■ 勝利だが・・・北京五輪への切符をかけた最終予選が開幕。日本は、ホームの国立でベトナムと対戦し、前半のロスタイムに挙げたDF青山のヘディングシュートの1点を守って、1対0で勝利した。
これで、白星スタートとなって、結果としては、十分なものを手に入れたが、格下といえるベトナムを相手に内容的には散々で、終了間際には、追加点を奪うどころか、あわや同点かという場面も作られた。今後に向けて、不安だけが残る試合となった。
■ 反町氏で大丈夫か?①この試合で、「引き分け」もしくは、「敗戦」の場合は、反町監督の解任の可能性もあるのではという報道がなされていたが、勝利したことで、ベトナム戦後の解任は、なくなったのだろう。とはいっても、この試合内容では、今後の試合に向けて自信を深めることはできず、逆に、多くのサポーターに不安を抱かせる展開となった。
もちろん、落ち着いて振り返ってみれば、ベトナムにはほとんどシュートチャンスはなく、失点を喫する可能性はかなり低かったとはいえ、あまりにも、かみ合わないチーム状況は、深刻である。「就任当初のほうが、いいサッカーをしていた。」という声もあるが、それも、もっともな意見であるように思う。
何故、おかしくなってしまったかを考えると、事は単純で、選手個々のレベルアップに対して、反町監督自身のもともと持つキャパシティが十分でなくて、受け止められていないということが挙げられる。
思い出してみると、このチームの結成当初の昨年8月の段階で、フル代表のキャップをもつ選手はゼロであったが、この1年間に、DF水本、DF伊野波、DF青山、MF本田圭、MF水野、MF家長が代表にフル選出されるようになって、さらには、MF梅崎、MF柏木、DF内田ら、A代表に呼ばれた経験を持つ選手も、新たに、ユース代表から昇格してきている。
■ 反町氏で大丈夫か?②このチームの過程を見ていると、チーム作りは本当に難しいと痛感する。
タレント力を見ると、この世代は、歴代でも、かなり上位にランクされるものだろう。この年齢で、すでに、Jリーグでトップクラスとして認識されている選手が、多々存在しており、個人別に見ると、魅力的な選手が多い。したがって、アテネ世代が中心になりつつあるフル代表よりも、タレント性では、はるかに恵まれているといえるだろう。
ただ、それが、逆に、反町監督の仕事を難しくしているといえる。能力の高い選手は、一般的には、使い勝手の良くない選手が多いもので、それらの才能を集合体として輝かせるのが、一流監督の仕事であり、腕の見せ所なのだが、残念ながら、現在の反町監督には、その能力は備わっていないと判断せざる得ない。
だから、まだ、各個人のキャラクターが完全には定まっていなくて、ある程度、反町氏の言うことを素直に聞いてくれた昨年度の段階であれば、新潟時代の経験を生かして、それなりのチームを作ることが出来たが、五輪代表の選手は、所属チームで、日々、進化を遂げており、扱いにくさも増しているのだ。
この試合では、とにかく、やってはいけないことや、やらなければならないことの指示徹底が不明確で、「平山の頭」や、「水野の右足」といった明確な武器があるにも関わらず、それらを、チーム全体で生かそうとする意志は見えず、それぞれが好き勝手なプレーをして、それぞれがその状況下で考えられる最も難しいプレーを選択して、失敗を繰り返した。ベトナム戦の途中からは、ジーコジャパンの時代の、にっちもさっちもいかないときの停滞した試合の感覚を思い起こさずに入られなかった。
■ 反町氏で大丈夫か?③今後、日本サッカー協会は、慎重に判断して、続投か、更迭かを判断しなければならないだろう。
五輪サッカーというものは、世界的に見れば、ほとんど無視されているような状況だが、なかなか、海外選手と試合を行う機会に恵まれない日本の選手にとっては、五輪代表での活動は、貴重な経験の場となっており、多くのプレッシャーを抱えながら、本大会に進んで、さらには、本大会で勝ち進むという経験は、何物にも変えられない。仮に、北京五輪の切符を逃がすようなことがあると、多くのデメリットが生ずるだろう。
MF水野やDF青山直はもちろん、FW平山やFW李、さらには、今回は代表から外れているが、FWカレンやMF増田といった選手も含めて、すべての選手が、一生懸命戦っていて、国の代表としてプライドを持って試合に臨んでいることは、十分に伝わってくるが、それがうまく、チームに還元できておらず、プレーヤーとしての彼らの評価が下がってしまう結果になるのは、非常に残念であり、もったいなく思う。
このチームの最終目標が、北京五輪出場にあるのか、北京五輪でのメダル獲得にあるのかは、はっきりしないが、もし、「反町では無理だ。」と日本サッカー協会が判断するならば、早いうちに、判断を下した方がいいだろう。
本人が、受けるかどうかは分からないし、いろいろな障害もあるだろうが、フル代表のオシム監督に五輪代表監督も任せる、というのも選択肢のうちではある。
次は、アウェーのサウジアラビア戦である。とにかく、決断をするならば、今しかないという状況である。
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>>> おけんさん
どうも、コメントありがとうございます。
タレントをそろえ過ぎることは悪いことではないのですが、肝心の指揮官に使いこなすだけの能力がないと、どうしても、ジーコジャパンや反町ジャパンのように試合になってしまいますね。梶山も含めて、難しいプレーをせず、シンプルにプレーすれば、結果はついてくると思うのですが・・・。
>>> わっきーりぐさん
反町監督は、まだ、若い指揮官なので、経験がないので、仕方ない面もありますが、「もっと出来る監督だと思っていたのに・・・。」という感想が、協会幹部にも、サポーターにも、多いのではないでしょうか。
今後、どうなるかは分かりませんが、反町監督にとっては、この予選は、大きな経験になるでしょうね。反町氏の将来のために、「ここは辛抱して任せてみる」、というのも、1つの判断ですけどね。
ナカタとぶつかった西野監督のように、今回の予選を指揮すること、それにともなう重圧を体験する事で反町は名監督となる苦く重要な経験を積む事となると思います
ただ現時点では名監督とは言えないという事でしょうか
反町なので大目に見てましたが、確かにこのままではいかんです。
タレントを揃えすぎなのが駄目なのか?
梶山にもう少し頑張ってもらいたいんだが…
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