■ ブンデスリーガの第32節ブンデスリーガの第32節。23勝3敗5分けで勝ち点「74」のボルシア・ドルトムントがホームのシグナル・イドゥナ・パークでヴォルフスブルクと対戦した。ヴォルフスブルクは10勝12敗9分け。ここに来て結果が出ていない。首位のバイエルン・ミュンヘンは26勝2敗3分けで勝ち点「81」。首位のバイエルンと2位のドルトムントの差は「7」。試合前の時点で残り3試合。バイエルンはリーグ4連覇に王手をかけている。
ホームのドルトムントは「4-2-3-1」。GKブルキ。DFピズチェク、ベンダー、フンメルス、シュメルツァー。MFヴァイグル、カストロ、ムヒタリアン、香川真司、ロイス。FWアドリアン・ラモス。バイエルンへの移籍が噂されるDFフンメルスに対して注目が一身に集まった。日本代表のMF香川はここに来て絶好調。リーグ戦ではここ4試合で3ゴール。通算でも26試合で8ゴール7アシストと好成績を残している。
対するアウェイのヴォルフスブルクは「4-2-3-1」。GKベナーリオ。DFトレーシュ、ナウド、クノシェ、シェファー。MFギヴァヴォギ、ルイス・グスタヴォ、カリジウリ、シュールレ、アーノルド。FWドスト。1トップのFWドストは19試合で8ゴール、MFシュールレは26試合で6ゴールを挙げている。長きに渡ってスイス代表の守護神を務めたGKベナーリオはブラジルW杯の直後の2014年8月に代表引退を表明した。
■ 5対1でドルトムントが圧勝して3連勝試合はホームのドルトムントの一方的な展開になる。前半7分にMFムヒタリアンのボレーシュートがヒットせずにゴール前に流れたボールにうまく反応して合わせたMF香川のゴールで先制に成功すると直後の前半9分にはMF香川のスルーパスからFWアドリアン・ラモスが決めてあっという間に2対0とリードを奪う。MF香川とFWアドリアン・ラモスはともに今シーズン9ゴール目。二桁ゴールにリーチをかけた。
2対0で迎えた後半もドルトムントのペースは変わらず。後半14分にMFロイスのゴールで3点目を挙げると後半32分と後半33分にはいずれも途中出場のFWオーバメヤンがヘディングシュートを決めて5対0とリードを広げる。MFロイスは今シーズン11ゴール目。FWオーバメヤンは得点ランキングで2位となる25ゴール目となった。ヴォルフスブルクは後半41分にMFシュールレのゴールで1点を返すが焼け石に水。
結局、FWオーバメヤンが2ゴール、MFムヒタリアンが2アシスト、MF香川とFWアドリアン・ラモスが1ゴール1アシスト、MFロイスが1ゴールと役者が結果を残したドルトムントが5対1で完勝。バイエルンは引き分けに終わったので首位のバイエルンと2位のドルトムントの差は「5」。当然のことながら逆転優勝の可能性は限りなく低いがバイエルンの4連覇は決まらず。残り2試合まで優勝争いはもつれこんだ。
■ バイエルンの優勝はほぼ決まりではあるが・・・。ドルトムントが2連勝する可能性は考えられるがバイエルンが残り2試合でいずれも取りこぼすことは万に一つも考えられない。さすがに優勝はバイエルンで決まりだと思うがドルトムントもここに来て3連勝。ドルトムントが負けても4連覇が決まる状況だったがヴォルフスブルクを一蹴した。「23勝3敗5分けという成績でギリギリで優勝争いに踏みとどまっていられる。」という状況。バイエルンの凄さは桁外れと言える。
バイエルンは勝ち点「82」、ドルトムントは勝ち点「77」となったが、総得点はバイエルンが「75」、ドルトムントは「80」。破壊的な攻撃力を持つバイエルンを上回っている。一方で失点数はバイエルンが「15」で、ドルトムントは「31」。32試合で31失点というのは悪い成績ではないがそれでもバイエルンのほぼ倍。ドルトムントの守備陣のメンツを考えるともう少し減らせる可能性はあったのかもしれない。
5月21日(土)にはドイツ杯の決勝でバイエルンとドルトムントが激突する。リーグ戦ではバイエルンが1勝1分けで勝ち越しているが前半戦で対戦した時は5対1でバイエルンが圧勝している。この試合の大敗によってドルトムントならびにトゥヘル監督が混乱してMF香川の起用法にも大きな影響を及ぼしたように思うがMF香川もドルトムントも状態としては戻ってきた。今度こそ、がっぷり四つの展開になるかもしれない。
■ 「ここに来て絶好調」と言えるMF香川真司この日も先制ゴールを決めたMF香川はこれで9ゴール目。二桁ゴールにリーチをかけた。今シーズンは「4-1-2-3」のインサイドハーフでプレーする機会も多くてゴールから遠い位置でプレーする時間帯が長かったことを考えると9ゴールでも十分に満足できる数字であるが、やはり、攻撃的なポジションの選手なので「二桁」に到達できると相当に見栄えが良くなる。残り2試合で二桁ゴールを達成してもらいたい。
アシストも8つ目。同様にアシスト数も二桁に到達できると見栄えが良くなる。「ゴール数やアシスト数といった目に見える数字には現れにくい部分で貢献している。」という選手も多いが、特に攻撃的なポジションの選手は最終的には数字で評価される。いくら周囲が貢献度を力説したとしても「年間で1ゴールや2ゴール」となると意見を押し切るのは難しくて『両部門とも二桁』となると選手の価値は格段に上がる。
「MF香川がゴールやアシストを量産できているのは当然。」と思えるほど調子が良い。肉体的なコンディションも良いと思うが、精神的にもいい状態で試合に入ることが出来ているように思える。つい1か月ほど前にロシアW杯の二次予選のアフガニスタン戦(H)とシリア戦(H)に出場するために日本に戻ってきたがそれまでは状態が良くなかったことを考えると「代表招集」が浮上のきっかけになったのは間違いない。
プレシーズンの段階ではトゥヘル監督の評価はあまり高くなかったにもかかわらず信頼を勝ち取ったこと、さらにはシーズン途中で出番を失った時期があるにもかかわらず、再度、信頼を勝ち取ったことを考慮するとMF香川にとっては(タフなシーズンではあったが)選手としてならびに人間として成長できた実りの多いシーズンになっているのではないか。ドイツ杯での優勝を期待したいところである。
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