■ EXPO'70ガンバ大阪のホームスタジアムである万博記念競技場は、1970年の日本万国博覧会の開催終了後、記念公園として整備された万博記念公園に1972年にオープンした歴史のあるスタジアムである。
1970年に行われた日本万国博覧会は、183日間の会期(1970年3月14日 - 9月13日)で行われた日本最初の国際博覧会で、大阪万博やEXPO'70とも呼ばれる。岡本太郎作の「太陽の塔」、アポロ12号が持ち帰ったとされる「月の石」、パピリオンでは「三菱未来館」が人気を集めた。
Wikipediaによると、大阪万博を機に世に普及したものとして、
・動く歩道
・ワイヤレスフォン(現在の携帯電話)
・ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)
・モノレール(アルウェーグ式を改良した日本跨座式が会場内にて初めて運用された)
・缶コーヒー(UCC上島珈琲)
・ファーストフードやファーストフードチェーン
・ファミリーレストラン
が挙げられるらしい。
ただ、残念ながら、この文を読んで、「懐かしいな・・・。」と思われた方は、それ相応にお年を召された方ではないかと思われる。大阪万博からはすでに38年という時間が経過している。




■ 今シーズン初勝利を目指すさて、ホームのガンバ大阪は、開幕戦のジェフ千葉戦がスコアレスドロー。第2節のジュビロ磐田戦は0対3で敗北。したがって、リーグ戦では、まだゴールが無い。しかしながら、サッカーダイジェストのデータを見ると、2試合で作った決定機はリーグ最多の18回。チャンスは作っているものの決め切れないのが苦戦の要因である。
GK藤ヶ谷。DF橋本・山口・中澤聡・安田。MF明神・遠藤・二川・ルーカス。FWバレー・播戸の2トップ。DF水本はスタメン落ち。それ以外でも、MF寺田、FW山崎、DF福元とベンチにもタレントがそろう。
一方の東京Vは、<4-4-2>。GK土肥。DF和田・那須・土屋・服部。MF福西・富澤・広山・レアンドロ・ディエゴ。1トップで194cmの船越。左サイドMFにレアンドロを起用する新布陣である。
■ 初勝利を飾ったのは・・・試合はG大阪がボールをキープし、東京Vが逆襲する予想通りの展開。
前半13分に右サイドからDF橋本のクロスをFW播戸がジャンピングボレーで決めて先制する。しかしながら、前半28分に東京VがFW船越のゴールで同点に追いつく。前半は1対1で終了。
後半も、G大阪がボールを支配しシュートを放つ展開となるが、東京VのGK土肥の好セーブもあってゴールを奪えない。ホームでどうしても勝利の欲しいG大阪は心理的にも重圧のかかる展開となったが、後半31分にMFルーカスが混戦の中から決めて勝ち越しに成功。
結局、2対1でG大阪が勝利し、今シーズン初勝利。一方の東京Vは1分2敗となった。


■ ようやく初勝利G大阪はようやく、リーグ戦初勝利。ACLの第2節の全南戦の後半の出来から浮上のきざしは見え始めていたが、FW播戸とMFルーカスが決定機に確実にネットを揺らして、2点を奪った。エースFWバレーにゴールが無いのは不安材料だが、とりあえず勝ち点3を獲得し、今後の戦いに腰を据えて臨めるだろう。
まだ、完全にチームとして機能しているわけではないが、難敵である東京Vに対して、シュート数もキープ力も圧倒できたことは、チームの底力を示している。
■ 遠藤ヤットの存在①この試合で、もっとも光ったのはボランチのMF遠藤保仁。今シーズンはDF加地が開幕から戦線を離脱しており、MF橋本が右サイドバックに下がって、MF遠藤が攻撃的MFではなく、ボランチでプレーすることが増えているおり、この日も明神とともにボランチに入ったが、よく動いて、フィールド上の誰よりも多くボールを触ってリズムを作った。
もともとフリューゲルス時代からボランチが本職で、本人もボランチ希望の意向が強いが、2年ほど前から、G大阪でも日本代表でも、もっと前の位置でプレーするようになっている。現代サッカーでは、中盤の構成は流動的なのでポジションはあって無いものとも言えるが、やはり西野監督もオシム監督も、遠藤を前目で起用することで、より相手のゴール近くで時間とタメを作って、相手に圧力を加えたいという意図なのだろう。
突破力があるわけではなく、フィジカルも強いわけではないので、攻撃的MFとしてプレーすることは簡単ではなかったと思うが、その分、的確に動いてボールを受けて簡単に散らすプレーを覚えたことで、ミッドフィールダーとして、一回り大きくなったといえる。
■ 遠藤ヤットの存在②G大阪でも当初はMF稲本潤一の代役という立場であって、ジーコジャパンの時も本大会で出場機会が無いなど、ずっと黄金世代の中では主役という立場ではなかったが、プロ入りして10年が経過し、あの頃、先を走っていた選手たちを追い抜いて、いつの間にか代表でも中心選手となっていった。これは、かなりの驚きである。
秩序も何も無かったアウェーのバーレーン戦においても、彼が後半途中にピッチに入ったことで、チームはオシム時代のオートマティズムを少しだけ取り戻したかのような兆しを見せていたことも、まったく偶然ではない。
■ ディエゴ頼み一方の東京Vは、川崎F、鹿島、G大阪と強豪との対戦が続いているとはいえ、3試合を終えて勝利が無い。試合内容自体は悪くはないが、どうしても得点力不足のため、守備に負担がかかり過ぎていて安定した試合が出来ない。
個の状況を打開するために期待したいのは、やはりMFディエゴ。FWフッキがいなくなったことがプラスに働いたのかチームの中心的存在になっており、明らかに昨シーズンよりもコンディションが良好で、柏時代のキレを取り戻しつつある。重戦車のようなドリブルと意外性のあるパスは、東京Vの攻撃には不可欠である。



■ レアンドロの使い方改善すべきは、FWレアンドロの使い方である。この試合は1トップに長身FW船越を起用し、レアンドロは中盤の左サイドでプレーした。もともと純粋なストライカーというタイプではないので、中盤で起用するというのは十分に考えられる選択肢であったが、リーグ戦では初めてのサイド起用ということもあって、なかなか思い通りに機能しなかった。
確かにボールを持った時は簡単には奪われないので信頼を置けるが、中央に切り込んでシュートを狙ったり、味方とのコンビで相手DFを切り崩すような動きはなく、やや孤立した。

■ 万博の限界瑞穂にしても、西京極にしても、ヤマハにしても、日本平にしても、等々力にしても、Jリーグの創設以前から存在するスタジアムは、随分と歴史を積み重ねてきて趣きも出てきているが、一方で、金属疲労の面も強い。万博競技場も同様で、完成から36年が経過し、最新のスタジアムと比べると大きく見劣りするのは否めない。
特に、万博競技場はキャパの限界が20000人程度であるのに対して、昨シーズンの平均観客数が約17500人であって、もうほとんど余裕が無い。今後、G大阪というチームがJリーグを飛び越えてアジアに飛び出していくとき、足枷になりかねない。

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