■ 第25節J1は第25節。残り試合は、ちょうど10試合となっている。8勝9敗7分けで10位のジュビロ磐田が、8勝7敗9分けで8位の清水エスパルスと袋井市のエコパスタジアムで対戦。
ホームの磐田は「4-2-2-2」。GK川口。DF駒野、加賀、藤田、那須。MFロドリゴ・ソウト、小林、西、山田。FW山崎、前田。2009年、2010年のJリーグ得点王のFW前田は6試合ぶりの復帰。リーグ戦は8ゴールを挙げている。ルーキーで最多となる9ゴールを挙げているFW金園は怪我でベンチ外。右サイドは、U-22日本代表のMF山本康がベンチスタートで、ベテランのMF西がスタメン出場となった。
対する清水は「4-2-1-3」。GK山本海。DF辻尾、平岡、ボスナー、太田。MFヨン・ア・ピン、村松、小野。FW大前、永井、高木俊。リーグ戦で8ゴールを挙げている元日本代表のFW高原は負傷で離脱中で、ベテランのFW永井がスタメン出場。FWアレックスはベンチスタート。元スウェーデン代表でプレミアリーグのアーセナルで活躍したMFフレドリック・ユングベリが初のベンチ入りで、Jリーグデビューを待つ。
■ 磐田が逃げ切る前回の対戦はスコアレスドローに終わった静岡ダービーの前半は、ホーム扱いとなる磐田のペースとなる。左サイドでスタメン出場のルーキーのMF山田が積極的にシュートチャンスに絡んでいく。6試合ぶりに先発に復帰したFW前田と、U-22日本代表に復帰したFW山崎の2トップもまずまずの動きを見せて清水を押し込んでいく。
先制ゴールが決まったのは前半終了間際のこと。MF山田がドリブル突破からゴール左寄りの絶好の位置でFKを獲得すると、DF駒野が右足で強烈なシュートを放つ。このシュートはGK山本海が手ではじいたように見えたが、シュートの勢いが優ってゴールイン。DF駒野のリーグ戦の2ゴール目で、磐田が1対0とリードして前半を折り返す。
試合を優位に進める磐田は、後半17分にもカウンターからMF山田のパスをゴール前のFW前田が落ち着いて決めて、2対0とリードを広げる。FW前田は今シーズン9ゴール目。しかし、その直後に清水は、MF小野のパスから途中出場のFWアレックスがゴール前で粘ってFW大前に落とすと、FW大前がミドルシュート。これが磐田のDFに当たってコースが変わってゴールに吸い込まれる。これで1点差となる。
追いつきたい清水は、後半20分に、MF小野に代えてMFフレドリック・ユングベリを投入。MFフレドリック・ユングベリは、ゴール前の直接フリーキックと、ドリブルからのシュートとビッグチャンスを作るが、惜しくも2本のシュートは外れて、Jリーグ初ゴールはならず。結局、2対1で磐田が逃げ切って今シーズン9勝目。勝ち点「34」となって清水を勝ち点で上回った。
■ 駒野友一 FKから先制ゴール磐田は、前半から押し込みながらもゴールが奪えなかったが、終了間際にFKから日本代表のDF駒野が直接決めて先制。前半の終了間際という「いい時間帯」にゴールを奪って、試合を優位に進めた。後半にFW前田のゴールで追加点を挙げた直後に、FW大前のゴールで1点を返されたのは拙かったが、何とか1点差を保ってダービーでの勝利を飾った。
殊勲のゴールを決めたDF駒野は、前半は磐田の攻撃が左サイドのMF山田のところが中心となったので、あまり攻撃に参加できずに持ち味を発揮できなかったが、FKを決めてヒーローとなった。右足のキッカーとして蹴りやすい角度ではあったが、やや近すぎる距離だったのでどうなるかと思ったが、思い切って右足を振り抜いたことが成功した。
清水側にしてみると、シュート自体は、それほどいいコースではなくて、GK山本海もはじくことはできていたので、防いでもらいたいシュートといえたが、それだけシュートが強烈だったということだろう。
■ ルーキーコンビが活躍勝利を飾った磐田は、今シーズンは、FW金園、MF山田、MF小林というルーキートリオが目覚ましい働きを見せて、チームを引っ張っている。その中で、リーグ戦で9ゴールを挙げているFW金園は、捻挫の影響で欠場となったが、MF山田とMF小林の二人はスタメン出場し、攻守ともに質の高いプレーを見せて勝利に貢献した。
左サイドでプレーするMF山田は、前半から積極的に仕掛けて攻撃をリードした。狭いスペースでも生きるテクニックは一級品で、ドリブルで相手をかわすパターンも豊富に持っている。トラップも巧みで、難しいボールもしっかりとコントロールするので、次のプレーにスムーズに入っていくことができる。パスで味方を使えそうな状況になっても、思い切って仕掛けていく積極性も買える部分で、名選手が揃う「ジュビロ磐田の10番」に恥じないプレーを見せている。
また、ボランチのMF小林はスタメンフル出場で、運動量豊富に動き回った。先日から、ボランチの相方がMF那須からMFロドリゴ・ソウトに代わったが、MF那須と組んでいたときよりもゴール前に上がっていく回数が増えていて、チャンスに絡むシーンも増えている。どちらかというと守備的なタイプのMF那須と組んでいたときよりも、攻撃的になっているのは、ちょっと面白いところであるが、MFロドリゴ・ソウトとのバランスもよくて、いいコンビを形成している。
■ MFユングベリがデビュー一方の清水は、久々の大物助っ人となるMFフレドリック・ユングベリが後半20分から登場し、Jリーグデビューを果たした。
投入されてからの数分間は、なかなかパスが回って来なかったが、徐々にリズムをつかんでいくと、ドリブルからFWアレックスに出したスルーパス、直接フリーキックでゴールを狙ったシーン、バイタルエリアでボールを受けてドリブルでMF山田をかわしてミドルシュートを放ったシーンと、短いプレー時間ながら、3度の見せ場を作った。
最近はトップレベルの試合を行っておらず、どのくらいのコンディションを維持しているのか?というのが、注目されるが、コンディション自体はまずまずで、もっとも大事と思われるモチベーションも高かった。若い選手が多い中で、チームを引っ張っていこうとする意識も高くて、今後に期待できそうな第一印象を受けた。
MFユングベリが、欧州のトップレベルで活躍していたのは少し前のことであり、また年齢的にも34歳になっているので、Jリーグの中で大活躍されると複雑な感情も芽生えてくるかもしれないが、ビッグネームが活躍するとリーグは盛り上がっていくし、華やかにもなる。アーセナルの頃と比べてどの程度なのか?、欧州のトップレベルでプレーした選手がJリーグでどのくらい出来るのか?を感じるためにも、サッカーファンとして、MFユングベリのプレーは、しっかりと観ておきたいところである。
関連エントリー 2010/01/26
【Jリーグ】 期待外れに終わった外国人選手 (1位-15位) 2010/01/28
【Jリーグ】 地味だったけども、いい選手だったなあと思う外国人選手 (1位-10位) 2010/01/30
【Jリーグ】 歴代の偉大だと思う外国人選手 (1位-15位) 2010/07/29
Jリーグのプレミア化について 2010/10/07
フットボール史上最高のプレーヤーは誰か?を考える。 2011/04/18
カレン・ロバート選手の日本代表入りの噂についてなど 2011/05/30
残念なジュビロサポーターの横断幕
- 関連記事
-