ジュビロ磐田 ・・・ 最も充実した補強が出来ているクラブの1つJ1の18クラブの中では「最も充実した補強が出来ているクラブの1つ」と言える。高卒の有望株であるMF藤川(東福岡高)とMF針谷(昌平高)をダブルゲットできたのも非常に大きいが、何と言っても元日本代表のFW川又(名古屋)を完全移籍で獲得できたのは大きい。仙台や新潟も関心を寄せていたので争奪戦を制する形になった。名古屋では力を出し切れなかったがCFとしては日本人屈指のポテンシャルを持っている。
22試合で14ゴールを挙げたFWジェイの後釜になるのでハードル自体は高い。14ゴールを1人で埋めるのはなかなか大変だと思うが、一方でFWジェイは運動量が少なくて守備での貢献度は非常に低かった。FW川又は精力的なチェイシングが武器の1つなので前線からの守備力が大幅にアップするのは間違いない。当然、FWジェイが抜けるのは不安要素の1つであるが、トータルでプラスになることも考えられる。
一番の補強ポイントだったCBはDF高橋祥(神戸)の獲得に成功した。瞬間湯沸かし器的なところもあるが攻撃力は魅力の1つ。最終ラインを高く設定する名波監督のサッカーとの相性は良さそうだ。また、ウズベキスタン代表経験のあるMFムサエフ(ナサフ・カルシ)の加入も決定した。ボランチなのか?2列目なのか?は始まってみないと分からないが総合力の高い中盤の選手である。中盤の要になる可能性もある。
さらには大分で10番を背負ったMF松本昌(大分)の加入も決定した。今のところ、退団が確定しているのは契約満了になった選手ばかり。期限付き移籍のMF川辺の去就ははっきりしないが主力の流出は最小限にとどまる見込み。FW川又が期待通りに働いてFWジェイの穴を埋めてくれるとDF高橋祥やMFムサエフやMF松本昌の分だけ戦力アップになる。補強ポイントを押さえた効果的でかつ有意義な補強ができている。
唯一、気になるのは高さの部分である。190センチのFWジェイはセットプレーの守備のときの貢献度が非常に高かった。当然、FW川又も空中戦に強い選手であるがFWジェイと比べると空中戦の強さは劣る。実力者のDF高橋祥を獲得できたのは良かったが「出来ることならば高さのあるCBが良かった。」というのが正直なところである。ハイボールを跳ね返す能力はもともと低かったがさらに低下する可能性がある。