■ J2の第5節J2の第5節。1勝3敗とやや出遅れたレノファ山口はホームの維新みらいふスタジアムで栃木SCと対戦した。霜田監督になって2年目の山口はJ1昇格を目指しているが開幕ダッシュには成功しなかった。田坂監督を招聘した栃木SCは1勝2敗1分け。開幕から3試合勝ちなしだったが4節はアウェイで東京Vに3対2の逆転勝利を飾った。後半42分に新・10番のMF西谷和が劇的な逆転ゴールを決めて初勝利を手にした。
ホームの山口は「4-2-1-3」。GK山田。DF前貴之、菊池流、坪井、瀬川和。MF三幸、吉濱、佐々木匠。FW高木大、工藤壮、山下敬。新戦力のDFドストンはウズベキスタン代表に召集されているので今節は欠場。スタメンが続いていたDF楠本はベンチスタート。大卒ルーキーのDF菊池流と元日本代表のDF坪井のCBコンビとなった。元日本代表のFW工藤壮は4節の愛媛FC戦(A)で移籍後初ゴールを記録した。
対するアウェイの栃木SCは「4-2-3-1」。GKユ・ヒョン。DF川田拳、森下怜、藤原広、久富良。MF岩間、寺田、大崎淳、西谷和、西谷優。FW大黒。4節の東京V戦(A)は後半途中に3バックに変更してから逆転に成功したこともあってこの日は最初から4バックを採用。右SBにDF川田拳、左SBにDF久富良が起用された。開幕から4試合連続スタメンだったレフティのDF温井はベンチ外。MF大崎淳は古巣対決となる。
■ 栃木SCがアウェイで2連勝1勝のチーム同士の対戦は序盤からホームの山口が押し込んだ。前半13分には大卒ルーキーのDF菊池流が高い打点からヘディングシュートを放ったが枠を捉えることは出来ず。やや劣勢の展開になった栃木SCだったが前半27分に右サイドのスローインからMF西谷和が繋いだボールに反応したMF大崎淳がエリア内でMF三幸に倒されてPKを獲得。これをエースのFW大黒が決めてアウェイの栃木SCが先制に成功する。
FW大黒は今シーズン初ゴールとなった。前半は1対0と栃木SCがリードして折り返した。迎えた後半はほぼ一方的に山口が攻め込む展開になった。山口は後半12分に左SBのDF瀬川祐を下げてドリブラーのFW田中パウロ淳一を投入。3バック気味の布陣に変更して同点ゴールを目指した。栃木SCも後半17分にMF西谷優を下げてCBのDF田代雅を投入。こちらも3バックにシステムを変更。逃げ切りを図った。
追いつきたい山口は後半34分にFW高木大を下げてDF楠本を投入。188センチのDF菊池流を最前線に上げるパワープレーを敢行する。防戦一方の展開になった栃木SCは後半44分にMF久富良が抜け出して決定機を迎えたシュートは選択せず。大チャンスを逃した。山口は試合を通して21本のシュートを放ったがゴールを奪うことは出来ず。1対0で勝利した栃木SCは2連勝。2勝2敗1分けとイーブンの成績に戻した。
■ GKユ・ヒョンの活躍が目立つ。栃木SCの放ったシュートは6本だけ。厳しい展開になったが何とかPKでもぎ取った1点を守りきった栃木SCがアウェイで価値ある勝利を手にした。開幕前の栃木SCに対する評価は非常に低くて多くの人が「降格候補の1つ」に挙げたが5試合を終えて2勝2敗1分け。12位とまずまずの位置に付けている。4節の東京V戦と5節の山口戦はいずれもアウェイで勝利。今後につながる意味のある2連勝になった。
オフにDFパウロンやDF服部康やGK竹重などが流出。守備的なポジションが不安視されていたが5試合で6失点。2節の水戸戦(A)はミスが続出して0対3で敗れたが1節の金沢戦(H)と5節の山口戦(A)はともにクリーンシート達成。不安視された守備陣が頑張っている。C大阪から加入したDF森下怜は開幕からスタメンフル出場中。水戸戦(A)では失点につながる致命的なミスを犯したが初のJ2の舞台で奮闘している。
DF藤原広も守備の要としてよく頑張っているが何と言っても目立つのは新加入のGKユ・ヒョンになる。元韓国代表のベテランキーパーが再三にわたる好セーブを見せてチームを救っている。5試合で6失点に済んでいるのはGKユ・ヒョンの頑張りによるところが大きい。この日も絶体絶命のピンチを神がかり的なスーパーセーブで何度か防いでいる。34才なので全盛期は過ぎていると思うが身体能力が相当に高い。
■ 大卒ルーキーのDF菊池流がスタメンデビュー敗れた山口は1勝4敗。J1昇格を目指すシーズンだったが大きく出遅れてしまった。先のとおり、21本のシュートを放ったがゴールを奪うことは出来ず。たくさんチャンスを作ったので攻撃は決して悪くなかったが決められなかった。4節の愛媛FC戦(A)で移籍後初ゴールを決めたFW工藤壮に期待がかかったがこの日は不発。3ゴールを挙げているFW山下敬もこの日はチャンスの場面で仕留めることが出来なかった。
開幕ダッシュに成功した2018年とは打って変わって下位グループに巻き込まれているがポジティブに考えられるのはプロ入り初スタメンとなったDF菊池流が存在感を発揮した点になる。DFドストンがウズベキスタン代表に招集されたことでスタメンのチャンスが回ってきたが188センチの高さを生かした空中戦は迫力満点。前半には得意のヘディングから惜しいシュートを放つなど攻撃面でも目立った。
後半5分には思い切ったミドルシュートで相手ゴールを脅かしたがエネルギッシュなプレーが出来る選手である。CBの選手というと、やはり、どんなときにも冷静にプレーできる選手やクールにプレーする選手の割合が高くなるが、DF菊池流は元気いっぱいである。昨今はスマートなCBが増えたが彼は泥臭いタイプのCBである。「どちらかというと古典的なCB」と言えるがなかなか面白い選手である。
「DFドストンとDF楠本のコンビがファーストチョイス。元日本代表のDF坪井と大卒ルーキーのDF菊池流がバックアッパー」というのが現時点での山口のCB陣の序列になるが結果が出ていない状況なのでDF菊池流のような元気のある選手を起用するのは悪くないアイディアと言える。大阪体育大の下級生の頃から「大学屈指のCB」と高い評価を受けてきたが『日本を代表するCBになり得る素材』と言える。
2019/03/07 【J2】 「面白いサッカー」を見せているチームはどこだ? (前編)
2019/03/07 【J2】 「面白いサッカー」を見せているチームはどこだ? (後編)
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