■ J2の開幕戦2019年のJ2がいよいよ開幕した。2018年のJ3で2位となって「悲願のJ2昇格」を達成した鹿児島ユナイテッドはホームの白波スタジアムで徳島ヴォルティスと対戦した。チームをJ2昇格に導いた三浦泰年監督が退任して金鍾成監督が就任した鹿児島にとってはJ2でのデビュー戦となる。J2の開幕節は11試合全てが2月24日(日)に開催されたがこの試合のみ13時キックオフ。J2のオープニングゲームとなった。
ホームの鹿児島は「4-1-4-1」。GKアン・ジュンス。DF田中奏、ウィリアン、堤、砂森。MF中原秀、酒本、中原優、野嶽惇、藤澤。FW韓勇太。新加入のDFウィリアン、DF堤、DF砂森、MF酒本、FW韓勇太がスタメンで起用された。中原兄弟は揃ってスタメン出場。1トップで起用されたのは北朝鮮の年代別代表に招集された経験のあるFW韓勇太。C大阪から加入したMF酒本はインサイドハーフで起用された。
対するアウェイの徳島は「4-1-2-3」。GK永井堅。DF田向、ヨルディ・バイス、内田航、内田裕。MF岩尾、鈴木徳、狩野。FW杉本竜、清武功、表原。期待の大卒ルーキーのMF鈴木徳はいきなりスタメンで起用された。こちらもGK永井堅、DF田向、DFヨルディ・バイス、MF鈴木徳、FW清武功と5人もの新戦力が開幕戦からスタメンで起用された。同じく新戦力のMF野村直やFW岸本はベンチスタートになった。
→ 2019/02/15 【J2】 2019年の開幕前の補強診断ならびに戦力分析 (徳島ヴォルティス)
→ 2019/02/20 【J2】 2019年の開幕前の補強診断ならびに戦力分析 (鹿児島ユナイテッド)
■ 後半だけで7ゴールが生まれた乱戦試合の前半は静かな展開になった。ともに前半はあまりチャンスシーンを作れなかったが後半に試合は大きく動いた。後半6分にMF中原秀のロングパスから抜け出したFW韓勇太が無人のゴールに流し込んでホームの鹿児島が先制に成功する。大卒ルーキーのFW韓勇太は嬉しいJリーグ初ゴールとなった。さらに後半19分にはゴール前に上がっていたボランチのMF中原秀が押し込んで貴重な追加点を奪った。
2点を追う徳島は後半33分にCBのDFヨルディ・バイスのロングシュートが決まって1点差に迫ると直後の後半35分にはMF狩野のCKから途中出場したFW岸本がダイビングヘッドを決めて2対2の同点に追いついた。東京世代のFW岸本は徳島でのデビュー戦でゴールを奪った。追いつかれた鹿児島だったが後半38分に左SHで起用されたMF藤澤が得意のエリアからミドルシュートを決めて勝ち越しに成功する。
しかし、直後の後半40分に途中出場したFW押谷のパスを受けたFW清武功が決めて徳島が3対3の同点に追いついた。目まぐるしい展開になったが後半45分に左SBのDF砂森のクロスからまたしてもボランチのMF中原秀が決めて鹿児島が土壇場で勝ち越しに成功する。4対3で競り勝った鹿児島が記念すべきJ2初勝利を飾った。2度追いついた徳島だったがアウェイで勝ち点を獲得することは出来なかった。
■ 2ゴール1アシストを記録した中原秀人前半は0対0で折り返したが後半だけで7ゴール。鹿児島のホームの白波スタジアムには7,483人もの観衆が集まったがエキサイティングな試合になった。鹿児島のホーム戦に限定すると過去最多の入場者数を記録したのは2018年のJ3の33節の沼津戦。J2昇格を決めた試合になるが過去2番目は2018年の1節の鳥取戦の5,823人。本日、クラブ史上2番目の動員数を記録したが大観衆の前で初勝利を手にした。
FC琉球をJ2昇格に導いた金鍾成監督が就任して攻撃的なサッカーを志向することは十分に予想できたがアグレッシブなサッカーを見せた。FC琉球時代と比べると細かいパスを繋ぐシーンは少なかったが前に出ていくパワーは昨シーズンの鹿児島にはあまりなかった点である。2対0とリードを奪いながら逃げ切ることが出来ずに2度も追いつかれたのは反省材料と言えるが好スタートを切ったと言える。
ヒーローは何と言ってもボランチのMF中原秀になる。「4-1-4-1」のアンカーの位置というのは、文字通り、チームの心臓になるが2ゴール1アシスト。アンカーの位置になると守備のことが気になって簡単にゴール前に出ていくことはできないが嗅覚を発揮して2ゴールをゲット。輝きを放った。弟のMF中原優、C大阪から加入したベテランのMF酒本と中盤を構成したが、試合を重ねていくごとに成熟されていくだろう。
先制ゴールを決めたFW韓勇太の頑張りも目立った。「軸になるフォワードがいない。」という点が今シーズンの鹿児島の弱点だったが大卒ルーキーがいきなりスタメンで起用されて先制ゴールをゲット。チームに勢いをもたらした。182センチとサイズに恵まれているが、北朝鮮国籍の選手特有の体の強さを持った選手である。松本山雅からの期限付き移籍になるが彼がフォワードの争いで一歩リードした。
■ 大卒ルーキーのMF鈴木徳はスタメンデビュー徳島はアウェイといっても昇格組の鹿児島を相手に4失点での敗戦。まさかのスタートになった。0対2から同点に追いついた点、2対3になった後に同点ゴールを奪った点など粘り強く戦って2度も試合を振り出しに戻したところは高く評価できるが後半はあっさりと失点を重ねた。1失点目の場面のGK永井堅の飛び出しの判断はまずかった。微妙なボールだったので簡単なプレーではなかったが大きなミスになった。
4失点というのはショックが大きいが新戦力のFW清武功とFW岸本がゴールをゲット。DFヨルディ・バイスもゴールを奪ったので期待されている新加入選手が存在感を発揮したのは収穫と言える。FW清武功は前半は3トップの中央でプレーして、FW押谷やMF野村直やFW岸本が投入されてからは下がり目の位置でプレーするようになったが味方を使える選手なので中盤の方が持ち味を発揮しやすい選手である。
大卒ルーキーのMF鈴木徳はIHの位置でスタメン出場を飾った。MF岩尾と接触して流血するアクシデントが発生したが後半途中までプレーしてまずまずのデビューを飾った。この日は「4-1-2-3」を採用したのでインサイドハーフでプレーしたがリカルド・ロドリゲス監督はいろいろなシステムを採用する監督なので対応力が求められる。「96ジャパン」でも活躍した経験のある選手なので大きな貢献ができるはずである。
→ 2013/10/30 スペシャルなチームだった「96ジャパン」
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