■ 最終戦の相手はスペインU-16インターナショナルドリームカップ2018の3戦目。初戦はパラグアイ、2戦目はセネガルに敗れて2連敗となったU-16日本代表は最終戦でスペインと対戦した。スペインは初戦はセネガルに90分で勝利、2戦目はパラグアイを相手にPK戦の末に勝利。(PK負けでも勝ち点「1」を獲得できるので)この試合がPK戦に突入した時点でスペインの優勝が確定する。日本はすでに最下位の4位になることが確定している。
日本は「4-2-2-2」。GK佐々木(柏U-18)。DF鈴木海(磐田U-18)、DF半田(山形ユース)、DF佐古(東京Vユース)、DF中野伸(鳥栖U-15)。MF山内翔(神戸U-18)、MF横川(湘南U-18)、MF成岡輝(清水ユース)、MF樺山(興国高)。FW青木友(FC東京U-18)、FW唐山(G大阪ユース)。MF成岡輝とMF横川とDF鈴木海の3人は3試合連続スタメンとなった。2戦目はCBでプレーしたDF鈴木海はこの日は右SBに入った。
ベンチスタートになったのはGK山田大(鹿島ユース)、DF角(FC東京U-18)、DF岩崎(横浜FMユース)、DF大串(G大阪ユース)、MF山根陸(横浜FMJrユース)、MF中野桂(京都U-18)、FW田中禅(鳥栖U-18)の7名。MF中野桂は初のベンチスタートとなった。この7名はいずれも2戦目のセネガル戦でスタメン出場のチャンスを得たが十分なプレーは出来ず。MF三戸(JFAアカデミー福島)はケガのため参加を辞退した。
■ 1対3で敗れて3連敗に終わった。試合は前半12分にスペインが先制に成功する。見事なスルーパスを通されて日本は失点。日本は3試合連続で前半の早い段階で失点を喫することになった。さらに前半20分にはスペインの10番で大会のMVPに選出されたMFバレラに左サイドを突破されるとカバーに来たDF半田も止めきれず。個人技から痛い追加点を奪われた。初戦のパラグアイ戦と同様で前半の中盤までに2失点。苦しい展開になった。
2点を追う日本は後半開始からFW青木友とDF佐古を下げてDF角とMF中野桂を投入。2年連続の同大会出場となるDF角を右SBに入れると右サイドが活性化する。押し込みながらゴールを奪えなかったが後半39分にDF角の鋭いクロスからMF成岡輝が合わせてようやく1点を返した。3試合連続スタメンのMF成岡輝は今大会初ゴールとなった。この日は前半の途中からトップ下に近い位置でプレーした。
追いついて意地を見せたい日本だったが直後の後半42分にカウンターから追加点を奪われて万事休す。1対3で敗れた日本は3連敗に終わった。3連勝で勝ち点「8」を獲得したスペインが見事に優勝カップを手にした。2002年生まれの選手が主体となるU-16日本代表は今秋にU-17W杯の本大会の出場権がかかったU-16アジア選手権に出場するが大事な大会を約3か月後に控える中、厳しい結果に終わった。
■ 「このままだとアジア予選を勝ち抜くのは難しい。」日本は3試合で3得点/8失点。世界との差を見せつけられる大会になった。森山監督は「戦えない選手はいらない。」、「こういう中で役に立たないような技術はいらない。」とコメント。「このままだとアジア予選を勝ち抜くのは難しいことが分かった。」ともコメントしている。明るい性格で知られる森山監督はここまで厳しいコメントを残すのはかなり珍しい。強い危機感を植え付けられる厳しい大会になった。
パラグアイもセネガルもスペインも球際の強さに定評のあるチームなので「日本にとっては戦いにくい相手」との試合が続いたが局面でのバトルは3試合とも明らかに劣勢だった。MF横川やMF中野桂やDF半田など相手の激しさに対応できた選手も何人かはいるがほとんどの選手は対応しきれなかった。初代表の選手も含まれるので仕方がないところもあるが強いショックを受けた選手は多かったと想像できる。
ただ、0対2で迎えたハーフタイムに森山監督から喝を入れられた選手は後半になるとアグレッシブなプレーを見せるようになった。前半は2本しかシュートを打てなかったが後半だけで12本のシュートを放った。反発力を見せることが出来た点は1つの収穫であり、ポジティブに考えられる。後半の頭から登場したMF中野桂ならびにDF角の2人は共に右サイドに入ったが右サイドからチャンスを作る場面が非常に多かった。
■ 山形ユースの有望株のDF半田陸「臆することなく戦うことができたらスペインが相手でも十分にやれる。」ということが分かった点は日本にとって大きな成果と言えるが90分を通してそういう戦いをしないと結果につながらない。3試合とも試合の入り方が悪くて前半の早い段階で失点を喫したのは大きな反省材料と言える。U-16日本代表はボールを持って主導権を握りたいチームなので「追いかける展開」になると良さを出しにくくなる。
3連敗と結果を残すことはできなかったが、当然、「ある程度は自分の良さを出せた選手」や「高い将来性を感じさせるプレーを見せた選手」は何人かいる。今回の18名の中で「高い将来性を感じさせるプレーを見せた選手」というとMF中野桂(京都U-18)、DF半田(山形ユース)、MF山内翔(神戸U-18)の3人になる。ボランチでプレーしたMF山内翔は2002年の早生まれなので高校2年生になるがセンスのある選手である。
DF半田も同じく2002年の早生まれなので高校2年生になる。昨年の同大会にも出場しているので2年連続の出場。相当なポテンシャルを秘めた選手である。右SBとCBとボランチの3つでプレー出来るが今大会はCBオンリー。176センチなのでCBとしては小柄な選手であるが身体能力の高さが魅力。スピードがあって球際の勝負にも強い。昨今のサッカー界で需要と価値が高まっている「スピードのあるCB」である。
それもあって森山監督はCBで起用しているがサイズのことを考えると将来的には右SBで勝負するのがベターと言える。本人もそのように認識しており、「将来的には右SBで勝負したい。」とコメントしている。精度の高い右足を持っているので攻撃力も魅力となるが、やはり、「CBでもプレーできるほどの高い守備能力を持った右SB」というのは日本では貴重である。順調に成長していくことが期待される。
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