■ ホーム2連戦で計9失点賛否両論ある中でエスナイデル監督の続投を発表したジェフ千葉だったが開幕から3試合勝ちなし。昨シーズンと同様で開幕ダッシュに失敗した。1節の愛媛FC戦(A)は前半に2人の負傷者が出た中でスコアレスドロー。悪くない結果と言えたが2節のホーム開幕戦は新潟に1対4で大敗して、3節の山口戦も2対5で大敗。ホーム2連戦で計9失点。ホーム戦を待ちわびていたサポーターにとって悪夢のような試合が続いた。
1対4の大敗を受けての山口戦だったが前半5分にオウンゴールで失点すると前半14分にはMF堀米勇が一発レッドで退場。10人になった。その後は数的不利を感じさせない戦いを見せて後半26分にMF船山貴のゴールが決まって2対3と1点差に迫ったが後半37分にと後半39分にMF高井に連続ゴールを決められて万事休す。同県のライバルである柏は開幕3連勝。勝ち点「9」を稼いでいるので好対照な成績である。
今シーズンの千葉は運に見放されている。先のとおり、1節の愛媛FC戦(A)は前半だけでMF茶島とMF矢田が負傷交代するアクシデントが発生した。3節の山口戦(H)は前半14分のMF堀米勇の退場でプランが大きく狂ったが「一発レッドはやや厳しいのでは?」と思う判定だった。1点ビハインドの中、数的不利になりながら残った10人は奮闘したが攻めないといけない状況になるとカウンターから失点する確率は高まる。
→ 2017/04/26 【J2】 ジェフ千葉のエスナイデル監督は続投すべきか?解任すべきか?
■ 同じような形から失点するケースが多い。山口戦の終盤は千葉のサポーターからの応援の声は聞こえてこなくなった。アウェイの山口のサポーターの声が鳴り響くという異様な雰囲気になったがもともと苦しい立ち位置だったエスナイデル監督は窮地に追い込まれた。怪我人の発生や予期せぬレッドカードなど気の毒な部分は少なくないがホーム2連戦で9失点となると擁護するのは難しくなる。我慢の限界を通り越したサポーターは少なくないだろう。
「ゴールを奪わないと勝ち点は獲得できない。」という状況だったことは考慮しなければいけないが山口戦(H)の4失点目はエスナイデル監督になってから何度も見られた光景である。キーパーのGK佐藤優が前に出ていたので左SBのDF瀬川祐はハーフウェイライン付近から超・ロングシュートを放った。シュートはポストに直撃して惜しくもDF瀬川祐のゴールにはならなかったがこぼれ球をMF高井が押し込んだ。
特徴的な「ハイプレス・ハイラインのサッカー」なので前にポジションを取ったキーパーの頭を越されてロングシュートを決められることやキーパーのフィードやボールコントロールのミスが失点につながることが年に何度か発生することは覚悟しなければいけないがこれまでの2年ちょっとの間でそういう形の失点があまりにも多すぎる。そういう失点をゼロにすることは不可能だと思うがさすがに多すぎる。
昨シーズンはアルゼンチン出身のGKロドリゲスを獲得。大卒3年目だったGK大野をスタメンで起用した時期もあったが「そういう形の失点が多いのはキーパーの責任ではない。」と言える。GK佐藤優のプレーに満足できなかったエスナイデル監督はGKロドリゲスやGK大野を代わりに起用したが状況は変わらなかった。むしろ、GK佐藤優以上に「スイーパー的な役割をこなせるキーパー」はJリーグにはほとんどない。
■ GK佐藤優也は奮闘しているが・・・。ロングシュートから失点したシーンがクローズアップされているが山口戦(H)でも判断よく飛び出してきたGK佐藤優がピンチを未然に防ぐ場面はたくさんあった。結構な数のピンチを防いでいる。「出るときと出ないときの判断」に優れたキーパーであり、「飛び出してくるタイミング」もいいキーパーである。難しい役割を課せられているGK佐藤優は奮闘しているがそれでも定期的に大きなミスが起こってしまう。
もちろん、エスナイデル監督が就任して1年目の春先の頃と比べると幾分かはリスクをかけないサッカーになっているが、その分、リスクに見合ったリターンも得にくくなっている。エスナイデル監督はシステムを変更して戦うケースが非常に多い監督であるが根本的な部分があまり変わらないので人やシステムをいろいろと変えても問題は残ったままである。プランBやプランCは持ち合わせていないように思う。
2017年の終盤に快進撃を見せてプレーオフに進んだときに作った貯金はすでに底をついており、サポーターからそっぽを向かれる状況になっている。昨オフに否定的な考えをする人が多い中でエスナイデル監督の続投を決めた理由の1つは「選手たちからは信頼されているので監督を代えると主力が流出する可能性が高まるから」だと推測できるが、そろそろフロントは大きな決断を下さないといけない段階に入っている。
引き続いて今シーズンも「J1復帰」がクラブとしての目標だったが現実的な話をすると「J3降格」というのもあり得ない話ではない。今シーズンは昇格組のFC琉球と鹿児島が開幕戦で勝利を手にするなど「このチームは確実に残留争いに巻き込まれる。」というチームが見当たらない。柏は頭1つ抜け出た存在になるがそれ以外の21クラブの差は大きくない。「びっくり降格」があっても何ら不思議はない状況である。
客観的に千葉の戦力を評価した場合、やり方次第では十分に上位争いは可能と言えるだけの戦力を有している。各ポジションにJ2では上位クラスの選手を揃えているのは間違いないところである。監督次第で、戦い方次第で、選手起用次第で、上位争いに絡んでも全くおかしくないチームである。山口戦(H)の結果を受けて解任を主張する人が一気に増えたが解任のタイミングとしては決して早くはないだろう。
→ 2018/11/28 【賛否両論あり】 エスナイデル監督(ジェフ千葉)の続投も悪くないと思う5つの理由
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