■ J3の第5節J3の第5節。0勝1敗3分けで勝ち点「3」。開幕4試合を終えて未勝利と苦しむ長野パルセイロはホームの長野Uスタジアムでいわてグルージャ盛岡と対戦した。栃木SCをJ2昇格に導いた横山監督を招聘して「悲願のJ2昇格」を目指しているが出遅れてしまった。4試合で3ゴールのみ。今シーズンも得点力不足に苦しんでいる。対する岩手は2勝2敗。7位とまずまずの位置に付けている。4試合で4ゴールを奪っている。
ホームの長野は「3-4-2-1」。GK小澤。DF内野、浦上、池田。MF山田陸、岩沼、有永、妹尾、三上、東浩史。FW竹下。ここまでの4試合でゴールを決めているのはMF東浩史とMF山田陸とDF遠藤元の3人だけ。フォワード陣にゴールが生まれていない。FW木村裕とFW宇野沢はともにベンチ外。大卒2年目のFW竹下が2試合連続スタメンとなった。昨シーズンはJ3で12試合に出場して3ゴールを挙げている。
対するアウェイの岩手は「3-4-2-1」。GK土井。DF木下、福田友、深井脩。MF嫁阪、吉田直、鈴木達、麦倉、梅内、谷口海。FW菊池将。2018年にJ3で15ゴールを記録したMF谷口海がスタメン出場。開幕戦以来のスタメン出場となった。いわきFCから加入したFW菊池将は開幕から5試合連続スタメン。3節の秋田戦(H)でJリーグ初ゴールを記録している。長野のMF妹尾と岩手のMF嫁阪はともにG大阪ユース出身になる。
■ 2対1で逃げ切ったいわてグルージャ盛岡試合は前半10分に岩手が左サイドでFKを獲得するとレフティのMF麦倉がゴール前に上げたボールに対して上手くマークを外してフリーになったDF木下が頭で合わせてアウェイの岩手が先制に成功する。さらに前半33分にはセットプレーの流れから左サイドを突破したMF谷口海の左足のクロスをDF木下が合わせて大きな追加点を奪った。右ストッパーのDF木下は2ゴールを挙げる大活躍だった。
後半は2点を追う長野が攻め込む展開になった。まだ未勝利なので引き分けでは満足できない長野はたくさんセットプレーのチャンスを獲得。キッカーのボールの質は決して低くなかったがなかなか中央の選手がいい形でシュートを放つことは出来ない。それでも後半12分に見事なコンビネーションから最後はMF三上が左足でコース隅にシュートを決めて1点差に迫った。MF三上は今シーズン初ゴールとなった。
その後も長野が押し込む展開になった。相変わらずセットプレーのチャンスをたくさん獲得。後半33分にはMF岩沼のクロスからCBのDF池田が決定機を迎えたが決められず。後半43分にはMF東浩史がドリブルで守備陣を突破してシュートを放ったが惜しくもバー直撃で同点ゴールとはならず。2対1で逃げ切った岩手が今シーズン3勝目を挙げた。敗れた長野は0勝2敗3分け。依然として未勝利のままである。
■ 守備陣が奮闘して逃げ切りに成功。今シーズンからチーム名が変更になった岩手は開幕5試合で勝ち点「9」を獲得。いいスタートを切った。この日は放ったシュートは4本のみ。多くのチャンスを作れたわけではなかったがセットプレーのチャンスをしっかりと生かして2ゴール。どちらもCBのDF木下のゴールとなった。磐田でプレーした経験のあるDF木下は水戸や福島や藤枝MYFCでも十分な出場機会を得られなかったが飛躍のシーズンになりそうだ。
順調なスタートを切ったが今シーズンはセットプレーが武器になっている。目立つのは左WBで起用されているMF麦倉になる。彼もSC相模原ではあまりチャンスを得られず。オフに岩手に完全移籍となったが精度の高い左足のキックが岩手の大きな武器になっている。FW菊池将やFW宮市剛やMF谷口海がいるので岩手は高さや強さを持った選手が多い。精度の高い左足を生かしやすい環境と言える。
この日は守備陣の頑張りが目立った。長野は11本もCKを獲得している。先のとおり、入ってくるボールの質は悪くなかったが岩手の守備陣がしっかりと対応。長野のセットプレーが大きなチャンスになることはほぼなかった。昨シーズンは32試合で56失点。セットプレーから失点する機会も多くて「守備が課題」と言われてきたがDF木下、DF福田友、DF深井脩の3バックは安定している。侮りがたいチームになっている。
■ 方向性は間違っていない敗れた長野は開幕から5試合勝ちなし。大きく出遅れてしまった。たくさんあったセットプレーのチャンスを生かせずに逆にセットプレーから2失点。セットプレーが明暗を分ける形になった。J3は「背の低い選手が大半」というチームも少なくないが、この日のスタメン11人の中で空中戦に強いのは184センチのDF池田と180センチのDF内野の2人くらい。セットプレーのときのターゲットが2つしかないのはキツイ。
横山監督というと栃木SC時代は長身のCBを重用した。DFパウロンやDF服部康を中心としたセットプレーが2018年は威力を発揮したが長野はストロングヘッダーが少ない。パスワークからたくさんのチャンスを生み出すのはやはり難しい。セットプレーから多くのチャンスを作れないと上位進出は見えてこないが現状の見通しは明るくない。サブに回っている選手の顔ぶれを見ても空中戦に強い選手は見当たらない。
厳しいスタートになったがオフの補強は若手中心だったので経験の少ない若手がJ3の舞台に慣れるまで少し苦労することは想定の範囲内だと思われる。変化が必要な時期に入っているのでMF山田陸やDF池田やMF妹尾やDF浦上などが主力としてチャンスを得てまずまずのプレーを見せているのはポジティブに考えられる。開幕から結果が出ずに苦しんでいるが方向性は間違っていない。耐えるしかない。
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