■ キリンチャレンジカップのメンバーが発表3月下旬に行われるキリンチャレンジカップのコロンビア戦とボリビア戦に向けた日本代表メンバー23名が3月14日(木)に発表された。「アジア杯という大きな大会が終了して一区切りが付いたこと」、「1月に長期間に渡って拘束した欧州組は招集しにくいこと」の2点の理由からメンバーが大きく変更になることは十分に予想されていたがアジア杯から引き続いて選出されたのは10名のみ。13名が入れ替わる形になった。
怪我等の影響もあってW杯以降はメンバーから外れていたMF香川(ベシクタシュ)とDF昌子(トゥールーズ)の2人が満を持して選出されたのがまず目に付く。また、ベルギーリーグでゴールを量産しているFW鎌田(シントトロイデン)がフル代表に初招集されて、横浜FMの主力として活躍しているCBのDF畠中(横浜FM)と右SBのDF安西(鹿島)という東京Vユースの同級生コンビが揃って初招集されたのも興味深い話になる。
さらにMF山口蛍(神戸)やDF西大伍(神戸)といった経験のある選手が復帰して、アジア杯は怪我のため棒に振ったMF守田(川崎F)とMF中島翔(アルドゥハイル)も代表に戻ってきた。怪我等の影響もあってFW大迫(ブレーメン)、DF長友(ガラタサライ)、MF青山敏(広島)、FW北川航(清水)、GK権田(ポルティモネンセ)などが外れているが、今回のキリンチャレンジカップに選出された23名はなかなかの豪華メンバーである。
■ FW吉原以来で史上2人目の代表選出対戦相手はコロンビアとボリビアなので「コパ・アメリカに向けた絶好のシミュレーションの機会」と言えるが、初招集されたFW鈴木武蔵(札幌)に大きな注目が集まるだろう。手倉森JAPANでは得点源として活躍したが新潟ではなかなか結果を残せず。伸び悩んだ時期が長かったが2018年に長崎でブレイク。29試合で11ゴールを記録すると新天地の札幌でも序盤戦から目立った活躍を続けている。
札幌に所属する選手がフル代表に選出されたのは1999年のコパ・アメリカに出場したFW吉原以来。史上2人目となる。優秀な育成組織を持っているチームなので年代別代表にはたくさんの選手を送り出していたがJ2所属のシーズンが長かったこともあってなかなかフル代表に呼ばれるような選手は出てこなかった。約20年ぶりになるので北海道全体で「ムサシフィーバー」が巻き起こる可能性は高い。
やはり、日本国内において代表ブランドは絶大である。Jリーグで大活躍しても日本代表で活躍できないと本当の意味では評価されない時代に入っている。代表プレーヤーを抱えているのか?否か?でクラブに対するイメージも大きく変わってくる。代表ばかりが注目される状況は必ずしもいいことではないが現状では「代表>>>>>>Jリーグ」である。選手を代表に送り出すことが出来るとクラブの印象は良くなる。
■ コパ・アメリカでサプライズ招集「(札幌にとっては)FW吉原以来の代表プレーヤー」になるがFW吉原というと1999年のコパ・アメリカの直前に行われたシドニー五輪のアジア予選でゴールを量産したストライカーである。U-20日本代表がワールドユースで準優勝に輝いた直後に行われたアジア予選だったがFW柳沢、FW平瀬、FW山下などを押しのけてFW吉原がゴールを量産。この活躍が評価されてトルシエ監督がFW吉原をフル代表に引き上げた。
→ 2011/07/15 1999年 黄金世代が世界一に近づいたときFW吉原はアジア予選の途中でフル代表に帯同することになったが、同じ時期にFW柳沢が例の不祥事の影響で代表から追放されてしまった。フォワード2人が抜けてしまった五輪代表は大変な状況に陥ったが0対4で大敗した2戦目のパラグアイ戦でFW吉原はフル代表デビューを飾った。キャップ数はこの試合の「1」のみ。FW鈴木武蔵が出場機会を得ることが出来たら札幌の選手としては「通算2キャップ目」となる。
今回、フォワード登録になっているのはFW鈴木武蔵とFW鎌田の2人のみ。そして、FW鎌田については「どちらかというとアタッカー系の選手」である。純粋なフォワードはFW鈴木武蔵のみ。2試合とも出場機会が与えられる可能性は高い。おそらく、少なくともどちらかの試合ではFW鈴木武蔵が1トップの位置でスタメン起用されると思うが「ここでどんなプレーが出来るのか?」は興味深いところである。
■ 生かしてもらってナンボの選手心配されるのはFW大迫とは全く違ったタイプのCFであるという点である。フォワードの系統としてはどちらかというとアジア杯のときに1トップでプレーしたFW北川航に近いが「FW大迫のようなプレー」をFW鈴木武蔵に期待するのは酷である。185センチとサイズに恵まれているが空中戦に強い選手ではないし、ポストプレーが上手な選手ではない。むしろ、長身フォワードとしてはポストプレーは苦手な部類である。
よって、アジア杯のときのFW北川航のように「なかなかボールを収めることが出来なくて批判を受ける可能性」は否定できない。どうしてもFW大迫と比較されるので評価も厳しくなるがその一方で爆発的なスピードはFW大迫にはないものである。かつてはフィニッシュの精度に課題を抱えていたが長崎で覚醒。札幌でもフィニッシャーとして結果を残している。彼のスピードが日本代表の大きな武器になる可能性はある。
→ 2019/01/25 【日本代表】 過剰とも言えるFW北川航也(清水エスパルス)への批判についてFW北川航にも同じことが言えるが彼らは「周りの選手に生かしてもらってナンボ」の選手である。良い動き出しをしたとしてもいいパスが出てこなかったら意味や効果は薄れる。アジア杯のときに2列目で起用されたのはMF堂安、MF南野、MF原口の3人だったが、中盤から後ろの選手でスピードのあるフォワードが生きるパスを出せたのはボランチのMF柴崎岳くらい。FW北川航にとってはかなり難しい環境だった。
どういうタイミングでFW鈴木武蔵が起用されるのか?は分からないが代表復帰を果たしたMF香川は決定的なスルーパスを出せる選手である。ドルトムントのときは世界最速とも言われたFWオーバメヤンといい関係を築いた時期があった。MF香川の調子はかなりいいのでいいタイミングで動き出したらいいパスは出てくるはずである。MF香川がいる分、アジア杯のときのFW北川航よりは良さを出しやすいと考えられる。
「FW鈴木武蔵をフル代表に呼んでもいいのでは?」という声が大きくなる中、待望の代表初選出となったが、「J1でしっかりと結果を残している。」という非常にいいタイミングで招集されることになった。やはり、代表候補はたくさんいるので1回目のチャンスを逃すと「それっきり」になる可能性も否定できない。パサー役になれるMF香川がいるタイミングで初招集されたのは彼にとっては幸運だったと言える。
→ 2019/02/05 【日本代表】 MF中島翔哉のカタール移籍には心底がっかりした。
→ 2019/02/06 【日本代表】 MF中島翔哉(アルドゥハイル)は代表に招集されるべきか?否か?
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