■ 2007年以来のJ1復帰を目指す横浜FCMFレアンドロ・ドミンゲスとFWイバを中心に3位で昇格プレーオフに進みながらホームのニッパツ三ツ沢球技場で東京Vに0対1で敗れた横浜FCは2007年以来のJ1復帰を逃した。東京Vに勝利したとしても参入決定戦で磐田にアウェイで勝たないとJ1に昇格することは出来なかったので「J1復帰への道のり」は決して簡単なものではなかったが「J2に降格してから最もJ1復帰に近づいたシーズン」だったことは間違いない。
J2で大きな存在感を発揮した選手が少なくなかったので「主力の大量流出」も考えられたがFWイバ、MFレアンドロ・ドミンゲス、MF北爪、DFヨン・ア・ピン、MF佐藤謙など核となる選手は全て残留。唯一、MF野村直(→徳島)が流出したが実績のあるMF松浦(磐田)を獲得できたので穴は埋まったと言える。タヴァレス監督になって3年目のシーズンになるが、当然のことながら、「J1昇格候補の1つ」に挙げられている。
前評判は高いが開幕直前の2月18日(月)になって元日本代表のDF伊野波(神戸)を獲得した。国際Aマッチは20試合で1ゴールを記録。ザックJAPANのときは不動のメンバーだったブラジルW杯戦士の補強に成功したが「守備的なポジションがやや手薄」だった横浜FCにとって大きな戦力になる可能性がある。昨シーズンの終盤にリージョ監督になってからは神戸でもスタメンの機会が多くなったがなかなかのプレーを見せた。
■ ハイリスク・ハイリターンな補強今さら言うまでもないが「日本人の中では屈指のオールラウンダー」である。出始めの頃はボランチだったがキャリアの途中からはCBでプレーする機会が多くなっている。ザックJAPANのときは「CBの4番手」という立ち位置だったがスピードを生かした守備が特徴だった。また、右SBや左SBでもプレー可能。2011年のアジア杯の準々決勝のカタール戦では右SBとして出場。決勝ゴールを記録してヒーローになった。
昨シーズンの横浜FCは「3-1-4-1-1」を採用するケースが多かったがDF田所が長期離脱中。当面、DF伊野波は左ストッパーがメインになると思うが神戸時代の末期と同じでアンカーでの起用もあり得る。また、経験値が豊富なのでクローザー役として期待することもできるし、ロングボールを多用する相手との試合のときはWBの位置で起用するのも悪くない。多彩な能力を持った選手なので様々な起用法が考えられる。
J1昇格を目指す横浜FCにとって「ラストピース」になる可能性もあるが「ハイリスク・ハイリターンな補強」であることは間違いない。投資トラブルによってDF伊野波ならびに投資家のX氏は「元Jリーガーからは2,750万円、一般男性からは9,350円の支払いを求めた訴訟」を起こされている。口頭弁論は2018年の年末から始まっていると報じられており、総額は1億2,100万円になる巨額訴訟と言われている。
■ 「全くいい選択ではなかった。」と思う。サッカー界ではかなり珍しい泥沼劇と言えるが「全面的にDF伊野波が悪くて、元Jリーガーや一般男性は完全な被害者なのか?」というとNOだろう。「梶山氏と一般男性はX氏が運用する投資をDF伊野波から勧められて全額を消失した。」と報じられているが報道されているものがおおむね事実であると仮定すれば「あり得なさすぎる話に乗ってしまった元Jリーガーや一般男性にも責任はある。」と言える。
世の中に溢れている投資話は意外と「ローリスク・ローリターンな話」が多いが、目立つのは「ハイリスク・ハイリターンな話」である。「元Jリーガーや一般男性がDF伊野波とX氏に全額の支払いを求めるのは適切なのか?」と思うが、投資関係のトラブルは仮に原告側であったとしても印象は良くない。「バカな話に乗ってしまった。」と軽蔑されるが、今回のDF伊野波は被告側になる。印象は極めて悪い。
近年、Jリーグに限らず、日本のスポーツ界はあらゆる面で過敏である。ちょっとしたことが大きな騒動に発展することが珍しくない世の中になったので「訳アリ物件」に手を出すチームは少なくなった。DF伊野波の契約満了が神戸から正式に発表されたのは1月17日(木)の出来事だったが、正直なところ、「次の移籍先を見つけるのは難しいだろう。」と思っていた。なので、横浜FCを手を上げたのは驚きだった。
いろいろなポジションでプレーできる選手で経験値も豊富。守備的なポジションの層がやや薄かった横浜FCにとって戦力的に美味しい選手であることは明らかであるが、その都度、「横浜FCのDF伊野波」と報道されることを考えると手を出さない方が個人的には良かったと思う。DF伊野波がJ2で年間MVP級 or ベストイレブン級の働きをしてチームをJ1に引き上げて初めてプラスとマイナスが釣り合う話のように思う。
ということで、今回の横浜FCのDF伊野波の獲得は「全くいい選択ではなかった。」と思うが、この件で一番驚いたのは被告側が「月利7%の配当をする。」と話を持ちかけたと報じられている部分である。「年利7%」でも今の時点ではありえないが、「月利7%になると騙される方も相当に問題だろう」と思わざるえない。月利7%は年利に換算すると125.2%。100万円を預けたら1年後には225.2万円になる。
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