■ J2の第5節J2の第5節。開幕から4試合勝ちなしの千葉はホームのフクダ電子アリーナで京都サンガと対戦した。出遅れた千葉は3月17日(日)にエスナイデル監督が解任されて江尻監督に再建を託すことになった。江尻監督は2010年以来の監督復帰となる。一方の京都は開幕3試合で2勝1分け。好スタートを切ったが4節はホームで柏と対戦して0対1で敗れた。後半のアディショナルタイムにDF鎌田に決勝点を奪われた。
ホームの千葉は「3-4-2-1」。GK佐藤優。DF新井一、増嶋、エベルト。MF佐藤勇、小島秀、田坂、下平。FW船山貴、クレーベ、為田。監督が交代したのでスタメンの顔ぶれが大きく変更になる可能性があったが3バックを採用。キーパーは4節の水戸戦(A)でスタメン起用されたGK鈴木椋ではなくGK佐藤優に戻してきた。注目の新戦力のFW佐藤寿が初めてベンチ入り。MF熊谷アンドリューは怪我で欠場となった。
対するアウェイの京都は「3-4-2-1」。GK清水圭。DF上夷、闘莉王、本多。MF庄司、重廣、福岡慎、黒木恭。FWジュニーニョ、宮吉、小屋松。経験豊富なMF石櫃はベンチスタート。18才のMF福岡慎が引き続いて右WBでスタメン起用となった。DF闘莉王とDF本多はともに3試合連続スタメン。開幕から4試合連続スタメン中だった大卒ルーキーのFW中野克はベンチスタート。FWジュニーニョが初スタメンとなった。
■ セットプレーから追いついてドロー千葉は2009年、京都は2010年を最後にJ1から遠ざかっている。J2生活が長くなってきた両チームの対戦だったが千葉のボランチのMF小島秀が怪我をしてプレー続行不可となるアクシデントが発生。前半18分にMF矢田と交代せざる得なくなる。先制したのはアウェイの京都だった。前半21分に右サイドのFWジュニーニョがボールをカットしてファーサイドにクロスを入れるとFW小屋松が合わせて先制に成功する。
1対0で迎えた後半13分に今度はFWクレーベが負傷交代。開幕の愛媛FC戦(A)に続いて「1試合で2人もの負傷者」が出てしまった。FWアラン・ピニェイロが投入されるが彼が投入された後は千葉がいい形で攻め込むシーンが多くなる。すると後半31分に左サイドのCKを獲得するとファーサイドに入ってきたDF新井一が合わせて千葉が1対1の同点に追いついた。新加入のDF新井一は移籍後初ゴールとなった。
追いつかれた京都は途中出場した大卒ルーキーのFW中野克を中心に反撃を試みる。後半50分にはCKからMF重廣に決定機が訪れたがシュートはキーパーの正面に飛んでしまう。1対1になった後は「どちらが2点目のゴールを奪ってもおかしくない展開」になったが試合を決めるゴールは生まれず。どちらもチャンスを生かせずに1対1の引き分けに終わった。初陣となった江尻監督はドロー発進となった。
■ 初陣はドローエスナイデル監督が解任されて江尻監督が就任した千葉にとっては仕切り直しの一戦だったが勝利を手にすること出来ず。前日の試合で同じように開幕から4試合勝ちなしだった福岡がアウェイで新潟に勝利したのでJ2の22クラブの中では唯一の未勝利チームになった。ホームのフクダ電子アリーナでは3試合で0勝2敗1分け。思うような結果が出ていないが「負けなかったこと」をポジティブに考えたい。
江尻監督は久々の監督復帰となったが3バックを採用した。ここ最近の京都は3バックを採用しているので相手に合わせるために3バックを採用した可能性もある。次節以降の並びをみないと何とも言えないところはあるが「3バック向きのCB」が多いことを考えると3バックの導入は悪くない選択に思える。高さのある選手が1人増えることになるが同点ゴールはシステム変更によってチャンスを得たDF新井一から生まれた。
エスナイデル監督のときは「ハイライン&ハイプレスのサッカー」と言われた。末期のサッカーは2017年の始めほど極端なサッカーではなくなっていたがこの試合の戦いぶりを見る限りではかなりオーソドックスなサッカーになっている。エスナイデル監督時代の悪い時期は「ハイリスク・ローリターンなサッカー」になりがちだったことを考えると基本的な戦い方を見直すのがベターな選択と言えるだろう。
■ 攻守に貢献したFWジュニーニョとFW小屋松京都は逃げ切りに失敗したが開幕5試合で2勝1敗2分け。開幕前の評価は決して高くなかったことを考えると順調な滑り出しと言える。1つだけ気になる点を挙げると2試合連続でセットプレーから失点を喫しているところになる。空中戦に強い選手は3バックの中央でプレーするDF闘莉王くらい。彼にかかる負担は大きい。188センチのDF新井一に付いていたのはMF重廣だったのでミスマッチが生じていた。
セットプレーの守備は課題になるが戦いぶりは悪くなかった。千葉は監督が交代したばかり。どんなサッカーをするのか?の情報はほとんどなかったと思うがしっかりと対応することが出来た。相手が同じ「3-4-2-1」を採用してきたが京都の方が成熟度は高かった。ボールを大事にするサッカーに取り組んでいるが今シーズンの京都は粘り強い守備も光っている。組織的な守備を披露して簡単にはやられない。
先制ゴールの場面はFWジュニーニョのインターセプトがきっかけになった。大卒ルーキーながら大きな存在感を発揮しているFW中野克が初めてスタメンから外れてFWジュニーニョを今シーズン初スタメンさせたがFWジュニーニョは攻守両面に貢献。特に守備のときの貢献度が高かった。中田一三監督はJリーグのクラブを率いるのは初めてになるが、今回の件に限らず、巧みな選手起用を見せている。
前半21分にFW小屋松のゴールが決まって先制に成功したが難易度の高いシュートを決めた。ダイレクトで合わせるのはかなり難しい状況だったが見事にニアサイドを打ち破った。MF小屋松も守備面での貢献度が高かったがこちらはスピードを生かした突破も大いに目立った。2017年は38試合で8ゴール、2018年は36試合で5ゴールを記録しているが、加入3年目の今シーズンは過去2年の数字を大きく上回りたい。
2019/03/07 【J2】 「面白いサッカー」を見せているチームはどこだ? (前編)
2019/03/07 【J2】 「面白いサッカー」を見せているチームはどこだ? (後編)
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