■ MIP(Most Improved Player Award)MIP(Most Improved Player Award)は、北米プロバスケットボールリーグ(NBA)において、前年度の成績と今年度の成績を比較して最も成長した選手に贈られる個人賞のことである。2009年-2010年シーズンは、ヒューストン・ロケッツのポイントガードのアーロン・ブルックス選手が選ばれている。
アーロン・ブルックスは3年目となった2009年-2010年シーズンに先発に定着し、平均19.6得点/5.3アシスト/2.6リバウンドを記録。平均11.2得点/3.0アシスト/2.0リバウンドという前年の成績から大幅にアップさせたことが評価された。
当サイトでは、これに習って、今シーズンのMIP(Most Improved Player)を考える。今回は、J1編。独断と偏見で選んだ候補選手は以下の8名である。
※ 資格候補者はプロで2年目以上の選手に限定。(新人の選手は対象外)
※ 昨シーズンと比べて成長(飛躍)が著しいと思う選手が候補。
※ 昨シーズン以前にすでに実績(フル代表経験、チームの軸として活躍など)があった選手は基本的には対象外。
① 宇佐美貴史 (ガンバ大阪)
→ 高校2年生だった2009年シーズンは3試合に出場してノーゴールだったが、2010年シーズンは26試合で7ゴールと大ブレーク。もともと素材の良さは評価されていたが、8節のFC東京戦でJ1初ゴールを挙げると、着実に結果を残し続けて、G大阪でもなくてはならない選手となった。G大阪の攻撃陣は層が厚いこともあって3040分中で1847分の出場にとどまっていて、シーズン終盤にはスタメンを外れるケースもあったが、それでも、シュート数は83本でリーグ6位。FWマルキーニョス、FWエジミウソン、MFポポ、FWケネディ、MFマルシオ・リシャルデスに次ぐ本数で、日本人の中では最多だった。課題だった運動量や守備力も大幅にアップした。
② 平井将生 (ガンバ大阪)
→ プロ5年目。2008年に8試合、2009年に1試合に出場しただけでJ1ではゴールはなかったが、今シーズンは30試合で14ゴールを挙げて、リーグ5位。日本人では磐田のFW前田に次ぐ2位の成績だった。好不調の波が激しく、常時スタメンというわけにはいかなかったが、高い得点率で貴重なゴールをマークし続けた。シュートセンスに秀でている。
③ 曹永哲 (アルビレックス新潟)
→ 2007年に横浜FCに入団。2008年から新潟でプレーしている。若年層の韓国代表でも活躍していたが、2007年は9試合でノーゴール、2008年は24試合で1ゴール、2009年は25試合で1ゴールと結果を残せていなかったが、2010年に29試合で11ゴールとブレークを果たした。左サイドが基本のポジションで中に入ってシュートを狙うプレーが得意で、韓国のフル代表にも召集されている。
④ 丸橋祐介 (セレッソ大阪)
→ セレッソU-18出身の2年目。1年目は出番がなかったが、2年目のシーズンとなった2010年のW杯中断明けからスタメンに定着。精度の高いキックを武器に3位となったチームの躍進の立役者となった。左サイドハーフが本職であるが、主に左サイドバックでプレー。アジアカップの予備登録メンバーにも選ばれており、ロンドン五輪代表としても活躍が期待される。
⑤ 東口順昭 (アルビレックス新潟)
→ 大学卒でプロ2年目。1年目のシーズンは出場機会が巡ってこなかったが、GK北野が大宮に移籍し、GK高木とGK黒川が怪我で戦列を離れたため、第2節でJリーグデビュー。安定したセービングと正確無比なフィードで正GKに定着した。G大阪のジュニアユース出身で、MF本田圭佑、MF家長昭博とは同期。先日、発表されたアジアカップの日本代表の予備登録メンバー50人にも選ばれている。2010年は25試合に出場した。
⑥ 天野貴史 (横浜Fマリノス)
→ マリノスユース出身の6年目。J1では2007年に3試合、2009年に6試合に出場したのみであったが、2010年シーズンは21試合で3ゴール。シーズン途中から右サイドバックのレギュラーに定着して飛躍のシーズンとなった。
⑦ 田坂祐介 (川崎フロンターレ)
→ 青山学院大学出身のプロ3年目。1年目は12試合で1ゴール、2年目は24試合で2ゴールと経験を積んでいたが、3年目の今シーズンは開幕前のACLでMF中村憲剛が怪我で離脱した影響もあって、開幕からレギュラーに定着。シーズン終盤に戦列を離れたため、27試合で3ゴールという成績にとどまったが、バックアッパーからチームの中心の一人に飛躍した。運動量も豊富で技術もある。
⑧ 中村太亮 (京都サンガ)
→ 金光大阪高校出身の3年目。2008年は1試合、2009年は5試合の出場にとどまったが、2010年は26試合で1ゴール。18試合にスタメン出場を果たして飛躍のシーズンとなった。左サイドアタッカーであるが182㎝と大柄でスピードもある。1989年生まれのロンドン世代である。
結論 → ということで、この中で、一人だけ選ぶとしたら、今シーズンは、宇佐美貴史 (G大阪)。攻撃面だけでなく、守備面でも飛躍を遂げて、昨シーズンと比べると見違えような選手となった。
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