■ 優勝候補同士の直接対決J1の第2節。川崎フロンターレと鹿島アントラーズという優勝候補の2チームがいきなり激突した。3月5日(火)と3月6日(水)にACLのGLの初戦を控えている関係で金曜日の開催となった。川崎Fはホーム2連戦スタートになるが開幕戦はFC東京と対戦してスコアレスドロー。後半はたくさんのチャンスを作ったが生かせなかった。鹿島はホームで昇格組の大分と対戦したが1対2で敗戦。まさかの黒星スタートとなった。
ホームの川崎Fは「4-2-3-1」。GKチョン・ソンリョン。DF馬渡、奈良、谷口彰、車屋。MF守田、大島僚、小林悠、中村憲、家長。FWレアンドロ・ダミアン。新戦力のDFマギーニョはベンチ外。広島から加入したDF馬渡が移籍後初スタメンとなった。ゼロックスの浦和戦で決勝ゴールを決めたFWレアンドロ・ダミアンはFC東京戦(H)では不発。ロンドン五輪で得点王に輝いた助っ人のJリーグ初ゴールに期待がかかる。
対するアウェイの鹿島は「4-2-2-2」。GKクォン・スンテ。DF内田篤、犬飼、町田、安西。MF永木、レオ・シルバ、土居、安部裕。FW伊藤翔、セルジーニョ。大分戦(H)で精彩を欠いたDFチョン・スンヒョンは怪我の影響もあってベンチ外。東京世代で190センチのDF町田が今シーズン初スタメンとなった。横浜FMから加入したFW伊藤翔は開幕の大分戦で同点ゴールを記録するなど早くもチームにフィットしている。
■ 熱戦は1対1のドローに終わった。試合の序盤はホームの川崎Fが主導権を握る展開になった。前半9分にゴール前の絶好の位置でFKを獲得するとMF中村憲が右足で放ったFKが直接決まって川崎Fが先制に成功する。先制した川崎Fが相手を圧倒する展開になる可能性もあったがその後は鹿島ペースになる。前半21分に右SBのDF内田篤の縦パスを受けたFW伊藤翔が見事なコントロールからシュートを決めて1対1の同点に追いついた。
さらに前半27分には左サイドでFKを獲得するとMF永木が右足で蹴ったボールを190センチのDF町田が豪快にヘディングで合わせて逆転に成功したかに思えたがオフサイドの判定でゴールは認められなかった。リズムを失った川崎Fも前半42分にMF小林悠のパスを受けた左SBのDF車屋が左足で強烈なシュートを放ったがバー直撃で勝ち越しゴールとはならなかった。1対1の同点でハーフタイムに突入する。
迎えた後半はどちらかというと川崎Fペースになった。後半1分にはMF小林悠のパスから右SBのDF馬渡が決定機を迎えたが決められず。後半15分にはMF家長のクロスからMF中村憲がヘディングシュートを放ったが枠を捉えることは出来ず。後半48分にはMF中村憲の絶妙なパスを受けた途中出場のFW知念が決定機を迎えたが決められず。優勝候補の同士の注目の大一番は痛み分けのドローに終わった。
■ 底力を発揮した鹿島アントラーズ川崎Fと鹿島の試合が近年のJリーグでは最高のカードと言える。「どう考えても開幕直後の2節で対戦するのは勿体ない。」と言える好カードだったが鹿島の頑張りが目立った。川崎Fは3連覇を目指しているがどのチームよりも川崎Fの3連覇を阻止したいのは鹿島である。前半9分にFKから失点したときは危うい雰囲気になったが前半21分に新加入のFW伊藤翔のゴールで1対1の同点に追いつくことができた。
怪我人が続出して満身創痍の状態の鹿島に対して川崎Fはベストに近い布陣である。主力の海外移籍が続く鹿島に対して川崎Fは今オフもほぼ盤石の補強が出来たので総合力では川崎Fがかなりリードしていると思うがさすがは鹿島である。アウェイで勝ち点を獲得することに成功した。重要な選手がたくさん怪我や移籍によって抜けたとしても何とかしてしまうのは「伝統の力」と表現するしかない。
開幕の大分戦(H)ではDFチョン・スンヒョンが精彩を欠いた。守備の要にならないといけない選手が致命的なミスを連発したことで最終ラインが不安視されていたが21才のDF町田がスタメンで起用されていいプレーを見せた。幻のゴールになったが190センチの高さを生かしたヘディングシュートは迫力満点だった。線の細い選手だったが逞しさを身に付けつつある。DF町田が救世主になるかもしれない。
FW伊藤翔はACLのプレーオフを含めると公式戦は3試合連続ゴールとなった。FW鈴木優が怪我のためしばらくの間はプレーできなくなった。FW土居やFWセルジーニョはフォワードの位置でもプレーできるがCF系の選手ではない。FW伊藤翔が頑張らないと大変なことになる状況になっているがチームを救う活躍を続けている。同点ゴールの場面は最初のボールコントロールが見事。ファインゴールだった。
■ 衰えを感じさせないMF中村憲剛鹿島もJ1のリーグ戦は0勝1敗1分けなので2試合を終えた時点で未勝利となるが川崎Fも2試合連続ドローとなった。まだ慌てるような段階ではないがホーム2連戦スタートで2引き分けというのは想定外の結果である。ゼロックスで猛威を奮ったFWレアンドロ・ダミアンとDFマギーニョの2人がJ1のリーグ戦では活躍出来ていない。FWレアンドロ・ダミアンはゼロックスで目立ちすぎてマークがきつくなった。
実力のある選手であることは明らかなので辛抱して使い続けるのも1つの方法になるがサブにもMF齋藤学やMF阿部浩やMF山村和やMF知念などを擁しているので入れ替えは可能である。出番を待っている実力者がたくさん控えているので鬼木監督がどういう選択をするのか?は興味深い。ミッドウイークにはACLのGLの初戦を控えているが選手層の厚いチームなので大きくメンバーを入れ替えてくるかもしれない。
川崎Fと言えども未勝利の時期が長くなるとプレッシャーがかかってくるので早く初勝利を手にしたいがMF中村憲は今シーズンもハイパフォーマンスを披露している。前半9分には直接FKでチームの今シーズン初ゴールをゲットしたが名手のGKクォン・スンテが全く動けないほどの素晴らしいコースにFKが決まった。左のポストに当たってからゴールに吸い込まれているが「ほぼ完ぺき」と言えるFKだった。
10月31日が誕生日なのでシーズン中に39才になるがまだまだ元気いっぱいである。昨今のサッカー選手の寿命は長くなっているがこの年齢的にしてほとんど試合を休むことなくプレーしてベストイレブンの常連になっているというのは物凄い話である。「MF中村憲が衰えたとき」というのは川崎Fにとって正念場になると思うが衰え知らずである。「今がキャリアのピーク」と表現しても言い過ぎではないだろう。
近年では横浜FMのDF中澤や名古屋のGK楢崎や鹿島のMF小笠原などが大ベテランと言われる年齢まで「J1トップクラスの実力」を維持したが彼らでもピークの時期は過ぎていた。全盛期と比べると力は落ちているが依然として一定以上のレベルを維持することができたのでJ1でも活躍出来たがMF中村憲は「全盛期と比べると力が落ちてきたなあ・・・。」という部分は全くない。「化け物」と言うしかない。
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