鹿児島ユナイテッド→ J3で2位となって「悲願のJ2昇格」を果たした鹿児島はチームをJ2昇格に導いた三浦泰年監督が退任。FC琉球をJ3優勝に導いた金鍾成監督(FC琉球)を招聘したのは驚きだった。同じタイミングでJ2初昇格を果たした同期昇格チームからの監督引き抜きというのはJリーグではレアである。地理的な事情ならびに同期昇格チームなのでライバル意識はもともと強かったが遺恨が生まれる可能性が高まった。
昨シーズンまでの鹿児島はどちらかというとバランス重視のサッカーだった。2018年は32試合で46得点/35失点。相手を圧倒する試合は少なかった。堅実な試合運びを見せて地道に勝ち点を積み上げるサッカーだったが攻撃的で知られる金鍾成監督が就任してスタイルは一変するだろう。ショートパス主体の攻撃的なサッカーを志向する金鍾成監督なので「攻撃的で面白いサッカー」を展開する可能性は高い。
オフの補強は成功したと言える。主力の流出がほぼなかったのは評価できる。その上でMF枝本(FC琉球)、FW米澤(C大阪)、DF砂森(沼津)、DF堤(福岡)、DF酒本(C大阪)などを獲得。戦力アップに成功した。期待が集まるのはJ3で実績を積み上げてついにJ2でプレーするチャンスを得たMF枝本になる。群馬時代の2013年はJ2の選手として登録されているが出場機会はなかった。鹿児島でJ2デビューを果たすことになる。
コンビネーションサッカーなので「金鍾成監督のサッカーがキャンプ期間中にどこまで浸透するのか?」がポイントになるがFC琉球時代の教え子であるMF枝本とDF藤澤の2人がキーになるだろう。「4-1-2-3」を採用すると思われるがMF枝本はインサイドハーフ、DF藤澤は左SBで起用される可能性が高い。ただ、DF砂森を獲得していることを考えるとDF藤澤を本来のポジションである中盤で起用する可能性もある。