清水エスパルス → D+→ 残留争いに巻き込まれながら何とか最終節で神戸に勝利して「J1残留」を決めた清水は小林監督に代えて前広島のヤン・ヨンソン監督を招聘した。「小林監督との契約期間は残っていた。」と報じられているので思い切った決断と言える。秋以降にチームを立て直すことが出来なかった点は印象が良くないが「1年でのJ1昇格」という1つの結果を残した小林監督を斬るというのは一種のギャンブルである。
攻守両面で課題の多いシーズンになったので積極的な補強が期待されたがここまでは極めて動きが少ない。inの情報もoutの情報もほとんど聞こえてこない。「J1残留が最終節まで決まらなかったこと」ならびに「後任監督もなかなか決まらなかったこと」の2点が理由で編成の作業は難しくなっている。現時点では「J1の18クラブの中で最も遅れを取っているクラブ」と言わざる得ない状況になっている。
高校生が5人、大学生が1人。合計で6人の選手の加入が決まっているが新卒の選手を除くと加入が決まったのは元韓国代表のDFファン・ソッコ(天津泰達足球倶楽部)のみ。12月下旬になった時点で「(新卒の選手以外で)加入が決まった選手が1人だけ」というのはJ1のクラブでは珍しい。最終ラインであればどこまでもこなせる選手なので貴重な戦力になる可能性はあるが「最終ラインの軸になれる選手」は絶対に必要である。
一方、「流出の話が少ない点」は救いと言えるがCBのDF犬飼に関しては鹿島ならびに名古屋が関心を寄せている。「清水との契約期間が残っている。」という話なので鹿島ならびに名古屋が数千万円と言われる移籍金を支払ってまで本腰を入れて獲得に乗り出すのか?は微妙な気もするがDF犬飼が抜けると質も量も物足りなかったCB陣はさらに脆弱になる。補強ポイントは多いのでここからの巻き返しが期待される。
ジュビロ磐田 → C-→ 同県のライバルである清水と同様で磐田もここまでは動きが少ない。すでにFW齊藤和(→岡山)、MF上田康(→岡山)、DF中村太(→大宮)の移籍が決定。3人とも控えという立場だったので戦力的に大きなマイナスではないがMF上田康に関しては伝統のある「7番」を背負ってチームを支えた時期が長かったので寂しい移籍になる。2014年に1シーズンだけプレーしたJ2の岡山に復帰することが確定した。
一番のニュースは期限付き移籍だったMF川辺(→広島)の退団だろう。磐田で2年半プレーして大きな成長を遂げた。磐田で充実した日々を過ごしており、かつ、磐田での生活も非常に長くなっていたので「磐田が完全移籍で獲得できるのではないか?」という雰囲気になっていたが愛着のある広島への復帰を決断した。とにもかくにも「MF川辺の穴をどのようにして埋めるのか?」が今オフの最大のテーマになる。
リオ五輪代表のMF矢島慎(浦和)の獲得に興味を示したがG大阪への完全移籍が確定した。MFムサエフの相方候補としてはMF宮崎智、MF山本康、MF松本昌、MF上原力、MF伊藤洋がいるのでこのままボランチの補強が全く無かったとしても致命的な穴にはならないとは思うが、やはり、2年連続でJ1の上位を目指すためには「実績のあるボランチ」を獲得したい。どのクラスのボランチを獲得できるのか?は興味深い。
一方、加入が決まったのは新卒のFW中野誠(筑波大)のみ。天皇杯で大活躍した大学ナンバー1のストライカーの加入は心強い。長期離脱中のFW小川航、夏に獲得したMF山田大がいるので「1トップ+2シャドー」の補強は無くても大丈夫だと思われるが補強のニュースが全く聞こえてこないのでサポーターはヤキモキしているだろう。DF中村太の抜けた左SB/WBは即戦力を補強する可能性が高いと考えられる。
名古屋グランパス → C+→ 1年でのJ1復帰を決めた名古屋もここまでは活発な動きを見せていない。正式に加入が決まった選手は新卒の2人を除くと現時点ではMF長谷川アーリアジャスール(大宮)のみ。東海地区で活動するJ1の3クラブは揃っておとなしい。J1で6位と好成績を残した磐田は遮二無二に補強を行わなければいけない状況ではないが低迷した清水、プレーオフから勝ち上がってきた名古屋はある程度以上の補強が必要と思われる。
J1復帰が決まった直後に「名古屋が獲得を画策している選手」として名前が挙がったGK六反(清水)、DF米倉(G大阪)の2人の続報は流れていない。また、期限付き移籍のDF宮原の動向もはっきりしない。CBの補強が急務なので、先のとおり、DF犬飼(清水)に興味を示しているが鹿島も獲得に乗り出している。当然、ユース出身で清水への愛着の強い選手なので名古屋がゲットするのはなかなか大変である。
守備陣はJ2の中でも下位レベルだったので「頼りになるCB」を獲得しないと失点が膨らむ可能性は高いがオーストラリア代表のGKランゲラク(レバンテ)に興味を示している。アジア枠になる点は大きな魅力と言えるがドルトムントで控えの時期が非常に長かった選手である。名古屋入りが決まった場合、「欧州で出場機会に恵まれなかったキーパーがどこまでJリーグでやれるのか?」は興味深いところである。
今オフ、最大の話題は元ブラジルのFWジョー(コリンチャンス)になる。移籍金は6億円、年俸は3憶5,000万円とも言われている。報道通りの額であれば「Jリーグ史上最大の大型契約」になる。大きな注目を集めることになると思われるが個人的には「リスクの高すぎる補強」に思える。FWフォルラン(C大阪)やFWポドルスキ(神戸)と比べると動員面などプラスαの効果は期待しにくい。ギャンブル性の高い補強になる。
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