「鹿島を挟んでいる。」とは言っても福岡のサポーターにとっては聞きたくないニュースになった。鹿島では力を出せなかったが1人で局面を打開できるアタッカーは貴重。途中出場でもアクセントになれる選手である。
他にはDFパク・ジョンス(柏)とGK石川慧(栃木SC)を獲得してGK大久保(→清水)がチームを離れた。オフに日本代表のGK権田(ポルティモネンセ)が抜けたキーパーは明らかに他のクラブの正キーパーと比べると見劣りするので補強があってもおかしくないポジションの1つだったが「GK大久保の代わりにGK石川慧を獲得した。」ということは今夏に正キーパー候補の獲得に動く可能性は低いと考えられる。
大分トリニータ→ 2013年以来のJ1復帰を果たした大分は久々となるJ1でサプライズを起こしている。しっかりと勝ち点を積み上げているので「2008年以来のJ1残留」はほぼ確実と言える。開幕前は「降格候補の1つ」に挙げられていたことを考えると大健闘しているが躍進の立役者であるエースのFW藤本憲(→神戸)の移籍はショッキングだった。夏の移籍市場で絶対的なエースが下位クラブに引き抜かれるというのは想定できない。
話題の多い今夏のJリーグの移籍市場の中で確定した移籍話の中でも屈指のサプライズ移籍になったがシャドーの位置でプレーすることが多かったFWオナイウ阿道が1トップの位置に移ることになるだろう。今のところは「FW藤本憲の代わりになるようなストライカーあるいはCF」の獲得には動いていないようだ。FWオナイウ阿道も久々のJ1で大きな存在感を発揮しているが今後はさらに大きな期待が集まる。
また、J2時代は「3バックの左」の位置で活躍したDF福森直(→清水)が移籍をするというのも驚きだった。ここ最近はレギュラーから外れているが生え抜きの選手である。ずっと「3バックの左」でプレーして来た選手なので「4バックがメインとなる清水への移籍を決断した。」というのも驚きだった。一方、加入が決まったのはMF田中達(G大阪)とMF嶋田慎(大宮)になる。どちらも昨シーズンはJ2で活躍した選手になる。
「大分らしい補強」と言えるがMF田中達の移籍に関しては「移籍の理由」がはっきりしないこともあってG大阪のサポーターからは批判を受けている。大きな騒動になっているが「突破力のあるWB」が欲しかった大分はいい補強が出来たと言える。一方、熊本時代に注目を集めたMF嶋田慎は初のJ1の舞台になる。高木琢也監督になってから大宮では出場機会が激減したが大分は彼を高く評価しているのだろう。
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