■ J3の第3節J3の第3節。昇格1年目のヴァンラーレ八戸はホームのダイハツスタジアムでY.S.C.C.横浜と対戦した。2018年のJFLで3位となってJ3昇格を果たした八戸は開幕戦はアウェイでG大阪U-23と対戦して2対2の引き分け。終了間際にPKで同点に追いつかれてしまったが2節はアウェイで長野に2対0で勝利。記念すべきJ3初勝利を手にした。一方のY.S.C.C.横浜はここまで2連敗。まだ勝ち点を獲得できていない。
ホームの八戸は「3-4-2-1」。GK山田賢。DF中谷喜、近石、須藤。MF日高、新井山、國分、三田尚、中村太、上形。FW谷尾。J2の栃木SCから加入したMF上形はここまで2試合連続ゴールを挙げている。1トップのFW谷尾が開幕のG大阪U-23戦(A)でチームにとってのJ3初ゴールを記録している。川崎Fでプレーした経験を持っている。MF三田尚は昨シーズンはJFLのFC今治でプレー。個人昇格を果たした。
対するアウェイのY.S.C.C.横浜は「4-4-2」。GK古島。DF河野諒、土館、上田航、宮尾。MF佐藤祐、奥田晃、西山峻、柳雄太郎。FW浅川、進昂平。大卒2年目の選手が一大勢力になっており、GK古島、MF佐藤祐、MF柳雄太郎、FW浅川、FW進昂平の5人が大卒2年目の選手になる。キーパーのGK古島の父親は草創期の平塚でキーパーとして活躍。フランスW杯の日本代表のGK小島とポジションを争った。
■ 打ち合いの試合を制したのはY.S.C.C.横浜試合は激しい打ち合いになった。前半12分にMF西山峻のパスを受けたFW進昂平が右足でミドルシュートを決めてアウェイのY.S.C.C.横浜が先制に成功する。FW進昂平はJ3初ゴールとなった。さらに前半23分にはキーパーのGK古島のロングフィードから抜け出したFW浅川が決めて追加点を奪った。2対0で迎えた後半2分にもCBのDF上田航の縦パスを受けたFW進昂平が決めてY.S.C.C.横浜が3点目を奪った。
3点を追う八戸は後半15分に波状攻撃を仕掛けると最後はFW谷尾のゴールが決まって1点を返した。しかしながら、直後の後半16分にFW浅川が決めてY.S.C.C.横浜が大きな4点目を奪った。大卒2年目のFW進昂平とFW浅川はともに2ゴールの大活躍を見せた。またしても3点を追う展開になった八戸は後半23分に途中出場したMF小牧のグラウンダーのクロスがキーパーのミスを誘って2点目を奪った。
さらに後半38分にも分厚い攻撃から最後は新加入のMF三田尚が決めて八戸が1点差に迫った。MF三田尚は2試合連続ゴールとなった。最後まであきらめない粘りを見せた八戸だったが同点に追いつくことはできず。4対3で何とか逃げ切ったY.S.C.C.横浜は開幕3試合目にして初勝利を飾った。1勝2敗となった。敗れた八戸は待望のホーム開幕戦だったが初黒星。1勝1敗1分けとイーブンの成績になった。
■ 攻撃陣が躍動したY.S.C.C.横浜2連敗スタートとなったY.S.C.C.横浜にとっては大きな勝利となった。後半の半ば以降に2失点して最後は危ない展開になったが何とか逃げ切った。3試合で計8失点。J3最多の失点数になるので守備は安定感を欠いているが不安視されていた攻撃陣は活発。3試合で7ゴールというのは八戸と同じでJ3最多。攻撃の中心だったFW辻とFW北脇とMF三沢が抜けた影響をあまり感じさせない戦いぶりを見せている。
正直なところ、ネームバリューのある選手はほとんどいない。スタメン11人の中で名前が知られている選手はMF西山峻とMF奥田晃くらい。その他の選手はコアなサッカーファンくらいしか認識していない選手になるが「ほぼ無名の選手」が奮闘している。先のとおり、大卒2年目の選手が5人もスタメンに名を連ねているが、昨シーズンまでチャンスがほとんどなかった選手の活躍がここまでは目立っている。
中でもFW浅川とFW進昂平の2トップが序盤戦は目立ちに目立っている。昨シーズンの成績を調べてみるとFW浅川は出場機会なし。FW進昂平は12試合の出場でノーゴール。ほとんど戦力にはなれなかったが飛躍の2年目になっている。桐蔭横浜大出身のFW浅川は体の強さを持ったストライカーで、東京国際大出身のFW進昂平はスピードがあって裏に飛び出すのが得意。なかなかいい2トップになっている。
ドイツ出身のシュタルフ悠紀リヒャルト監督も同じように無名に近い存在である。まだ34才。実績のある樋口監督の後任監督はさすがに荷が重い感じもしたが攻撃的なサッカーを展開してJ3で小さくないインパクトを残している。開幕前のY.S.C.C.横浜に対する評価は非常に低くてほとんどの人が「下位候補」と予想しているが台風の目になる可能性はある。ここまではなかなか面白いサッカーを展開している。
■ 3試合で7ゴールと攻撃陣は好調開幕3試合目にして待望のホーム開幕戦となった八戸は1対4になった後も諦めずに戦った。最終的には1点及ばずに3対4で敗れたが試合としてはエキサイティングだった。厳しい気候条件の中、2,000人を超えるサポーターが集まったが、「八戸は面白い。」、「Jリーグは面白い。」というところをアピールすることが出来た。後半38分に1点差に迫ったがその後のスタジアムの盛り上がりは相当なレベルだった。
すでに触れたとおり、八戸は3試合で7ゴール。J3最多タイの得点数を記録している。2点→2点→3点なので3試合連続で複数ゴールを記録している。FW谷尾、MF上形、MF三田尚がいずれも2ゴールを記録しているが、中心選手がしっかりと結果を残している。こちらもJリーグで実績のある選手はほとんどいないので「無名軍団」と言えるが初挑戦のJ3でも攻撃陣は力を示している。迫力のある攻撃を見せている。
問題は守備陣になる。昨シーズンはJFLで30試合で21失点のみ。絶対王者のHonda FCよりも失点数は少なかった。「堅い守備が八戸の最大の武器」と言われていたが3試合で6失点。簡単にピンチを招く場面は少なくない。新たに監督に就任した大石篤人監督は攻撃的なポジションの選手の良さを引き出すのに長けた監督である。攻撃陣はある程度は計算できるので「守備陣がどこまでやれるか?」がキーになる。
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