■ 開幕から2試合ゴールなし今オフのJ1は監督が続投となったチームが多かった。監督交代を実施したのはC大阪と鳥栖の2チームのみ。C大阪のロティーナ監督は2017年と2018年はJ2の東京Vを率いた経験があるのでJリーグ初挑戦となるのは鳥栖のカレーラス監督のみ。スペイン出身のカレーラス監督に対する注目度は高かったが開幕戦はホームで名古屋に0対4で大敗。2節もアウェイで神戸に0対1で敗れて2連敗スタートとなった。
鳥栖の前評判はあまり高くなかったが2試合を終えて0得点/5失点。厳しいスタートになったが内容が良くないのは気になるところである。名古屋戦は後半18分にFWジョーに先制ゴールを決められた後、ズルズルと失点を重ねて大量4失点。神戸戦(A)は僅差の勝負になったが放ったシュートはわずか4本のみ。決定機をほとんど作ることは出来なかった。早く今シーズンの初ゴールが欲しいが初ゴールは遠い。
注目のMFクエンカはまだベンチ入りも果たせておらず。FWイバルボも同様。MF小野裕やDF三丸もまだメンバーに入ることが出来ていないので計算外の出来事や想定外の出来事もいくつか発生しているが厳しいスタートになった。開幕戦は3バックを採用したが4失点。2節は4バックを採用したがほとんどチャンスシーンを作れず。メンバーはもちろんのこと、システムも、戦い方も、まだ定まっていないようだ。
カレーラス監督は現役時代はCBとしてプレーした。名門クラブのバルセロナでもプレーしている。クライフ監督の影響を受けている指導者なのでポゼッションサッカーに取り組むのでは?と思われていたが過去2試合を観る限りでは「ボールを保持して攻めようとするシーン」はほとんど無かった。孤立したFW金崎が単独で突破を試みて相手に囲まれてボールを失うシーンがここまでの試合では目立っている。
■ どういうサッカーをしたいのか?新監督を招聘した場合、結果が出始めるようになるまでに時間がかかるケースは多々ある。まだ2試合のみ。開幕から2試合勝ちなしのチームはたくさんあるが「どういうサッカーをしたいのか?」が全く見えてこないのは気になるところである。ポゼッションサッカーをしたいのに出来ていないのか?そもそもとしてポゼッションサッカーをするつもりはないのか?すら、現状でははっきりしない。全く見えてこない。
怪我人やコンディション不良の選手が少なくないので「どういう11人をベストメンバーと考えているのか?」は分からないがイレギュラーな選手起用も目立つ。右SBでプレーする機会がほとんどだったDF藤田優を開幕戦で3バックの一角で起用したのは驚きだったが、ボランチが主戦場となるMF原輝綺を右WBや右SHで起用したのも意外な選択で、神戸戦(A)でMF金崎を左SHで起用したのもやや驚きだった。
最大の驚きは17才のMF松岡大を神戸戦(A)でスタメン起用したことになる。どちらかというとボランチの選手になるがトップ下に近い位置で起用した。攻撃的なポジションの選手は1トップで起用されたFWフェルナンド・トーレス以外にもFW豊田がいて、FWチョ・ドンゴンがいて、MF島屋がいて、MF樋口がいた。神戸戦(A)でのMF松岡大の役割を考えるとMF島屋でも良かったと思うがカレーラス監督は17才を抜擢した。
MF松岡大はJ1初出場とは思えないほど落ち着いてプレーしたので「MF松岡大を先発で起用したこと」は失敗ではなかったがイレギュラーな選手が多くなっており、かつ、チームとしての結果が出ないとなると監督のことを不満に思う選手がたくさん出てくるだろう。思い切って若手を起用することや本来のポジションではない位置で起用することは決して悪くないがリスクも伴う選手起用であることは確かである。
■ 「トーレスありき」のサガン鳥栖早くも鳥栖は黄色信号が灯りつつある。もちろん、開幕から2連敗というのは決して珍しい話ではない。2試合ともノーゴールというのも普通にあり得る話ではあるが、内容面が乏しいのは辛いところである。「やろうとしていることは分かるが実行できていない。」というのであれば時間が問題を解決する可能性があるが「やろうとしていることがよく分からなくて、かつ、結果も出ていない。」というのは厳しい事態である。
早くも解任論を唱える人が出てきたが、当然、まだ2試合を終えた段階である。監督解任を決断するのは時期尚早と言えるが、今シーズンのJ1は下位候補と言われていたチームが開幕からしっかりと勝ち点を獲得しているので出遅れると大変なことになる。2016年に柏のミルトン・メンデス監督が3試合を終えた時点で「家族の健康上の問題」で辞意を表明したことがあったが選択肢の1つに入れておく必要はある。
JリーグはDAZN効果もあって大物助っ人が続々と加入してる。Jリーグは大いに盛り上がっているが鳥栖に関しては「FWフェルナンド・トーレスありき」になっているのは気になるところである。神戸ほど各ポジションにタレントを揃えていたら「MFイニエスタありき」、「FWポドルスキありき」、「FWダビド・ビジャありき」であっても何とかなると思うが、鳥栖のタレント力だと何とかならない可能性の方が高い。
FWフェルナンド・トーレスがコンスタントにゴールを奪ってくれると助かるが昨シーズンも今シーズンも期待に応える働きはできていない。典型的なフィニッシャーなので彼のところにいいボールが供給されないとゴールを量産することは難しい。8億円とも言われる莫大な額の年俸を払っているのである意味ではFWフェルナンド・トーレスと心中しないといけない状況になっているがあまり宜しくない状況である。
■ 5月・6月は強豪との対戦が続く。今後の日程を確認すると3節がFC東京戦(A)、4節が磐田戦(H)、5節が横浜FM戦(A)、6節が仙台戦(A)、7節が川崎F戦(H)、8節が松本山雅戦(A)、9節が湘南戦(H)、10節が大分戦(A)になる。ホームとは言っても川崎F戦で勝ち点を獲得するのはなかなか難しいと思うがそれ以外は前評判のあまり高くないチームとの対戦がほとんどになる。3月・4月の鳥栖の日程がそこまで大変ではないのは救いである。
前評判では拮抗しているチームとの試合が多くなるがイコールその後は前評判が高いチームや力のあるチームとの対戦が多くなることを意味する。11節がG大阪戦(H)、12節が広島戦(A)、13節が鹿島戦(H)、14節がC大阪戦(H)、15節が浦和戦(A)、16節が札幌戦(A)、17節が清水戦(H)なので5月・6月は一転してタフな日程になる。その後も18節が川崎F戦(A)、19節が広島戦(H)、20節が鹿島戦(A)となる。
最悪のパターンはどちらかというと戦いやすい相手との試合が続く3月・4月で低迷して監督交代を実施するものの、その後、強豪との対戦が続く中で新監督が結果を出せるに下位に低迷することである。今後の日程を考えるとフロントが我慢をして引っ張り過ぎるようだとドツボにはまる可能性が高まる。5節の横浜FM戦(A)あたりまで未勝利が続くようだと監督交代を決断せざる得ないと考えられる。
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