8人目 : FW 片山瑛一 (ファジアーノ岡山) 1991年11月30日生まれ 180センチ/75キロ
→ 早稲田大学出身。プロ1年目の2014年は35試合に出場して6ゴールを記録した。鳴り物入りでJ2の岡山に入団したわけではない点を考慮すると1年目としては立派な成績である。2シャドーの一角でプレーすることが多かったが、器用さには欠ける。しかしながら、体の強い選手で、試合終了のホイッスルが鳴るまでピッチ上を動き回ることができる「泥臭さ」がウリの1つとなる。空中戦も強くて、こういうタイプを必要としているチームは多いが、探してもなかなか見つからない。希少価値の高い選手である。
彼のもう1つのウリと言えるのはロングスローである。2014年シーズンはほとんどゴールにつながらなかったが、J2ではトップクラスと言えるロングスローの使い手で、距離も、スピードも、相当なレベルである。岡山は今オフ、元日本代表のDF岩政の加入が決まったが、「MF片山瑛のロングスローからDF岩政がヘディングシュートを放つ。」というシーンは何度か見られるだろう。派手さはないが、右足の強烈なシュートも持っており、岡山にとっては大事にしなければならない選手の1人である。
9人目 : MF キム・ジョンヒョン (大分トリニータ) 1993年6月1日生まれ 185センチ/77キロ
→ 日本サッカーと韓国サッカーの違いはいくつかあるが、その1つに挙げられるのは「日本には長身ボランチは少ないが、韓国には長身ボランチが多い。」という点である。ロンドン五輪代表の関塚監督はDF山村(鹿島)をボランチで起用して、さらに予選の途中からはC大阪のMF扇原をレギュラーに据えたが、日本人で185センチ前後のサイズを持った大型ボランチというのはほとんどいない。彼ら以外でパッと出てくるのは2014年は途中からJ3リーグの鳥取でプレーした19歳のMF谷村くらいである。
ボランチというポジションに対する捉え方が大きく異なる点が理由の1つだと思うが、MF奇誠庸に代表されるように、韓国サッカー界は大型ボランチが多い。2012年の途中にJ2の大分に加入したMFキム・ジョンヒョンもその1人で、185センチのサイズを駆使したプレーはスケール感がある。ただ、プレーがソフトで、淡泊なところがネックになって、なかなか出場機会を得ることができなかったが、2014年の終盤はアンカーの位置でポジションを掴んだ。ブレ球のシュートの精度も高くて、ブレイクしそうな雰囲気はある。
10人目 : 前田直輝 (東京ヴェルディ) 1994年11月17日生まれ 175センチ/66キロ
→ 強烈な個の力を持った左利きのアタッカー。昨オフに同学年となるMF中島翔が移籍したため、2014年は新たに「チームに顔」になることが期待された。かつてはカズが背負った背番号「11」を託されて、2014年は飛躍のシーズンになるはずだった。出だしは順調で、開幕の松本山雅戦(H)では得意の左足で強烈なシュートを決めるなど鮮烈なプレーを見せたが、以降は尻すぼみ。結局、26試合に出場して3ゴールという成績に終わった。サポーターの大きな期待に応えることはできなかった。
2014年は思うようなシーズンにはならなかったが、切れ味鋭いドリブルと左足のシュートは魅力で、右サイドでボールを持った時は「突破→シュート」の形を持っている。五輪世代で手倉森ジャパンに召集された経験もあるが、「左利きのアタッカーで、かつ、ドリブルもできる。」という選手はほとんどいないので、代表での活躍も期待される。2014年は停滞のシーズンになったが、類稀な才能を持っていて、ドリブルやシュートでサポーターを楽しませるプレーできる魅力的な選手であることは間違いない。
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