■ J1第6節開幕2連勝のあと名古屋・G大阪・大宮に連敗し3連敗中の大分トリニータが、ホームの九石ドームで川崎フロンターレと対戦。
ホームの大分は、<3-5-2>。GK西川。DF深谷・森重・上本。MFホベルト・エジミウソン・小林亮・鈴木慎・金崎。ウェズレイと高松の2トップ。
対するの川崎Fは<3-5-2>で、GK川島。DF井川・寺田・伊藤。MF菊地・谷口・中村憲・森・山岸。FWジュニーニョと鄭大世。新人のMF菊地を1ボランチ気味で起用し、その少し前のポジションにMF中村憲と谷口を並べる。
■ 守り切ったトリニータ試合は前半15分に大分のDF深谷が2枚目のイエローカードで早々にピッチを去る苦しい展開となる。その後の大分はMFホベルトを最終ラインに下げて、さらにトップ下のMF金崎をボランチに近いポジションに変更せざる得なくなった。
数的不利となった大分は、MF中村憲を中心にした川崎Fの分厚い攻撃の前に何度か決定機を作られるが、GK西川の好セーブもあって、結局、無失点に抑えた。川崎Fは後半からMF菊地に代えてMF大橋を投入し本来の形に戻したが得点を奪うことはできず、何とも不完全燃焼のスコアレスドローとなった。
■ 谷口の活かし方川崎Fは182cmの大型ボランチで北京五輪代表候補にも選ばれたMF菊地光将が先発出場。空中戦の強さを武器に中盤の底で奮闘した。相手に退場者が出たこともあって、この試合は前半のみの出場となったが、悪くはなかった。
川崎FのダブルボランチというとMF中村憲とMF谷口のコンビが不動となっているが、最近のMF谷口はMF中村憲の攻撃力を生かすために、通常は攻撃参加を自重せざるえない状況である。06年にリーグ戦でMF谷口が13ゴールをマークした時は、怖いもの知らずだったいう面と偶然にMF谷口の前にいいボールが転がって来るケースが多かったという理由もあったが、チーム全体でMF谷口の攻撃力を生かせるような両ウイングバックの協力もあったが、ここ最近はそういう機能性は見られない。
もちろん、MF谷口の最大の魅力は豊富な運動量と人に強いディフェンス面にあるが、それに加えてゴール前に思い切って飛び出していってクロスに飛び込むセンスも光る。よって、菊地をアンカー的なポジションに置いてMF谷口の得点力を生かすというアイディアも面白い。
■ レベルアップする鄭大世開幕直後はFWフッキ旋風に巻き込まれて思うようなプレーが出来ていなかったFW鄭大世だが、FWフッキ退団後はFWジュニーニョとの2トップを形成。この試合はノーゴールに終わったが、6試合で3ゴールという結果を残している。
得点力も光るが、何といっても前線でボールを受けて確実に味方につなぐポストプレーの上達が目立つ。体の強さにはもともと定評があったが、しっかりと得点が取れているという心理的な影響が大きいのか、余裕をもってボールを受けて確実にキープできるようになっている。
■ プラン修正したトリニータ大分は前半15分にDF深谷が退場になったが、それ以後の時間帯をしっかりと修正対応し、川崎Fの攻撃をしのいだ。むしろ、攻め込まれた立ち上がりの頃と比べると、10人になった後の時間の方がチーム全体の出来は良かった。
ただ、やはりDF深谷のプレーは軽率だった。そのすぐ前のプレーでイエローをもらっており、MF中村憲がボールを保持していたとはいってもゴールまではまだ遠かったことも考えると、不必要なプレーだった。
今シーズンの大分は自チームにとってやや不利な判定が多いということもあって、レフェリーの判定にナーバスになり過ぎているように思われる。レフェリーに対する執拗な抗議は、自チームに優位になるよりもむしろ逆に働くケースが多い。
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