■ 5度目のアジア制覇を逃す。5度目のアジア制覇まであと1つに迫った日本代表だったが決勝戦で快進撃を続けてきたカタールに1対3で敗れて2大会ぶりの優勝を逃した。もともとボランチ陣が手薄だったがイラン戦でMF遠藤航が怪我をしてプレー不可。CBが本職となるMF塩谷をボランチの位置で起用したがGLの3戦目のウズベキスタン戦と比べると低調だった。すでにMF青山敏も離脱しているので「ボランチ陣の怪我人の多さ」に苦しんだ。
6試合で16得点/0失点と圧倒的な成績を残してきたカタールは強力なチームだったが日本にとっては1失点目が悔やまれる。カタールはカウンターを得意としているので「先にリードを許す展開」になると日本は苦しくなる。1失点目の直後に危ないシーンを作られたがリズムをつかめないまま前半27分にミドルシュートを決められて失点。0対2のスコアになると挽回するのは相当に難しくなる。難しい試合になった。
後半24分にMF南野のゴールで1点差に迫ったときは「いける!」という雰囲気になったが後半38分にPKで失点して万事休す。1点差のままで終盤を迎えることが出来たらカタールにプレッシャーがかかったと思うが痛恨の3失点目を喫したことで敗色濃厚となった。DF吉田のプレーがハンドを取られてしまったがリプレーを見る限りでは「PKを取られても仕方がない。」と言える攻防があった。妥当な判定だったと言える。
■ キーパーの責任ではない2失点目と3失点目アジア制覇まであと少しだったので残念な敗戦と言えるがMF中島翔(ポルティモンセ)が欠場。MF守田(川崎F)も不在。FW小林悠(川崎F)やFW鈴木優(鹿島)やMF三竿健(鹿島)なども怪我のため招集できず。大会期間中にはボランチのMF青山敏(広島)も失ったことを考えると「準優勝」というのは一定の評価は出来る。エースのFW大迫が怪我をしてプレーできない試合が続いたことを加味すると健闘したと言える。
20才のDF冨安が台頭するなど7試合を戦ってある程度のベースが固まった。森保JAPANにとっては収穫の多い大会になったが残念なのは正キーパーを務めたGK権田に対する理不尽な批判が渦巻いている点である。GK東口(G大阪)が怪我をしてプレーできない時期が続いたこともあって今大会はGK権田がゴールマウスを守ったがカタールとの決勝戦では3失点。そのことを問題視する人が少なくないようだ。
ただ、3失点目はPKである。PKの成功率は80%ほど。「決まるのが普通」と言える確率である。PK戦に突入して5人連続で止めることが出来なかったケースであれば「PKを止められなかった点」を批判する声が出てきても不思議はないが、「(試合中の)PKを止められなかったこと」を批判するのはあまりにもクレージーである。PK献上に関してGK権田に非は全くないことを加味するとクレージーな批判である。
「2失点目のミドルシュートを止められなかったこと」を批判する人も多いが「シュートが良かった。」と相手を称えるべき場面である。威力もコースもほぼ完璧なシュートだった。GK権田が後ろからどういう指示を出していたのか?は分からないがキーパーの責任ではなくてほぼ全員に責任がある。GK権田はもちろんのこと、「誰か1人だけが悪い。」というプレーでは全くなかったのは誰がどう考えても明らかである。
■ 議論の余地がある1失点目の対応1失点目のオーバーヘッドでの失点は2失点目や3失点目と比べると議論の余地はある。「距離のあるところから放たれたオーバーヘッドだったこと」、「体勢を考えるとオーバーヘッドでシュートを狙うことは考えられるシチュエーションだったこと」、「威力のあるシュートではなかったこと」を加味すると『GK権田であれば止めることが出来た可能性はあった。』とも言えるが簡単なシチュエーションではなかった。
FWアリのプレーはシュート自体が相当に良かった。まず、決勝という大舞台であれだけのシュートを放つことが出来た点を称えないといけないだろう。結局、3失点を喫したが、GK権田のミスや能力不足が原因での失点は「ゼロ」。オマーン戦、ベトナム戦、イラン戦はフィードの部分でのミスはありながらも3試合連続で無失点だったことも加味すると「GK権田を批判するのはあまりにもクレージー」というしかない。
ロシアW杯のときはGK川島のプレーに批判の声が集中した。W杯でのGK川島は2つほど失点に直結する大きなミスがあったので「批判を浴びるのは仕方がない。」と本人も感じていると思うが今回のアジア杯でのGK権田への批判は理不尽なものだと個人的には考える。先のとおり、フィードの部分で致命的なピンチを招く場面が3度ほどあったのは印象が良くないが、全てを完ぺきにこなすのはほぼ無理な話である。
■ 本当にキーパーの責任なのか?20年以上前から「フォワードやセンターバックやキーパーは日本サッカー界の弱点」と言われ続けているが、得点や失点に直結するポジションであるが故に過剰に低評価されてきたことが「日本サッカー界の弱点」であり続けている大きな要因なのではないか?と個人的には考える。本当にフォワードの責任なのか?本当にセンターバックの責任なのか?本当にキーパーの責任なのか?と思えるケースは多い。
大会期間中の過剰なほどのFW北川航(清水)への批判にも同じことを感じたが「日本代表が勝てなかった原因」や「いい試合を見せることが出来なかった原因」を押し付ける対象を常に探していて、ほぼ思考停止で結果や内容が芳しくなかったときに「○○○○のせい」、「××××の責任」と率先して批判し始める人たちは日本サッカー界にとっても日本代表にとっても「百害あって一利なしの存在」である。
もちろん、今大会のGK権田は鳥栖でプレーしていた時と比べると今一つだった。初戦でロングシュートを決められたことがマイナスに作用したのか、自信がなさそうにプレーしているように見えた。本来のプレーを存分に披露できたとは全く言えないが、あまりにも安易にGK権田修一を批判する人が多すぎる。権田であれ、他のキーパーであれ、キーパーがきちんと評価される状況にならないといいキーパーも出てこない。
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