■ 6年ぶりのダービーそれぞれから一文字を取って「京阪神」と略して呼ばれる京都・大阪・神戸の関西3大都市。「大阪は食い倒れの街」、「京都は着倒れの街」、「神戸は履き倒れの街」と言われて、京阪神三都市に住む人たちの気質を表す。それぞれが歴史のある街であり、ライバル意識は小さくない。
ホームの京都サンガは<4-3-3>。GK平井。DF平島・増嶋・角田・渡邉。MFシジクレイ・アタリバ・佐藤勇。FW柳沢・徳重・田原。
アウェーの神戸は<4-4-2>。GK榎本。DF石櫃・北本・柳川・内山。MF金南一・松岡・朴・古賀。前線はボッティと栗原。FW大久保は出場停止。
■ 田原の2ゴール試合は前半4分に京都が先制。神戸のGK榎本のパスミスを拾ったFW田原が確実にゴールへ流し込んだ。さらに前半18分にもMF佐藤のパスに抜け出した柳沢がゴール前で粘ると、最後は再びFW田原が押し込んで追加点を挙げる。
なかなか攻撃の形が作れない神戸は、前半にDF鈴木、さらに後半開始からFW須藤を投入し流れを変えようと試みるも主導権は奪えず、後半32分にCKのこぼれ球をDF石櫃が決めた1点止まり。結局、序盤から試合を支配した京都が2連勝を飾り5位に浮上した。
■ 固定されつつあるメンバー京都はこれでリーグ戦は3勝目。名古屋・鹿島・浦和・横浜FMに続くリーグ5位という好成績をおさめている。オフの補強で選手層が格段にアップしたこともあって激しいポジション争いが続いていて、なかなかメンバーを固定できていなかったが、ようやくここにきてメンバーが固定されつつある。
特徴的なのはシジクレイをアンカー的なポジションに置く布陣で、試合展開によってはシジクレイをDFラインに吸収して3バック的なシステムに変更となるが、彼の高さと強さが高機能のフィルターとして働いている。
■ 佐藤勇人の役割<4-3-3>が主体となる京都の中盤は3枚が基本。開幕当初は、攻撃的なセンスが光るMF中山やCBタイプの角田が起用されることが多かったが、最近は新外国人MFアタリバがスタメンで起用されている。
MFアタリバの持ち味は対人プレーの強さで、テクニックはそれほどでもないが、守備的な中盤の選手としてはかなりレベルの高い選手である。MFアタリバ、MFシジクレイ、MF佐藤という中盤は守備面を考えると鉄壁に近い。
ただ一方で、攻撃に変化をつけるという意味ではやや不安な組み合わせで、攻撃が単調になる可能性もある。となると、重要になるのがMF佐藤の働きである。千葉から移籍してきたMF佐藤は開幕からがっちりとポジションをつかんでいるが、まだ本来の攻撃的な特徴は見せられておらず、ゴール前に侵入してシュートを放つケースも多くはない。
同じ中盤を組むMFシジクレイとMFアタリバは守備面で信頼できる選手なので、コンビネーションが熟成されていけば、もっとMF佐藤が攻撃に絡むことが出来るだろう。彼がどの程度のゴール数を決められるかは、京都が上位に食い込むことが出来るかどうかを占うバロメーターとなる。
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