■ J3の第5節J3の第5節。1勝1敗2分けで8位のガンバ大阪U-23はホームのパナソニックスタジアム吹田でFC東京U-23と対戦した。創設4年目のG大阪U-23は今シーズンから森下仁志監督が指揮を執っている。鳥栖や群馬で監督を務めた経験があるが2017年に群馬を率いたときはJ2で5勝32敗5分けと低迷した。一方の東京U-23は開幕4連敗。今シーズンもスタートで躓いた。こちらは元・岡山の長澤徹監督が指揮を執っている。
ホームのG大阪U-23は「4-2-2-2」。GK林瑞輝。DF高尾、松田陸、野田裕、山口竜。MF高江、市丸、福田湧、中村敬。FW高木彰、食野亮。食野兄弟の兄のFW食野亮は4節のY.S.C.C.横浜戦(A)で2ゴールの活躍を見せた。ベンチスタートになった食野兄弟の弟のMF食野壮は高校3年生。4節のY.S.C.C.横浜戦(A)でJ3初ゴールを記録している。兄のFW食野亮もゴールを決めているので兄弟でのアベック弾となった。
一方のFC東京U-23は「4-2-2-2」。GK波多野。DF中村拓、木村誠、丹羽大、品田。MFアルトゥール・シルバ、平川怜、宮崎幾、内田宅。FW矢島輝、原大智。CBのDF丹羽大は長きに渡ってG大阪の主力として活躍した選手になる。DF丹羽大とMFアルトゥール・シルバとFW矢島輝の3人はオーバーエイジとなる。タイの年代別代表のFWナッタウットはベンチスタート。CBのDF木村誠は高校3年生になる。
■ G大阪U-23がホームで逆転勝利試合の前半はほぼ互角の展開になった。FC東京U-23はFW原大智とFW矢島輝のツインタワーを中心に攻撃を仕掛けた。0対0で迎えた後半開始からFC東京U-23はMF宮崎幾を下げてMF岡崎慎を投入。すると後半1分に18才のMF平川怜のパスを受けたFW原大智が右足で決めてアウェイのFC東京U-23が先制に成功する。U-20日本代表入りを目指すFW原大智は今シーズン初ゴールとなった。
1点を追うG大阪U-23は後半8分に18才のMF中村敬に決定機が訪れたが五輪代表のGK波多野が防いだ。先制された後は押し込みながら同点ゴールを奪えなかったG大阪U-23だったが後半29分に右サイドを走った大卒ルーキーのDF高尾の折り返しをFW食野亮が右足で豪快に決めて1対1の同点に追いついた。FW食野亮は2試合連続ゴールとなった。上手く右サイドを崩して決定機を作ることが出来た。
さらに後半40分には18才のMF中村敬がドリブルで相手をかわしてからエリア内に侵入。相手ディフェンスを引き付けた後に横にいたFW食野亮にパスを送るとFW食野亮が落ち着いてゴールに流し込んで2対1と逆転に成功する。FW食野亮は2試合連続で2ゴールを挙げる大活躍だった。2対1で逆転勝利を飾ったG大阪U-23は2連勝となった。逆転負けを喫したFC東京U-23は開幕から泥沼の5連敗となった。
■ 開幕5連敗となったFC東京U-23FC東京U-23は開幕から5連敗となった。U-23の3チームがJ3に参戦して今シーズンで4年目になるがFC東京U-23はオーバーエイジの選手を積極的に起用している。G大阪U-23やC大阪U-23はオーバーエイジはあまり使わないのでFC東京U-23はかなり異質と言えるがこの日もFW矢島輝、DFアルトゥール・シルバ、DF丹羽大がオーバーエイジで出場。当然のことながらオーバーエイジの選手は能力が高い。
戦力的にはプラスになるがチーム作りは難しくなる。実績のある選手が合流すると周りの選手は彼らに頼る気持ちが自然と出てくるのでチームとしては機能しにくくなる。「トップチームの試合に絡めない選手の試合勘を養う。」という意味ではオーバーエイジの選手をU-23の試合で起用するのは有効な手段になるが若手にチャンスを多く与えることがU-23の一番の目的であることを考えると多用するのは宜しくない。
G大阪U-23やC大阪U-23のように「極力、オーバーエイジの選手はU-23の試合には使わない。」という方針の方がベターだと思うが、オーバーエイジの選手以外にも能力の高い選手がたくさんいるチームであることを考えると開幕5連敗というのは信じられないような成績である。勝つことを優先して戦っているわけではないが、やはり、ある程度の結果は必要である。不甲斐ない序盤戦になっていると言わざる得ない。
ここまでの4試合はオウンゴールの1点のみだったのでFW原大智の先制ゴールがFC東京U-23にとっては今シーズン初めてのすっきりした形のゴールとなった。190センチの大型フォワードのFW原大智は5月に行われるU-20W杯の本大会のメンバー入りを目指している選手の1人になるがメンバー発表を前にしていいアピールが出来た。フォワードの競争は激しいが190センチの高さと走力は大きな魅力と言える。
■ 食野兄弟の兄のFW食野亮太郎G大阪U-23は2勝1敗2分けとなった。まずまずのスタートを切ったがこの日もFW食野亮が爆発した。これで5試合で5ゴール。J3でゴールを量産している。今シーズンは2トップの一角で起用されているがとにかく積極的に仕掛けてシュートチャンスを生み出すことが出来る選手である。G大阪ユース出身でMF堂安律はユースの同級生。今シーズンがプロ3年目になるがG大阪U-23の中でエース的な存在になっている。
昨シーズンはJ1でも11試合に出場した。途中出場がほとんどだったがクルピ監督の評価は高くて序盤戦から積極的にトップチームで起用されたが結果を出せず。今シーズンはG大阪U-23が主戦場になっているが5試合で5ゴールなので文句のつけようがない成績を残している。言うまでもなく、G大阪のトップチームは攻撃陣の層が厚くて出場機会を得るのはかなり難しいが大きな可能性を秘めた選手と言える。
ドリブルが最大の武器になるが、かつ、どんな状況になっても果敢に仕掛けることができるメンタルの強さも大きな魅力と言える。J3ではスペシャルな存在になっているので「G大阪のトップチームの競争に十分に割って入れるだけの実力を持った選手」と言える。ただ、競争が激しいのでチャンスを生かせないと立場は厳しくなる。次に訪れるチャンスを生かせるか?で彼のサッカー人生は大きく変わってくるだろう。
FW食野亮の逆転ゴールをアシストしたのはMF中村敬だった。FW食野亮と比べると存在感は希薄だったがアシストの場面は見事だった。周りには相手選手がたくさんいたが独力でチャンスを生み出した。MF中村敬は飛び級でプロ入りを果たしたが今シーズンから同年代の選手がたくさんプロの世界に飛び込んでくる。1年早くプロ入りを果たしたが肉体改造に成功。プロらしい顔つきと体つきになってきた。
→ 2019/03/08 【J3】 2019年シーズンの展望 ~熊本・群馬・秋田・富山などが中心か?~
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