■ サッカーを始めた年齢は?2019年のサッカーダイジェストの選手名鑑にあるアンケートの項目の1つの「サッカーを始めた年齢は?」の回答結果を集計してみた。J3の選手はアンケートの対象にはなっていないのでJ1とJ2の選手の回答結果をまとめてみたが最も多かった回答は「6才」だった。なので、幼稚園や保育園の年長もしくは小学1年生のときにサッカー選手を始めた選手が最も多かった。250名なので全体の22.94%に相当する。
2番目に多かったのは5才(年中-年長)で199名となる。全体の18.26%に相当する。3番目に多かったのは7才(小1-小2)で175名。全体の16.06%に相当する。結局、5才~7才の時期にサッカーを始めたのは全部で624名。全体の57.25%に相当する。幼稚園や保育園の年長や小学校の低学年あたりにサッカーを始めた選手がやはり多くなる。その他の年齢はいずれも10%未満。5才・6才・7才に集中している。
回答が得られたのは1090名だったが、最年少は0才。大分のCBのDF刀根が「0才」と回答している。1才と回答したのも1人だけ。ごましおというニックネームのMF本間(新潟)になる。「ほんましおん」と「ごましお」は響き的には似ている。2才となると一気に増えて11名。52才になったFW三浦知(横浜FC)は「2才頃」と回答している。他には若手のMF中島元(C大阪)やMF椿(横浜FM)などが「2才」と回答している。
■ 何をもってサッカーを始めたと言えるのか?ここで記述しておきたいのは「何をもってサッカーを始めたと言えるのか?」については回答者によって微妙に異なるという点である。「正式に学校や地域のサッカークラブに加入・入部した日」を「サッカーを始めた日」と認識して回答している選手もいるだろうし、「父親や兄や友達などと公園や校庭でサッカーを楽しむようになった時期」を「サッカーを始めた日」と認識して回答している選手も少なくないはずである。
「3才」と回答したのは67名。全体の6.15%なのでまだ割合としては低い。MF久保建(FC東京)、FWポドルスキ(神戸)、MF水沼(C大阪)、FW川又(磐田)などが「3才」と回答している。「4才」と回答したのは98名。全体の8.99%に相当する。結局、4才以下になるのは178名。全体の16.33%なので約6人に1人の割合になる。Jリーガーになった選手でも早い時期からサッカーを始めた選手はそこまで多くないようだ。
「8才」と回答したのは106名。全体の9.72%に相当する。「サッカーを始めた時期が8才以下」となるのは全体の83.30%になる。9才と回答したのは61名。5.60%に相当する。「サッカーを始めた時期が9才以下」となるのは全体の88.90%。大多数のJリーガーは少なくとも小学校の中学年あたりまでにはサッカーを始めていることになる。逆に言うと小学校の高学年からサッカーを始めるのはかなり遅いと言える。
■ 高校生になってからサッカーを始めた選手「10才」は78名。7.16%に相当する。有名な選手ではMF山口蛍(神戸)、FW杉本健(浦和)、FW鄭大世(清水)、FW小川航(磐田)など。同級生と比べるとかなり遅い時期にサッカーを始めていると思うがもともとの運動能力が相当に高かったのだろう。11才は13名。1.19%に相当する。12才は13名。1.19%に相当する。「12才」と回答した選手はおそらく中学生になってからサッカーを始めた選手だと思われる。
12才が13名、13才が12名、14才が3名になる。中学生になってからサッカーを始めてJリーガーになった選手が全くいないわけではないが本当に少数派である。しかも、そのほとんどは外国人選手である。日本人選手に限定するとDF飯田真(松本山雅)、MF田中隼(松本山雅)、GK茂木秀(C大阪)、DF増田(岡山)など片手で数えることが出来るほど。中学生からサッカーを始めてJリーガーになるのは相当に難しい。
そんな中、例外中の例外はGK西部(清水)である。38才になったベテランキーパーは「高校に入学してからサッカーを始めた。」と言われている。帝京第三高に入学してからの話だと思うが高卒で1999年に浦和に入団している。つまり、サッカー経験が3年ほどしかないにもかかわらず、Jリーガーになることが出来た。相当に珍しい話になるが187センチという身長と身体能力の高さが大いに役立ったと言える。
■ ゴールデンエイジと呼ばれる時期他の競技に目を向けると背の高い選手が圧倒的に有利なバレーボールやバスケットボールなどは「高校から競技を始めて全日本に入った。」という選手が少なくないと聞く。また、野球界では元100メートル走の日本記録保持者である飯島秀雄氏がロッテオリオンズに入団して代走のスペシャリストとして公式戦に出場した例もある。飯島氏は中学校時代は野球部。高校からは陸上の専門家として活躍していた。
そして、相撲界では全くの素人が各界に入門することも決して珍しくないが、やはり、サッカー界ではあり得ない話である。子供の身体能力や運動能力が著しく発達する時期のことは「ゴールデンエイジ」と呼ばれる。当然、個人差はあるが、5才~12才あたりの時期がゴールデンエイジと言われるが、少なくともこのあたりの時期までにサッカーを始めていないとJリーガーになることは相当に難しいと考えられる。
他の競技の場合、同級生と比べて遅くにスタートしたとしても何とかなるケースは多いが、サッカーは特殊である。10才までにサッカーを始めた選手がJリーガー全体の96.06%を占めることや12才以降にサッカーを始めた選手は全体のわずか2.75%に過ぎないことを考えると「早い時期にサッカーを始めないといい選手になるのはかなり難しい。」と言える。スタートの遅れを取り戻すのはかなり難しい競技と言える。
表. Jリーガーがサッカーを始めた年齢について
年齢 | 人数 | (%) | 累計 |
0才 | 1 | 0.09% | 0.09% |
1才 | 1 | 0.09% | 0.18% |
2才 | 11 | 1.01% | 1.19% |
3才 | 67 | 6.15% | 7.34% |
4才 | 98 | 8.99% | 16.33% |
5才 | 199 | 18.26% | 34.59% |
6才 | 250 | 22.94% | 57.52% |
7才 | 175 | 16.06% | 73.58% |
8才 | 106 | 9.72% | 83.30% |
9才 | 61 | 5.60% | 88.90% |
10才 | 78 | 7.16% | 96.06% |
11才 | 13 | 1.19% | 97.25% |
12才 | 13 | 1.19% | 98.44% |
13才 | 12 | 1.10% | 99.54% |
14才 | 3 | 0.28% | 99.82% |
15才 | 1 | 0.09% | 99.91% |
16才以上 | 1 | 0.09% | 100.00% |
→ 2019/02/12 【選手名鑑】 鹿島アントラーズは何故にアンケートへの回答に非協力的なのか?
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