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【日本代表】「左SBのレギュラーは誰がベストなのか？」を考える。 | | |　

■　1番手は相変わらずDF長友(インテル)だが・・・。

左SBというと第2次岡田JAPANの頃からDF長友(インテル)が不動のレギュラーとして君臨してきた。ザックJAPANのときもアギーレJAPANのときも不動のレギュラーだったが、ここ2年ほどは所属のインテルで思うように出場機会を得られておらず。怪我が増えてきて日本代表の中でも絶対的な存在ではなくなってきている。現時点では「左SBの1番手」として起用されているがスタメンが確約されているわけではない。

ブンデスリーガでのプレー歴が長くなってきたDF酒井高(ハンブルガーSV)との差は徐々に縮まってきており、DF長友のコンディションや試合勘に問題があるときはDF酒井高がスタメンの左SBで起用されることも珍しくない。DF長友のサイドアタックというのは特にザックJAPANのときは大きな武器になったがスペシャルなところを見せられなくなっており、日本代表の総合力の低下の1つの理由に挙げられる。

表1はアギーレJAPAN以降のサイドバック陣の成績を示している。DF長友(インテル)とDF酒井高(ハンブルガーSV)以外ではDF太田宏(FC東京)やDF藤春(G大阪)が左SBとしてチャンスを与えられており、DF槙野(浦和)やDF米倉(G大阪)を左SBのスタメンで起用した試合もあるが、現状は1番手がDF長友(インテル)、2番手がDF酒井高(ハンブルガーSV)となっている。ともに「右SBでもプレー可能」という点も武器になる。

■　182センチの高さが魅力のDF槙野(浦和)

3番手はDF槙野(浦和)になるだろう。昨年の10月に行われたアウェイのオーストラリア戦のときは左SBでスタメン出場した。広島でも浦和でも左ストッパーでプレーする機会がほとんど。左SBとしての経験はほとんどないと思われるが無難にこなした。もともと攻撃力のある選手なので前に出て行ったときは効果的な仕事ができるし、182センチと高さがあるので平均身長が高い相手との試合では有効な選手である。

ハリルホジッチ監督は当初はDF槙野(浦和)を「CBのレギュラー候補」と考えており、DF吉田(サウサンプトン)とDF槙野(浦和)のCBコンビで試合に臨むケースが多かったがここ最近はCBではなくてSBとして計算に入れている。「CBとSBの両方をこなせる。」という点は大きなアピールポイントになる。言うまでもなくDF槙野(浦和)という選手はムードメーカーになれる選手なのでそういう意味でも代表内での価値は高い。

国内組で左SBの競争に入っていくことが出来るポテンシャルを持っているのはやはりDF太田宏(FC東京)だろう。昨オフにフィテッセからFC東京に電撃移籍したが「代表に入ってロシアW杯に出場すること。」を大きな目標に掲げてのJリーグ復帰だった。2015年のJリーグのアシスト王に輝いたDF太田宏の左足は天下一品。ハリルJAPANは左利きの選手が極めて少ないのでそういう意味でもまだチャンスはありそうだ。

■　予備登録メンバー以外の候補と言うと・・・。

その他ではDF藤春(G大阪)、DF車屋(川崎F)、DF宇賀神(浦和)、DF山中(横浜FM)、DF小川諒(FC東京)の5人が予備登録メンバー100人に選ばれている。リオ世代のDF山中(横浜FM)とDF小川諒(FC東京)の2人は攻撃力に定評のある左利きの左SB。高精度の左足を持っているが「所属クラブでレギュラーを獲得すること」が最優先。現時点ではフル代表の候補とは言えない。まだまだレベルアップが必要な段階である。

DF藤春(G大阪)とDF車屋(川崎F)とDF宇賀神(浦和)の3人に関しては左SBのレギュラーの争いに割って入ることができるだけのポテンシャルを持っている。リオ五輪の本大会にオーバーエイジで出場したDF藤春(G大阪)のスピードは脅威そのもの。ハリルホジッチ監督はスピードのある選手を好む傾向にある。DF車屋(川崎F)はCBでもプレーできるほどの万能型のサイドバック。今後、代表でテストされる可能性はある。

予備登録メンバーに選ばれていない選手の中ではDF吉田豊(鳥栖)やDF亀川(福岡)あたりが競争に割って入ることができる実力を持っている。DF吉田豊(鳥栖)の守備力の高さは日本人の左SBの中では屈指。国際Aマッチでどれくらいのプレーが出来るのか？を見てみたい選手の1人である。リオ五輪の本大会を経験したDF亀川(福岡)は高い身体能力が魅力。攻守両面でチームに貢献できるタイプの選手である。

若い選手では高卒3年目で20才のDF松原后(清水)に注目が集まっている。SBとしての経験が浅いので粗削りなところは否めないが182センチとサイズに恵まれていて、身体的な能力も非常に高い。勝気な性格で向上心が強いところも大きな武器となる。今回の2連戦で無事にW杯の出場権を獲得できたとしても本大会までは時間が少ない。代表デビューはロシアW杯の後になるかもしれないが大きな可能性を秘めている。

表1. サイドバック陣の成績 (アギーレJAPAN以降)

ポジション	名前	所属	身長	試合数	先発	時間(分)	シュート	得点	アシスト
DF	長友佑都	インテル	170	22	22	1,989	11	0	4
DF	酒井高徳	ハンブルガーSV	176	22	20	1,831	11	0	0
DF	酒井宏樹	マルセイユ	185	18	18	1,577	9	0	3
DF	槙野智章	浦和レッズ	182	10	9	830	7	1	0
DF	遠藤航	浦和レッズ	178	8	5	473	5	0	1
DF	太田宏介	FC東京	178	6	4	406	1	0	1
DF	藤春広輝	ガンバ大阪	175	3	3	270	3	0	1
DF	米倉恒貴	ガンバ大阪	176	2	2	180	2	0	1
DF	塩谷司	アル・アインFC	182	2	2	180	1	0	0
DF	内田篤人	シャルケ	176	3	2	141	0	0	0
DF	丹羽大輝	サンフレッチェ広島	181	2	1	106	0	0	0