■ 上位5チームの優勝争いになっているJ1リーグJ1は残りは12試合となったが上位5チーム(鹿島・C大阪・横浜FM・川崎F・柏)の優勝争いになっている。首位の鹿島が勝ち点「46」、2位のC大阪が勝ち点「44」、3位の横浜FMが勝ち点「43」、4位の川崎Fと5位の柏が勝ち点「42」を獲得しているが、6位の磐田は勝ち点「38」で、7位のG大阪は勝ち点「36」。当然、磐田やG大阪にも十分に優勝の可能性は残っているが、現時点では首位の鹿島との差は大きい。
5チームによる優勝争いというと2005年シーズンが思い出される。このときは33節を終えた時点で首位のC大阪が勝ち点「58」。2位のG大阪が勝ち点「57」、3位の浦和と4位の鹿島と5位の千葉が勝ち点「56」ということで、残り1試合を残した時点で5チームに優勝の可能性が残されていたが首位のC大阪が最終節の後半終了間際にFC東京のMF今野に同点ゴールを食らって2対2のドロー。G大阪が逆転優勝を果たした。
2005年は「Jリーグ史上でも最もエキサイティングなシーズン」と言われているが、今シーズンも同様にエキサイティングなシーズンになっている。このままもつれにもつれた状態で最終節まで優勝争いが繰り広げられると非常に面白いが、優勝経験が豊富なのは言うまでもなく鹿島である。大岩監督になってからわずか1敗のみ。若い選手が多いのでリーグ連覇を果たすことができると黄金時代の幕開けとなるだろう。
■ ずっと負けなしが続いている横浜Fマリノス2位のC大阪はここに来てやや失速中。19節のG大阪戦(A)と21節の清水戦(A)はいずれも後半に3ゴールを許して逆転負け。逃げ切りに失敗した。トップ下の位置でキーマンとして輝きを放っていたMF山村和が負傷で戦線を離脱。MF清武の復帰時期も未定なので踏ん張りどころを迎えている。24節は無敗が続くホームスタジアムで鹿島と対戦するが今シーズンのJ1の優勝争いを占う大一番となるだろう。
3位の横浜FMはここに来て12試合負けなし中。今、J1の18クラブの中で最も状態がいいチームと言える。エースのMF齋藤学になかなかゴールが生まれない点は気がかりであるが、DF中澤を中心とした守備陣はJ1屈指。22試合で17失点というのはリーグ最少となる。オフ期間中にMF中村俊など主力が大量に流出したので先行きが不安視されていたが開幕前の低評価がウソのような快進撃を見せている。
川崎Fはここ9試合で6勝1敗2分け。22節は首位の鹿島との大一番だったが3対1で完勝。怪我の影響で本来の力を出せていなかったMF家長にゴールが生まれるなど非常にいい形の勝利となった。シーズン序盤は怪我人が続出して苦労したがここに来て続々と主力が復帰して来た。ベストメンバーを組める試合が増えてきたのは大きい。クラブとして悲願である「初タイトル」に向けて絶好の位置に付けている。
柏は7節から怒涛の8連勝。一時は首位に立っていた。調子を落とした時期もあったがここ3試合は2勝1分けと調子を取り戻しつつある。FWディエゴ・オリヴェイラの状態が上がってきて、夏に加入したMFキム・ボギョンがチームに馴染みつつあるのは好材料と言える。若い選手が多いので2011年のJ1制覇を知っている選手は少ないが、もちろん、MF大谷など経験者は何人かいる。この点は強みの1つになる。
■ 上位との対戦を全て残している横浜Fマリノス上位4チームの差は「4」なので予想の難しい展開になっているが、「
【J1】 「2017年のJ1を制するチーム」はどこだと思いますか?」の投票の途中経過を見ると、優勝予想は鹿島が34票。31.2%の支持を集めている。続くのは川崎Fで28票。25.7%となる。3番目は横浜FMで14票、4番はC大阪と柏で11票となる。6位の磐田は5票を獲得しているが、7位のG大阪は2票。G大阪の大逆転優勝を予想する人は少ない。
日程的に相当に厳しいのは横浜FMである。後半戦が始まってからは下位との対戦が続いたこともあって残り12試合は上位陣との対戦が多い。詳しく見ていくと1位の鹿島から9位のFC東京までの上位8チーム(※ 3位の横浜FMは除く)との対戦を全て残している。これは相当にタフなスケジュールである。この極めて難しい状況に打ち勝って横浜FMが2004年以来のJ1制覇を達成するようだと見事というしかない。
表1. 残り12試合の対戦相手と平均順位
クラブ名 | 平均順位 | 23節 | 24節 | 25節 | 26節 | 27節 | 28節 | 29節 | 30節 | 31節 | 32節 | 33節 | 34節 |
大宮 | 7.83 | 鳥栖 | 10 | 広島 | 17 | 鹿島 | 1 | G大阪 | 7 | 磐田 | 6 | 清水 | 13 | 横浜FM | 3 | 柏 | 5 | C大阪 | 2 | 仙台 | 12 | 甲府 | 14 | 川崎F | 4 |
横浜FM | 7.92 | 神戸 | 11 | FC東京 | 9 | 川崎F | 4 | 柏 | 5 | 甲府 | 14 | G大阪 | 7 | 大宮 | 16 | 鹿島 | 1 | 磐田 | 6 | C大阪 | 2 | 仙台 | 12 | 浦和 | 8 |
浦和 | 8.36 | FC東京 | 9 | 清水 | 13 | 柏 | 5 | 磐田 | 6 | 鳥栖 | 10 | 仙台 | 12 | 神戸 | 11 | G大阪 | 7 | 広島 | 17 | 鹿島 | 1 | 川崎F | 4 | 横浜FM | 3 |
磐田 | 9.25 | C大阪 | 2 | 神戸 | 11 | 札幌 | 15 | 浦和 | 8 | 大宮 | 16 | FC東京 | 9 | 清水 | 13 | 新潟 | 18 | 横浜FM | 3 | 柏 | 5 | 鳥栖 | 10 | 鹿島 | 1 |
G大阪 | 9.33 | 柏 | 5 | 鳥栖 | 10 | 神戸 | 11 | 大宮 | 16 | 鹿島 | 1 | 横浜FM | 3 | 新潟 | 18 | 浦和 | 8 | 仙台 | 12 | 川崎F | 4 | 札幌 | 15 | FC東京 | 9 |
FC東京 | 9.33 | 浦和 | 8 | 横浜FM | 3 | C大阪 | 2 | 仙台 | 12 | 柏 | 5 | 磐田 | 6 | 甲府 | 14 | 札幌 | 15 | 清水 | 13 | 鳥栖 | 10 | 広島 | 17 | G大阪 | 7 |
札幌 | 9.42 | 川崎F | 4 | 仙台 | 12 | 磐田 | 6 | 神戸 | 11 | 新潟 | 18 | 広島 | 17 | 柏 | 5 | FC東京 | 9 | 鹿島 | 1 | 清水 | 13 | G大阪 | 7 | 鳥栖 | 10 |
新潟 | 9.42 | 仙台 | 12 | 柏 | 5 | 広島 | 17 | 鹿島 | 1 | 札幌 | 15 | 神戸 | 11 | G大阪 | 7 | 磐田 | 6 | 鳥栖 | 10 | 甲府 | 14 | 清水 | 13 | C大阪 | 2 |
広島 | 9.67 | 甲府 | 14 | 大宮 | 16 | 新潟 | 18 | C大阪 | 2 | 清水 | 13 | 札幌 | 15 | 鹿島 | 1 | 川崎F | 4 | 浦和 | 8 | 神戸 | 11 | FC東京 | 9 | 柏 | 5 |
神戸 | 9.75 | 横浜FM | 3 | 磐田 | 6 | G大阪 | 7 | 札幌 | 15 | 川崎F | 4 | 新潟 | 18 | 浦和 | 8 | 鳥栖 | 10 | 甲府 | 14 | 広島 | 17 | C大阪 | 2 | 清水 | 13 |
柏 | 9.83 | G大阪 | 7 | 新潟 | 18 | 浦和 | 8 | 横浜FM | 3 | FC東京 | 9 | 甲府 | 14 | 札幌 | 15 | 大宮 | 16 | 川崎F | 4 | 磐田 | 6 | 鹿島 | 1 | 広島 | 17 |
仙台 | 9.92 | 新潟 | 18 | 札幌 | 15 | 鳥栖 | 10 | FC東京 | 9 | C大阪 | 2 | 浦和 | 8 | 川崎F | 4 | 清水 | 13 | G大阪 | 7 | 大宮 | 16 | 横浜FM | 3 | 甲府 | 14 |
鳥栖 | 9.92 | 大宮 | 16 | G大阪 | 7 | 仙台 | 12 | 甲府 | 14 | 浦和 | 8 | 鹿島 | 1 | C大阪 | 2 | 神戸 | 11 | 新潟 | 18 | FC東京 | 9 | 磐田 | 6 | 札幌 | 15 |
鹿島 | 10.00 | 清水 | 13 | C大阪 | 2 | 大宮 | 16 | 新潟 | 18 | G大阪 | 7 | 鳥栖 | 10 | 広島 | 17 | 横浜FM | 3 | 札幌 | 15 | 浦和 | 8 | 柏 | 5 | 磐田 | 6 |
甲府 | 10.00 | 広島 | 17 | 川崎F | 4 | 清水 | 13 | 鳥栖 | 10 | 横浜FM | 3 | 柏 | 5 | FC東京 | 9 | C大阪 | 2 | 神戸 | 11 | 新潟 | 18 | 大宮 | 16 | 仙台 | 12 |
C大阪 | 10.08 | 磐田 | 6 | 鹿島 | 1 | FC東京 | 9 | 広島 | 17 | 仙台 | 12 | 川崎F | 4 | 鳥栖 | 10 | 甲府 | 14 | 大宮 | 16 | 横浜FM | 3 | 神戸 | 11 | 新潟 | 18 |
川崎F | 10.25 | 札幌 | 15 | 甲府 | 14 | 横浜FM | 3 | 清水 | 13 | 神戸 | 11 | C大阪 | 2 | 仙台 | 12 | 広島 | 17 | 柏 | 5 | G大阪 | 7 | 浦和 | 8 | 大宮 | 16 |
清水 | 10.92 | 鹿島 | 1 | 浦和 | 8 | 甲府 | 14 | 川崎F | 4 | 広島 | 17 | 大宮 | 16 | 磐田 | 6 | 仙台 | 12 | FC東京 | 9 | 札幌 | 15 | 新潟 | 18 | 神戸 | 11 |
■ 終盤に下位との対戦を残すセレッソ大阪残り12試合を3つの期間に区切って「23節~26節」、「27節~30節」、「31節~34節」の対戦相手の平均順位を書き出すと表2のようになる。注目したいのはC大阪である。Jリーグの日程を組む時は盛り上がるリーグの終盤戦に上位(候補)の直接対決が組まれることが多い。プレーオフからの昇格組であるC大阪は日程を組む時点では優勝候補の一角とはみなされていなかったこともあって終盤は下位との対戦が多い。
「31節~34節」の対戦相手の平均順位を見るとC大阪は12.00。18クラブの中で3番目に大きい数字となる。横浜FMと柏は7.00、鹿島は8.50、川崎Fは9.00なので優勝争いに絡んでいるライバルとは大きな違いがある。当然、下位チームには「残留」という目標があるので侮ることはできないが上位対決と比べて勝ち点を計算しやすいのは確か。10月あたりまで上位に食らいつくことができると初優勝が見えてくる。
表2. 「23節~26節」、「27節~30節」、「31節~34節」の対戦相手の平均順位
クラブ名 | 平均順位 | 23節~26節 | 27節~30節 | 31節~34節 |
大宮 | 7.83 | 8.75 | 6.75 | 8.00 |
横浜FM | 7.92 | 7.25 | 9.50 | 7.00 |
浦和 | 8.36 | 8.25 | 10.00 | 6.25 |
磐田 | 9.25 | 9.00 | 14.00 | 4.75 |
G大阪 | 9.33 | 10.50 | 7.50 | 10.00 |
FC東京 | 9.33 | 6.25 | 10.00 | 11.75 |
札幌 | 9.42 | 8.25 | 12.25 | 7.75 |
新潟 | 9.42 | 8.75 | 9.75 | 9.75 |
広島 | 9.67 | 12.50 | 8.25 | 8.25 |
神戸 | 9.75 | 7.75 | 10.00 | 11.50 |
柏 | 9.83 | 9.00 | 13.50 | 7.00 |
仙台 | 9.92 | 13.00 | 6.75 | 10.00 |
鳥栖 | 9.92 | 12.25 | 5.50 | 12.00 |
鹿島 | 10.00 | 12.25 | 9.25 | 8.50 |
甲府 | 10.00 | 11.00 | 4.75 | 14.25 |
C大阪 | 10.08 | 8.25 | 10.00 | 12.00 |
川崎F | 10.25 | 11.25 | 10.50 | 9.00 |
清水 | 10.92 | 6.75 | 12.75 | 13.25 |
2017/08/16 【J1】 2017年シーズンの残留争いの展望 (22節終了時点) (上) → (上)はこちら
2017/08/16 【J1】 2017年シーズンの残留争いの展望 (22節終了時点) (下) → (下)はこちら
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