■ 17才の久保建英FC東京は昨シーズンは34試合で39得点のみ。34試合で34失点のみという守備陣はJ1屈指だったが得点力不足に苦しんだ。攻撃力アップが分かりやすい課題と言えたが17才のMF久保建が開幕から2試合連続でスタメン起用されており、1節の川崎F戦(A)も、2節の湘南戦(A)も大きな存在感を発揮した。自身のゴールやアシストは記録されていないが高校2年生ながら攻撃の中心の1人としてチームを引っ張っている。
MF大森に代わってSHの定位置を確保しつつあるが、強さと速さを持ったFWディエゴ・オリヴェイラ、J1屈指のスピードを持つFW永井謙、テクニックや創造性はすでにJ1でも有数のMF久保建、ハードワークの出来るMF東慶悟の4人で構成されるFC東京の攻撃陣はなかなか魅力的である。後方からボランチのMF高萩がゲームをコントロールすることになるが2節の湘南戦(A)では多彩な攻撃から3ゴールをマークした。
注目が集まるMF久保建は今年の6月4日に18才になる。欧州のクラブへの移籍が可能となる年齢になるが昨シーズンと比べると力強さが増しており、身体的なパワーが感じられるようになってきた。キレ味鋭いドリブルや相手の意表を突くスルーパスは健在。左足のキックの精度も高い。「天才サッカー少年」と言われた選手は日本では伸び悩むことが多かったが「ここまではまずまず順調に成長している。」と言える。
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■ MFジョアン・シミッチが加わった名古屋グランパスオフにDF千葉やMF米本やDF吉田豊などを獲得した名古屋は開幕前から「躍進候補の1つ」に挙げられていたが開幕戦はアウェーで鳥栖と対戦して4対0で大勝。好スタートを切った。点差ほど名古屋が相手を圧倒した試合ではなかったが途中出場したMF和泉やMF相馬やMF杉森が揃って活躍。最高のスタートを切った。2018年のJ1の得点王のFWジョーはいきなり2ゴールの活躍。今シーズンも頼りになる選手である。
MFエドゥアルド・ネットが怪我をしたのでその点は不安要素に挙げられていたが2月6日(水)に加入が発表されたブラジル人のMFジョアン・シミッチが大きな存在感を発揮している。左利きのボランチはとにかくパスの精度が高くて効果的なパスをどんどん前の選手に供給することができる。サイズのある大型ボランチなのでMFエドゥアルド・ネットとの共通点は多いがMFジョアン・シミッチの方がもっと攻撃的である。
MFジョアン・シミッチの加入の恩恵を受けるのはFWジョーとFWガブリエル・シャビエルの2人である。昨シーズンの悪い時期は2人にかかる負担が非常に大きくて「この2人を止めることが出来れば大丈夫」という時期もあったが対戦相手はMFジョアン・シミッチのところをまず封じないといけなくなった。昨シーズンも名古屋は攻撃的なサッカーでJ1を盛り上げたが今シーズンの名古屋はさらにパワーアップしている。
■ 相変わらずの湘南スタイルMFイニエスタを筆頭に昨今のJリーグはスペイン出身の選手や監督が一気に増えた。スペイン流のサッカーを取り入れているチームが増えている。リージョ監督の神戸、リカルド・ロドリゲス監督の徳島の2チームが典型例に挙げられる。「ポジショナルプレー」と言われるサッカーは急速にJリーグの主流のスタイルになりつつあるが曹貴裁監督率いる湘南は変わらず走力を全面に押し出したサッカーを展開する。
2012年に湘南の監督に就任したので早くも就任8年目。スタイルは完全に定まっている。ハリルホジッチ監督が代表チームの監督だった時期は「縦に速いサッカー」を展開するチームが多かったはJリーグ全体の傾向は変わってきた。ボールを保持して攻め込もうとするチームが、再び、増えてきたことは、運動量をベースに戦う湘南にとっては悪くない話である。人数をかけた高速カウンターは魅力いっぱいである。
宮本監督になって2年目のG大阪は開幕戦はホームで横浜FMに2対3で敗れた。「1点差の敗戦」だったが内容的には完敗。横浜FMに圧倒されてしまったが2節の清水戦(A)は4対2で勝利。今シーズン初勝利を挙げた。開幕戦で横浜FMに完敗したので先行きが不安視されたが冷静に考えると「開幕戦は横浜FMの出来が良すぎただけ。」と言える。2節の清水戦は先制されながらも連続で4ゴールを奪った。
韓国代表の守備の要であるDFキム・ヨングォンが加入した以外の基本的なメンバーは昨シーズンの後半戦と変わらない。9連勝したときの主力がそのまま今シーズンもG大阪の中核を担うことになる。長谷川監督が指揮していた頃のG大阪は守備を重視したサッカーを展開することが多かったが昨シーズンの途中に宮本監督が就任してからは伝統的なG大阪のパスサッカーで相手を蹴散らす試合が増えている。
まとめると2節を終えた時点では横浜FM・大分・FC東京・名古屋・湘南・G大阪などが面白いサッカーを展開しているが、当然、タレントが豊富な川崎Fや神戸や札幌あたりも新戦力がチームにフィットして来たら面白いサッカーを展開してJ1を盛り上げるだろう。MFイニエスタやFWダビド・ビジャやFWフェルナンド・トーレスなど世界的なスターの加入でJリーグは盛り上がっているが攻撃志向のチームが増えてきた。
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